<第11話:傷つけられたプライド>


足首・脛・ふくらはぎに膝、そして膝裏と、史郎の手が真樹の脚を撫でていく。
ストッキングの上からである。しかし、真樹は昨日をはるかに上回る恍惚感を既に覚えており、声を出さぬよう必死に口を閉じておくのが精一杯であった。
床に下ろす青いスウェードパンプスのピンヒールをグラグラさせ、時々膝をガクガクさせながら、真っ直ぐに立つ真樹であったが、やがて彼女の方から脚を動かし、ふくらはぎや内腿を史郎の肩に擦り始めた。
しゃがんで真樹の脚を撫でる史郎は、横から擦り付け始めたパンスト脚独特の引っ掛かりを肩に感じていた。真樹の本能が理性を凌駕し、更なる快感を求めて身体が勝手に動き始めた証左である。

「やっぱり三ツ瀬さんの脚綺麗ですね。パンツスーツなのが勿体ないくらい。このパンスト脚、メッチャ美味しそうですもん。」

言うなり史郎の口が真樹の脚にしゃぶりついた。ふくらはぎだの膝裏だのに次々と口をつけ、ベージュの生地に次々と唾液のシミを付けていく。
平時であれば、口をつけられる前に大声を上げて張り倒す真樹だが、今の彼女はむしろ史郎の行為を甘んじて受けるくらい、彼の手の内に収まってしまっていた。
そんな真樹の状態を察した史郎は、指先を彼女の膝裏に這わせて、ピンと張ったナイロン生地を手繰り寄せ始める。これも愛撫の一つと感じていた真樹は、史郎に膝裏を黙って撫でさせながら、自らはパンスト脚を彼の身体に擦り付け続ける。

が、次の瞬間、彼女は夢の中から叩き起こされるような感覚に陥った。
直に触られてる!?や、破かれた!?
膝裏を這わせていると思っていた史郎の指先が、彼女の脚を直接に触れ始めたのだ。ハっとして視線を下に落とすと、あろうことか膝裏から潜り込んだ史郎の手がベージュの生地の中で蠢き、既に膝や脛まで回り込んでいる。

「ちょ、ちょっと。な、何やってるの!?や、破くなんて。。。」

驚いた真樹が声を上げるなり、脚を引いて史郎から離れようとした。が、予想以上に史郎の力は強く、彼女の細い両脚は掴み取られたまま。バランスの悪いピンヒールでは踏ん張りも効かず、彼の手の内から脱することは出来なかった。

「ストッキング破かれたくらいで何をそんなに焦ってるんですか。ほら、何時もの三ツ瀬さんらしく凛と立っていて下さいよ。自慢のピンヒールもグラついちゃってますよ。」

「い、いや。だ、だって。これから出かけるのに破かれたら、、、あ、ああぁっ、、、んんん。。。」

抗議をしていた筈の真樹であったが、途中から喘ぎ声が出始め、そして引き離そうとした脚の動きも止んだ。史郎の指先がス~っと彼女の脚を下から上へ撫で上げ、そして舌先で膝裏を弄った。
ストッキングとは比べものにならないほどの快感。真樹自身は認めたくない事実だが、彼女を黙らせるには脚を直接撫で、弄るだけで十分だった。
効果抜群と感じた史郎は、彼女を黙らせるべく生脚を撫でつつも、外から包み込んでいる薄い皮膜を引き裂き、彼女の脚そのものを目の前に曝け出していく。
それを悲しそうな目で見つめる真樹であったが、口を堅く引き結んで喘ぎ声を抑えるのがやっと。それ以上のことはしようともしなくなっていた。

「凄い。三ツ瀬さんの生脚、毛も剃って綺麗に手入れしてるじゃないですか。こんな綺麗な脚してるのにパンツスーツなんて勿体ないですよ。今度ミニスカートに生脚で歩く三ツ瀬さんとか見てみたいなぁ。
 あ、そんな悲しそうな顔しなくても大丈夫ですよ。破くのはズボンで隠せるトコだけにしときますから。こうやってパンツスーツに隠された三ツ瀬さんの美脚、パンスト脚に生脚。両方楽しめるという優越感に浸ってるだけなんで。」

言い終わるなり、史郎の舌先が足首の上からふくらはぎ、そして膝裏へと舐め上がり、そして唾液で濡れるほどに膝裏から内腿を何往復も舐め続けた。

「あぁっ!ん、んんん。。。」

思わぬ快感に声を出しかかり、慌てて赤く彩られた唇を固く閉じる真樹。
ズボンに隠せるトコだけだから大丈夫などというのは史郎の一方的な言い分。真樹にとっては、そもそも史郎ごときにストッキングを破かれ、肌を舐められるという事実が彼女のプライドを傷つけていた。
でありながら、身体は彼の舌技に感じてしまい、更なる快感を求めて次なる刺激を待ち受けている。理性で嫌悪しながらも、本能がこれではどうすることも出来ない。それが真樹に突き付けられた現実であった。

「さ~て、身体の方は十分仕上がったみたいだし、そろそろ最終段階といきますか。」

脚を撫でまわしていた史郎は、その手を真樹のウェストに伸ばした。見上げると、うっすらと目に涙を浮かべ、悔しそうな顔をしながらも黙って史郎を見つめる彼女の姿が映る。
社内でスーパーキャリアウーマンとまで呼ばれる三ツ瀬真樹。パンツスーツにハイヒールで颯爽と歩く彼女の姿は、女子社員憧れの的である。対する史郎はダメ男のレッテルを貼られ、陰口をたたかれるような存在。
それが今や二人きりの会議室の中とは言え、真樹の誇るスーツ姿が意味を成さない程に、史郎が好き放題に彼女の身体を撫でている。史郎にとって、これほどの快感は無かった。

ウェストのホックを外し、ファスナーを開き、そして臀部から両脚を覆う水色の筒をスルスルと引き下げていく。
無抵抗のまま肩幅に足を開いて立つ真樹の足元に水色の布が落ちた時、ベージュのパンストに透かされた綺麗な水色のショーツが姿を現した。
指先で割れ目を軽くなぞると、ナイロン生地を通してほのかに湿り気が伝わってくる。それにしても、昨日とは違って光沢ある鮮やかな水色の生地は、パンストの上から撫でてもスベスベした高級感ある雰囲気を感じる。

もしかして。。。史郎は突然立ち上がって真樹の背後に回った。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」MIKOTO様からお借りしています



















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