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<第14話:勝負スタイル> 2015年7月17日15時半。いよいよプレゼンの日である。夕方が近づきながらも強烈な日差しが降り注ぐなか、真樹と史郎は日本橋にある時遊人コーポレーションが入るビルに向かっていた。 長い後ろ髪をアップに纏めている真樹は、普段以上に顔が小さく見え、両耳に下がる大き目のピアスが光っている。黒いアイラインは何時も以上に強く入っており、目元をキリっと魅せている。口元も普段以上に鮮やかな赤。 黒いタイトなパンツスーツ。ジャケットが見せる狭いVゾーンの中は白いスクエアネックのカットソー。この装いは改まった席で見る真樹の姿と変わらない。 違うのは足元。履いているのは7cmヒールのパンプスではない。普段以上に輝きがあり、ピンヒールも10cmあるかと思うような黒のエナメルパンプス。 普段社内で見る真樹も十分魅力的なキャリアウーマンだが、今日の真樹はそれを遥かに上回るオーラを出している。 世の中、勝負服とか勝負下着とか、勝負メイク等という言葉もあるが、きっと今日の三ツ瀬さんは勝負スタイルとか勝負モードとか言うヤツなのだろう。 彼女と仕事で絡むことが無かったから初めて見るけど、きっと三ツ瀬さんが重要な会議や契約の場に臨むときは、オーラをバリバリ出したこのスタイルなんだ。 日本橋に向かって移動しながら、史郎は目の前の真樹に圧倒され、見とれていた。流石はスーパーキャリアウーマン。僕とは違うとばかりに。 時遊人コーポレーションはビルの20階にある。オフィスに着くなり、二人は事務員の及川、つまり祐佳に案内されて会議室へと入っていった。 床のすぐ上から天井近くまで大きな窓がある会議室。今日のような天気の良い日だと、照明が不要なくらいに会議室が明るい。 隆と太郎が部屋に入るなり、真樹のプレゼンが開始された。スタートから見事なプレゼンをする真樹を見て、益々レベルの違いを痛感する史郎であったが、真樹の方は些か異なる心境を持っていた。 今週に入って身体の変調に悩まされ、隆と太郎の前で粗相をし、史郎の前で情けない姿を晒した真樹であったが、彼女の頭の中には1つの仮説があった。 自分が自分で無くなってしまった時、常に史郎が何等かの形で関与していたのではと。そう考えると色々と辻褄が合う。となると、次に何かが起きるのは今日という可能性が高い。 案の定、このオフィスについてから、またアソコが湿っぽくなって、少しずつ疼き始めた。やっぱり今週のおかしな出来事は全部コイツ、水島史郎のせいだ。 きっと、今日私が勝負スタイルでプレゼンに臨むのを予想して、佐藤さん達の前で、この格好のまま恥をかかせる気に違いない。 でも、私にだってプライドがあるんだ。しっかり対策も考えてきたし、水島君ごときに何時までも好き放題にされてたまるか。コイツが何をしようと、今日のプレゼンを乗り切って、格の違いを見せつけてやる。 心の中で覚悟を決めつつ、真樹は予定のプレゼンを次々と進め、居並ぶ三人を唸らせていった。 会議が始まって1時間が経過しようとする頃、真樹のプレゼンも終盤に差し掛かっていた。 隆と太郎の反応も上々で、プレゼンの成功を感じつつ追い込みに入ろうかというその時、テーブルの上に載っていた真樹のペンケースが床に落ち、中身がカーペットの上に散乱した。 「あっ!失礼しました。少々お待ち下さい。」 プレゼンを一時中断し、席を立って床に散乱したペンを拾う真樹。 股間の疼きは相変わらずだが、耐えられないほどではない。ちょっとしたハプニングで話に水を差してしまったが、この契約は確実に取れる。 そう思いつつペンを拾い終わって立ち上がったその時である。 「んん。。。」 一瞬喘ぎ声を出しかけ、そして噛み殺した。 来た!やっぱり今日の私を狙ってる。何かを入れられた感じ。でも大丈夫。心の準備は出来てるし、この程度なら耐えられる。 突然アソコを襲った挿入感。月曜日はここからガタガタと崩された真樹であったが、今日は二度目。 最初から予想していた今日の真樹は、来るものが来たと冷静さを失わず、プレゼンを続けるべく席に戻ろうとした。月曜日程度の刺激は来ても耐えられるはずと考えながら。 「ひっ!う、あ、あぁぁぁっ!」 足を踏み出そうとした真樹が喘ぎ声を発し、心なしか身体を前屈みにしつつ立ち止まった。 な、何?この感覚。げ、月曜日と違う。あの時は、中で細かい振動が来たのに、今日はゆっくりと、中の壁を擦り付けるように動いてる。 しかも、一番刺激して欲しくない、特に感じる場所をピンポイントで突いてきてる。ま、マズイ。これじゃ耐えられない。 真樹の焦りは半端なかった。何せ想定を遥かに上回る刺激が膣内でもたらされ、立っているだけで精一杯。足を前に踏み出すことすら出来ないのだから。 「はぁぁっ!あぁぁぁーーーぁっ!」 厚化粧も意味を成さない程に顔が火照り始めた真樹は、足を内股に窄め、背中を丸めながら両手で股間を押さえた。 窓から入り込む夏の日差しを反射して輝く黒いエナメルパンプスも、カーペットに突き立てているピンヒールがグラグラと揺れている。 だ、ダメっ!こ、こんなのムリっ! 史郎ごときにと思うプライドがありながらも、今や立っていることすら危うい真樹は、膣内を襲う強烈な刺激に顔を歪めながら、うっすらと涙を浮かべた目で、前に座る史郎を見た。 前頁/次頁 |