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<第26話 : 前後からの同時攻撃> 胸を強く揉まれ、顔を歪めながら背後に立つ隆に視線を向けたその瞬間、右目の視界を遮るように太郎の口が覆い被さってきた。 「ひっ!」 突然のことに驚き、悲鳴を上げながら真樹は目を瞑る。瞼の閉じられた右目を、太郎の口が容赦なくしゃぶり、その舌で執拗に目元を舐め回していく。 後ろから手を伸ばしてジャケットの上から乳房を揉み潰す隆、前から髪の毛を鷲掴みにしつつ徹底的に右目の周りで舌先を這い回す太郎。 ソファーに押し付けられながら、二人に挟み込まれ、怯えながら玩具にされる真樹であったが、逃げれば史郎から更なる酷い仕打ちを受ける。その恐怖心が彼女をこの場に縛り付けていた。 太郎の舌先は、真樹の瞼の輪郭をなぞるように目頭から目尻まで丁寧に、しかも睫がグッショリ濡れるほどになるまで何度も行き来した。そして、彼女の目がベトベトになった頃、漸く太郎の口が離れた。 「おぉ!三ツ瀬さんの右目からアイメイクが完全に抜けましたね。左右の差がくっきりと出て、まさしくビフォー・アフターの完成じゃないですか。」 真樹の右目が太郎の口から解放されたのに気付いた隆が、横から覗き込みつつ関心したように話し掛けた。 「だろ。厚く塗り込んでたのが綺麗になるよう、隅々まで丁寧に舐めてやったもん。完璧に消えたぜ。真樹ちゃんのアイメイク。キャリアウーマン様の勝負メイク敗れたりってヤツだな。」 太郎が真樹の顔を覗き込みながら満足そうに話し掛ける。そんな太郎を正視出来ない真樹は、瞼を下げつつ視線を横に逸らして誰もいない方向を見ている。 そんな彼女の右目は、アイシャドウにアイライナー、そしてマスカラと、彼女が塗り込んだ黒色の全てが跡形もなく太郎の舌によって抜き取られ、残された彼の唾液を照明に反射させながら赤らんだ地肌の色だけを見せている。 温存された左目は、黒いアイシャドウとアイライナーで輪郭を際立て、マスカラの載った睫を美しく見せているものの、相手を正視出来ない今の姿からは凜とした雰囲気は感じさせず、単なる厚塗りメイクという印象しか相手に与えられていない。 「次は頬を舐めまくって中の地肌出してやっても良いんだけど、目ほどは違い出ないから面白く無いんだよなぁ。一気に赤くて艶のある美味しそうなところを食べちゃうかな。」 真樹の髪の毛を鷲掴みにしたまま顔をジロジロと見ている太郎。彼が目と同じように唇に塗られた赤く艶のある口紅を舐め落とすつもりと悟った真樹は、無駄とは思いつつも反射的に口を堅く引き結んだ。 「良いですね。私もそろそろ次にいこうかと思ってました。」 太郎に応じながら隆が胸を揉むのを止めた。太郎の次の行動は読んでいた真樹であったが、隆の物言いは、彼が次に何を狙っているのか悟らせず、真樹は次の行動を予測できない不安がよぎった。 「そか。それじゃ、一気に責めちゃおうか。」 「ふぐっ!」 太郎が声を発するなり、真樹の唇を銜えるように彼の口を被せてきた。このことを予期していた真樹は、口を堅く引き結んで唇を舐められることに備える。 が、彼女の敵は正面の太郎だけではない。何をしようとしているか悟らせなかった隆の両手が背後から伸び、広く開いた襟ぐりから白いカットソーの中へと潜り込んできた。 隆の腕が鎖骨に触れた瞬間に彼の狙いが中の胸にあることを察した真樹であったが、頭を背もたれに押し付けられて唇を銜えられている真樹には対処のしようが無かった。 インナーの中まで何ら抵抗を受けずに入り込んだ隆の両手は、ふたコブの柔らかい山に到達するなり、峰を覆い包む赤い布を強引に押しのけながら山頂にある突起を両の指先で摘まんだ。 そこに至るまでは一瞬であった。インナーの中で胸を揉まれるとは察した真樹。だが、こうもあっさりブラカップを攻略されると思っておらず、乳首を責められることまでは心の準備が出来ていなかった。 「ふっ!ん、、、ぐ、、、ん、んんん、、、」 乳首に不意打ちを受けた真樹は、思わず呻き声を上げ、堅く引き結んでいた口の締まりを緩めてしまった。間髪入れず、太郎の舌が口の中に入り込んでくる。 迂闊であった。隆の力の強さを忘れていたことが、一瞬にして真樹の胸と口のガードを崩し、乳首への指先の侵入と、口内への舌の侵入、正しく二人の男が一気に責めるということを易々と許してしまったのだ。 「んん、、、んんん、、、」 口を塞がれている真樹は呻き声を漏らすことしかできない。 二人の動きは軽妙であった。胸を揉む隆の両手は、乳房を揉み、乳首を下から挟み、乳首の先を指で転がしと左右同時に見事な手捌きで責めてくる。 舌を口内に侵入させた太郎は、真樹の舌を根元から先まで絶妙の圧力で次々と擦りながら刺激してくる。 か、身体が痺れる。な、何?この感覚。不味い。これは水島君にされた時と同じだ。このままじゃ快感を求める本能に支配されてしまう。それに、口を塞がれて息が。。。 全身に電気が走るような感覚に襲われつつ、口に吸い付かれて呼吸が苦しい真樹は焦った。このまま酸欠状態にされると、三ツ瀬真樹という女が簡単に堕とされてしまうと。 とにかく口だけは引き剥がさなければと考えた真樹は、身体を捩りつつ腰を浮かせ、両手で太郎の顔を持って自分の口から引き離そうと力を込めた。 「ぷはぁっ!、、、はぁ、はぁ、はぁ、、、」 何とか太郎の顔を引き離した真樹は、息を切らしながら乳首を弄くる隆の両腕を掴んだ。 が、その瞬間、右太股に重りを感じた。 「遂に股を開いたな、真樹ちゃん。これで黒パンストに包まれた美脚を楽しみ易くなったぜ。」 はっとして足元に目をやった真樹の視界には、右脚を跨ぐようにして立ちながら太腿を握る太郎の姿があった。 ミニスカートで座ることを意識して両膝をピッタリくっつけていた真樹であったが、口を塞がれる息苦しさから全身の力を使って太郎を引き離す瞬間、下半身を支えるべく両脚を開いてバランスを取った。 更に、乳首を同時に刺激されていた真樹は、とって返す力で隆の腕を掴むことに集中していたので、下半身はバランスを取るために開いたまま閉じていない。 この展開を狙っていたかのように太郎が真樹の右脚を取ってしまったのだ。 慌てて脚を閉じようとするも時すでに遅し。透明感ある黒いストッキングに包まれた真樹の細い右脚は、太郎の両脚によって挟み込まれ、そして両手によって掴まれてしまっている。更に乳首は隆に弄くられ続けているのだ。 こうなってしまっては、真樹の力でどうにか出来るものではなかった。 前頁/次頁 |