<第27話 : 溶かされるキャリアウーマンの心>


太郎の動きに気を取られている間に、隆の顔が真樹のうなじに迫っていた。

「うっ!あ、あぁ、、、んんん、、、」

一瞬喘ぎ声を上げ、頭をピクリと動かしつつ慌てて口を閉じた真樹。隆の舌が真樹のうなじを舐め上がり、そして後ろ髪をアップにして綺麗に纏められている襟足にそって舌を這わせてきたのだ。
同時に太郎が両手の指先を右太腿に軽く押し込み、ストッキングごと真樹の柔らかな皮膚を刺激しながら膝へと進んでいく。口を閉じつつも真樹は声を抑えきれない。

「どうです?流石の三ツ瀬さんもこういう責め方をされると、自分が女であることを思い出さざるを得ないでしょう。我慢しなくて良いんですよ。ここには我々しかいないんですから。」

襟足を舐めていた隆が耳元で囁くなり、真樹の耳をカップリと口で銜え、そして銀色に輝くピアスともども耳たぶを舌で転がし始めた。

「んんん、、、あっ、あぁぁぁぁっ!」

真樹が喘ぎ声を抑えきれなくなった。隆の舌が耳を刺激すると同時に、太郎の手が真樹の右膝の裏を指先で絶妙に擦り始めたのだ。
太郎の手は更に足元へと進んでいく。ストッキングの上からなのに、太郎が脚を指先でなぞる度に、真樹の意識が飛びそうになる。水島史郎に撫でられた時にも近い感覚があったが、こっちの方が遙かに強い。

水島君の指技はこの二人に伝授されたのでは?そう思いながらも、一度飛ばされたらもう戻ってこられなくなるという恐怖から必死に意識を保とうとする真樹であったが、二人が彼女に与える刺激は容赦ないものであった。

太郎の指先が足の甲をなぞりつつ爪先へと迫る。隆は耳を食み続ける。真樹は全身にゾクゾクと伝わる快感を覚えつつも、意識を飛ばされぬよう必死に耐えていた。
爪先まで達した太郎の手が、黒光りするエナメルパンプスに覆われる真樹の足先を恭しく胸元まで引き上げ、そして爪先と踵を靴ごと握り込んだ。

「10cmのピンヒールが付いたエナメルパンプスか。見事な輝き。上に乗る脚まで綺麗に魅せること。コイツで颯爽と歩いて居並ぶ連中にデキるオンナを印象づける。勝負パンプスってヤツね。流石はスーパーキャリアウーマン。
 もっともそれはビジネスシーンだけの話。いくら仕事がデキてもホテルで男に囲まれちゃなぁ。水商売のオンナと同じで俺たちにエロい姿を楽しませるアイテムの1つに過ぎないんだよなぁ。こんなピンヒール。」

言いながらパンプスごと爪先の指を揉み込んでいた太郎の指先が、足の甲の脇から靴と黒いナイロン生地の隙間に入り込み、足裏をストッキング越しに撫で始めた。
普段は颯爽と歩いて魅せる真樹とは言え、靴は前後で弱く止まっているだけでストラップも何も無い。中に指を入れ込まれたエナメルレザーは、あっさりと踵が抜け、爪先だけが黒い布に包まれた指に引っ掛かってブラブラと危うい状態で浮いた。

「あらあら、キャリアウーマン様の勝負パンプス、あっさり踵が脱げちゃったけど。爪先だけ引っ掛けてブラブラさせて、このまま落っこちたらカッコ良いオンナ魅せられなくなっちゃうじゃん。どうするの?真樹ちゃん。」

足指を上に反らせて根元に黒ストッキングの皺を寄せつつ、爪先でパンプスを何とか引っ掛けている真樹であるが、履き直そうにも太郎が足を掴んでいるのだから靴を元に戻すことなど出来る訳もない。
そうこうしているうちに、足の甲と裏を握っていた太郎の手が爪先に向かって進み、辛うじて引っ掛かっていたエナメルレザーを払い落としてしまった。

「スーパーキャリアウーマン三ツ瀬真樹。勝負メイクの次は勝負パンプスも半分失ったね。チョロいもんだ。見てくれ取り繕ってるオンナを崩すのなんて。次は爪先パンストで遊ばせてもらうぜ。」

パンプスを払い落として爪先を掴んだ太郎。彼の指に挟み込まれている真樹の右足の親指は太郎の興奮を高めようとするかのように、爪に塗られた赤いマニキュアが黒く薄い布に透かされつつ微かに輝いている。

「爪先パンストの中は赤く輝く爪か。見えないトコまで綺麗にして流石だね。ホントこいつは美味しそうだ。」

太郎の指が、真樹の爪先を覆う、中を黒く透かす布を押し付け、赤く塗られた爪の上を滑らせている。
靴を脱がされ、中に隠された足指を好きなように撫でられ、揉まれている真樹であったが、同時に隆の口で襟足や耳を刺激されている彼女には、歯を食いしばって喘ぎ声を抑える以外、何も出来なかった。

いや、そもそも水島史郎にやられた時と今の彼女は同じであった。
既に恍惚感を覚えている彼女は、こんなことではいけないという理性は快感を求める本能に押さえ込まれ、あの時と同じようにストッキングごと爪先をしゃぶられるのを待っていた。

「それじゃ、美味しそうな黒パンストの爪先、いただきま~す♪」

足指を揉んでいた太郎が、遂に黒いナイロン生地に覆われた真樹の足を口の中へと運び入れた。足指を銜えた太郎の口は、前歯で親指の付け根を挟み込み、そして口をモグモグと動かしながら指の爪と腹を揉み込み始めた。

「んん、、、あぁっ、、、あぁぁぁっ!」

右足の親指を食まれ、唾液のもたらす湿り気と刺激を同時に受けた真樹は、全身にゾクゾクとした感覚が襲うと同時に、喘ぎ声を抑えることが出来なくなった。

快感を求める本能に蝕まれつつも、真樹は内心困惑していた。
仕事に対して絶対的なプライドを持つ真樹は、愛する男と寝る時でも、ビジネスにおける戦闘服であるスーツで抱かれることはおろか、触れさせることも殆ど無かった。
ベッドインする時は、衣服は自ら脱ぎ、シャワーを浴び、身綺麗にした上でなければ男女の営みには入らない。潔癖症と言ってもよいくらい、それは徹底していた。
それが、好きでも無い男にストッキングごと足指を銜えられ、唾液でグッショリ濡れるほどに揉まれている今、本来なら嫌悪感でいっぱいになる筈なのに、身体はゾクゾクと感じ、快楽に溺れようとしているのである。

「遂に声を抑えられなくなりましたね、三ツ瀬さん。それじゃあ、こっちもペースを上げましょうか。」

耳元で囁いた隆が、真樹の耳を銜えたまま、両手で赤いジャケットのボタンを外し、白いインナーの裾を掴んで胸の上まで引き上げる。
インナーを取り払われた真樹の胸は、赤いブラカップが覆うだけ。と言っても、赤い包みは隆の責めを防ぐ役目を果たせない。
隆の両手は、光沢ある赤いカップを鷲掴みにするなり、あっさりと鎖骨の方へとずらしてしまった。ガードを失った真樹の胸は、山の頂にある2つの突起を隆の指先によって転がされ始める。

「はぅっ!、、、はぁぁっ!、、、あぁっ!、、、あぁっ!」

耳を食まれ、乳首を弄くられ、パンストごと爪先をしゃぶられる真樹は、その快感に抗うことが出来ず、ソファーの座面を両手でギュっと握りしめながら喘ぎ声を上げ続けていた。
スーツ姿のまま直接こんな責め方されて、こんなことは絶対ダメ。何とかしなければ。そう思う真樹の心は、徐々に快楽を求める本能によって溶かされようとしていた。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」MIKOTO様からお借りしています



















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