<第7話:初めて触るOLの脚>


しゃがんだ史郎は、両手で真樹の右足を恭しく包み込みながら自分の胸元に引き寄せた。
左手で踵から足裏を支えながら、右手で足首から甲、そして爪先へと撫でていく。ストッキングの上からとは言え、こうやって女性の足を撫でるのは初めてだった。
ザラザラとした硬い化学繊維の感触。中の素肌にビッタリと張り付いている不思議な布。これがOLどもの下半身を包み込んでいるストッキングか。それが史郎の第一印象だった。
足を撫でる史郎の右手が爪先に至ると、親指の爪を指の腹で軽く擦った。赤い光沢を帯びた爪の上を、ベージュの布がスルスルと滑る。

「マニキュア塗ってるんですね。綺麗な赤色だ。靴で隠れちゃうところなのに、ここまでオシャレするんですね。」

「う、うん。夏場プライベートではサンダルで歩くこと多いから。爪も手入れしておかないといけないの。」

「ふ~ん。ストッキングにパンプスは仕事の時だけで、プライベートでは素足にサンダルなんだ。それにしてもストッキングって本当に薄いですね。確かにこれなら直ぐに破けちゃいそうだ。」

言いながら爪先を包むストッキングを摘まんだ史郎は、そのまま引っ張って薄いナイロン生地を伸ばしていく。
史郎の中の本能とやらは抑制された声と行動をとっているが、当の本人はストッキングに包まれた女の足を触るなぞ初めてなのだから、興奮もひとしおである。
と、摘まんでいた薄いベージュの布を放したかと思うや、史郎は真樹の親指を口で銜えた。

「えっ!?ちょ、ちょっと。く、口で。。。」

真樹は絶句した。ストッキングの上から撫でられるくらいならと受け入れた彼女であったが、足指を口で銜えられることは思っていなかった。

「あぁ、舌が一番敏感に感じ取ることが出来るんで。薄いとは言え布を一枚挟むから、一番感度の良い口を使って症状確認をしてるんですよ。」

真樹は何も言い返せなかった。小太りでダメ男の史郎。本来の真樹なら足を触れられただけで張り倒すくらい、生理的な嫌悪感があった。
が、どういう訳か、今この場で足を撫でられている間に妙な恍惚感が彼女に降りかかっていた。理性を超越した何者かが真樹に今の状況を受け入れさせ、そして足を銜えられても驚きの言葉を上げる以外は何もさせなかったのだ。

史郎の口が真樹の親指の付け根を前歯で挟み込み、舌を含む口内の各部位を使ってゆっくりと揉み込んでいく。真樹は、史郎の口で足指のマッサージを受けつつ、ベージュの生地もろともジワリジワリと指が濡らされていくのを感じていた。
会議室で新しいのに履き替えたとはいえ、夏の暑い盛りに朝からパンプスとストッキングに覆われ続けた、足の蒸れた独特の匂いとナイロン生地そのもののゴワゴワした感触。史郎が口で揉み込みながら、そんな真樹の足指の味を堪能していると、

「ん、んん、、、」

口を固く引き結んで耐えていた真樹の喉の奥から微かな声が漏れ始めた。頭の中では必死に抑制している真樹は、この事実に少なからぬショックを受けた。
治療のためと観念して耐えていた筈。それが、まるで愛する者と夜を共にしている時のような恍惚感を覚え、遂には身体が思わぬ反応を示し始めた。彼女の身体が理性そっちのけで史郎の行為を受け入れ始めたのだ。よりにもよって水島史郎の。

史郎の方は最高の優越感に浸っていた。何せ自分を見下していたキャリアウーマン様が、足を撫でられることを受け入れたかと思えば、足指をしゃぶられている内に身体が反応して声を出し始めたのだから。
仕事がデキると評判の秘書課、三ツ瀬真樹。その美貌とタイトなパンツスーツでヒールを高らかに響かせながら颯爽と歩く姿は常に人目を惹いていた。それが今やこのザマである。
ハイヒールを履いて偉そうに歩く足だって、パンプスを脱がせて齧り付いてみれば、ストッキングに包まれた爪先は蒸れた匂いをプンプンさせている。三ツ瀬真樹なんてメッキを剥がしてみればこの程度か。
この事実は、夢のお告げによって現れた史郎の本能なるものではなく、元々ある素の史郎にとっても、三ツ瀬真樹という存在を、雲上人からフツーの女に引きずり下ろすのに十分な話であった。

もう、史郎の心に遠慮はない。三ツ瀬真樹という女を弄る楽しさを感じ始めた史郎は、親指のみならず彼女の足指を次々と口で揉み込み、彼の唾液でベチョベチョにしていった。

真樹の頭は混乱していた。理性では強烈な嫌悪感。何せ自分の足指が次々と濡らされていくのである。しかも通気性の悪いストッキングごと、水ではなく、ついさっきまで見下していた男の唾液で。
これほど気色悪い状態に陥らされながら、彼の行為を受け入れ、快感すら覚えているもう1つの自分がいる。そのもう1つの自分によって、理性が持つ嫌悪感は抑え込まれ、自ら進んで足を史郎の口に差し出している。
プライドの高い真樹とは言え、理性そっちのけで身体が史郎の行為を求めてしまっては、為す術なく足をしゃぶられる以外は無かった。

「んん、、、ん、んんん。。。」

口を閉じながらも、真樹は声を抑えきれなくなってきた。真樹の中に居る本能とも言うべき部分が、理性を完全に抑え込み始めた。
この変化を感じ取った史郎は、足指をしゃぶるのを止め、ストッキングに包まれた真樹の脚を両手で包み込むようにしながら、踝、足首そして膝へと撫で上がっていった。
カサカサと音を立てながらナイロン生地独特のザラザラした硬さを感じつつ、指先をふくらはぎに押し込んで彼女の脚が持つ柔らかな弾力も同時に楽しむ史郎。
彼の指先が膝裏を撫で、そして太腿へと達し、股の内側を指先で軽く窪ませながら更に奥へと進み始めた時である。

「ん、、、あ、あ、あぁぁぁ。。。」

赤く彩られた真樹の唇が遂に開いた。そして声が漏れる。彼女は口を引き結ぶことすら出来なくなってきた。
それだけではない。心の中では嫌悪感から目の前の史郎を張り倒してやりたいと思っているのに、当の身体は拒否するどころか、ジリジリと股を外に開き始めている。
右の内腿を絶妙な指圧で撫でられる恍惚感を覚えながら、ストッキングに包まれた左脚を軽く宙に浮かせて史郎の二の腕に擦り付ける仕草まで始めた。
真樹にとって、これほどのショックは無い。身体は生脚に直接愛撫されているのと同じ感覚に陥り、理性を無視して自ら史郎を誘うような動きを始めたのだから。

真樹の顔が火照り、口を開いて荒い呼吸をしながら声を発し始めた。徐々に変化していく真樹の様子をしっかり観察していた史郎は、自分の指技が彼女から理性を奪い、更なる快感を求める本能を完全に呼び起こしたことを悟った。
間に1枚布を挟むなら何とか我慢出来る?出来てないじゃん(笑)。女どもが美脚を作るストッキング。三ツ瀬真樹が頼みにしてる薄っぺらな1枚の布が僕の指の前では約に立たないことを教えてやろう。
そう心の中で呟きながら、史郎は右腿を撫でる両手を、体ごと更に奥へと進ませていった。案の定、真樹はその動きを阻むどころか、されるがまま、ソファーに座ったまま股を開き、史郎を受け入れていった。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」MIKOTO様からお借りしています



















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