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<第35話 : 顔の記録> 屈んだまま複合プリンターに押し付けられていた真樹は、髪の毛を引っ張り上げられてその場に立たされた。目の前では上蓋が開かれ、コピー用のガラス面が広がっている。 真樹は、今これから自分が何をされようとしてるのか分からず、ただ恐怖に震えていた。 「秘書課所属も残り半月。美人秘書様として恐怖に震える顔、ちゃんと記録残しておかないとねぇ。」 「え!?やっ、ちょっ!や、やめ。。。」 髪の毛を鷲掴みにする史郎は、そのまま真樹の顔をガラス面に押し付け始めた。 慌てて両腕を複合プリンターに付いて身体を支え、何とか留めようとする真樹であったが、髪の毛を鷲掴みにされたままでは思うように反抗することも出来ない。 「いや。だからやめ。。。」 あえなく顔を押し付けられた真樹は。何とか逃れようとするも動けず、勝負メイクを施した顔をフラッシュの眩い光で照らされてしまった。 1回。2回。3回。史郎がスタートボタンを押す度に真樹の顔にフラッシュが浴びせられる。 「うっ!いたっ!ちょ、、、そんな強く引っ張らないで!大人しくするからっ!」 ガラス面から鷲掴みにした髪の毛ごと乱暴に引き上げた史郎に対し、流石に痛みに耐えきれないとばかりに真樹が訴えかけた。 「あ、そうなの。大人しくするの。流石の三ツ瀬真樹も観念したってヤツ?」 髪の毛を鷲掴みにしたまま顔を近づけた史郎が勝ち誇ったように尋ねた。 「う、うん。大人しく言うこと聞く。だって貴方には敵わないもの。だ、だから優しくして。。。」 涙を湛えた目を伏せながら、真樹が悲しそうに答えた。 大人しく言うことを聞かなければ何をされるか分かったものではない。ならばせめて人前じゃない今だけに。そんな願いが込められていた。 「そう。やっと素直になったね真樹ちゃん。分かった。優しく扱ってあげる。 それにしてもガラス面、真樹ちゃんの厚化粧で汚れちゃったな。後で綺麗に拭かなきゃ。あ、それも秘書様の仕事か。」 勝ち誇ったように言いながら髪の毛から手を放した史郎は、両腕で巻き込むように真樹に抱きついた。 そしてそのまま真樹のデスクに引き連れていく。真樹の一切抵抗することなく、抱きつかれたまま大人しく連れられていった。 デスクに着くなり、真樹の身体を回してデスクに軽く腰掛けさせた史郎は掌で真樹の頬を撫で、指先で目元や鼻先、唇をなぞっていった。 「嬉しいねぇ。こうやってオフィスで堂々と三ツ瀬真樹を楽しめる日が来ようとは。夢にまで見たこの日を。」 目に涙を湛え、口を堅く結んで身体を震わせている真樹。そんな真樹を舐めるように史郎は上から下までジロジロと見ながら撫でていった。 髪の毛は何度も引っ張られ乱れている。メイクはコピー機のガラス面に押し付けられたとは言え、今のところ無事。 パンツスーツも未だ手をつけられていない。足元は、、、右足のパンプスは踏みつけられてプリンターの前で脱げ落ち、爪先立ちになっている。ストッキングも足首から破られた状態で。 史郎は、この美味しそうな三ツ瀬真樹をどう賞味しようかと思案しながら、ゆっくりと眺めていた。 そして、、、 「んっ!」 真樹が一瞬声を上げた。史郎が最初に選んだのは、グロスが載った唇であった。 右手を真樹の後頭部に回して押さえ、自分の口を使って吸い付くように真樹の唇を覆い、舌を口の中に入れ込んでいった。 抵抗しない真樹は、あっさりと史郎の舌を侵入させてしまったのだ。 「んんん!んんんんっ!」 真樹の口内に入り込んだ史郎の舌は、内部のあちらこちらを掻き回すように蠢いた。 「んんん!んんんっ、あっ!、、、はぁ、はぁ、はぁ。」 漸く史郎の舌が真樹の口から出たとき、ようやく解放された真樹は大きく息を切らしていた。 「うん。思った通り。三ツ瀬真樹の唇は美味しいね。あ、グロスが剥げちゃった。まぁ、いいか。どうせ今日はもう誰にも会わないだろうし。」 大人しく言うことを聞くからと訴えたとはいえ、何をされる分からぬ恐怖を持ち続ける真樹は、やはり震えたままだった。目に湛えていた涙も遂に溢れ始めた。 前頁/次頁 |