<第38話:偽りの終幕>


サブベッドルームでは、美香の身体を満喫した隆・幸雄・祐樹が服を着て、帰り支度を済ませていた。
玄関ホールの方から独特のゆったりしたヒールの音が近づいてきたかと思うと、「コンコンコン」、ノックが3回響き、そして扉が開いた。

「皆様、お帰りのお支度は済みましたでしょうか?本日は、時遊人倶楽部にご参加いただき、有難うございます。お楽しみいただけましたでしょうか?」

扉を開き、オフホワイトのスーツスカートに身を包んで立つ祐佳が、話ながら三人の顔を見回す。

「えぇ。最高のディナーをいただくことが出来ました。また次も宜しくお願いしますね。」

三人を代表するように隆が答える。満足そうに答える隆、同意の頷きを返す幸雄と祐樹。それを目にした祐佳も嬉しそうに微笑む。

「ご満足いただけまして私も嬉しいです。それでは、本日の時遊人倶楽部は終了となりますので、お出口までご案内致します。」

祐佳が出口に向かって身体を転回させ、歩みを進める。綺麗な黒髪を靡かせ、オフホワイトのエナメルパンプスが大理石の床にゆったりとした優雅なリズムでヒールの音を響かせている。
その後ろを、幸雄・祐樹・隆の順に歩いていく。

三人を先導する祐佳が玄関扉の前に着いた。この扉が開かれた時、時遊人倶楽部が終幕する。色白な祐佳の右手がドアノブへと伸びる。

「えっ!?やっ、ちょ、ちょっ!?」

布の擦れる音。何かが扉にぶつかる音。パンプスのヒールが床を鈍く擦る音。そして悲鳴にも似た祐佳の叫び声。それらが同時に玄関ホールに響いた。
気付けば、祐佳はドアノブに触れることなく左右の腕を幸雄と祐樹によって掴み取られ、オフホワイトのスーツに包まれた身体ごと扉に押し付けられていた。

「な、何するんですか!?止めて下さい!」

身体ばかりではなく、後ろから頭を扉に押し付けられ、振り返ることも出来ない祐佳が大声で抗議する。そんな祐佳に対して幸雄が耳元で囁いた。

「まだ終わりじゃないぜ。今日の時遊人倶楽部は。ちゃんと最後まで案内してくれなきゃ。ねぇ、ナビゲーターさん。」

「な、何を言ってるんですか。きょ、今日は終わりです。は、早く、この手を放して下さい。そうしないと、三人とも二度と参加出来なくなりますよ!」

何が起きているのか理解出来ない祐佳が抗議を続ける。こんなルール違反は許されない。そんな強い気持ちで。だが、彼女を捕える二人は力を緩める気配がない。

「何を言ってるのですか?メインディッシュの次はデザートでしょう。私はさっき次も宜しくとお願いしましたけど、聞こえませんでしたか?」

後ろから隆が語り掛けるも、祐佳には全く理解出来ない。今日ディナーに用意したのは金沢美香だけ。それは主催者の一人たる祐佳がよく知っている。それをデザートなどとは。

「ちょ、ちょっと貴方たち。で、デザートの用意なんてありません。案内にも金沢美香としか書かなかった筈です。は、早くこの手を放して下さい。これはルール違反です。倶楽部から除名しますよっ!」

祐佳は必死であった。三人は訳の分からぬことを言い、ナビゲーターである自分を押さえ込んでいる。こんなことは許されない。とは言え、男3人対女1人。今のままでは分が悪い。
この場をどうにか逃れ、太郎に助けてもらわねば。美香を手玉に取るほどの知性を持つ祐佳である。抗議をしながらも頭の中は冷静さを保ち、チャンスを窺っていた。が、まるでそれを見通すかのように祐樹が祐佳の髪の毛を掴んで顔を自分に向かせてジッと睨んだ。

「除名?出来るもんならしてみろよ。社長さんに言いつけてとか考えてるんだろうけど無駄だぜ。アンタがどう叫ぼうが誰も助けに来ないから。
 今日のデザートは社長さんから直々に贈られたプレゼントなんだ。俺たちが前から食べたいと思ってた、白スーツに身を包んだ絶品女、及川祐佳。漸く手に入ったぜ。」

「えっ!?そ、そんな。。。」

祐佳は絶句した。まさしく二の句が継げない状態。祐樹の一言で頭が真っ白になってしまった。

「わ、私はナビゲーター、、、倶楽部の案内人。で、デザートでは、、、」

「ナビゲーターの仕事はさっきで終わり。今度は時遊人倶楽部が提供する絶品デザートとして極上の身体を私たちに味あわせてくれるというのが、私たちが社長さんから受け取った今回の特別メニューですよ。」

祐佳が全てを言い終わらぬ内に隆が言葉を被せる。更に、幸雄も脇から言葉を継ぐ。

「ホント何年も前からこの身体は食べてみたかったんだよ。モデル並みの綺麗な顔。白スーツに包まれ優雅な身体。スカートの裾から伸びる美味しそうなパンスト脚にエナメルパンプス。
 今まで提供されたどんな女より美味しそうでさ、ナビゲーターなんて気取ってないで、一度くらいは皿の上に載ってみろってずっと思ってたけど、今日遂に念願叶うって訳だ。」

「ここにいてもしょうがないし、さっさと運んじゃおうか。」

祐樹が待ちきれないとばかりに促したのを契機に、三人は頷き、そして祐佳の両腕を抱えたまま移動し始めた。

「だ、ダメ~っ!や、止めて~っ!」

大声で叫びながら必死に踏ん張って抵抗する祐佳であったが、如何せん男二人に両脇を抱えられて引っ張られているのだから、力では勝てない。
それに、高級ホテルらしいピカピカに磨かれた大理石張りの床である。エナメルパンプスなぞは表面を滑るばかりで踏ん張りがまるで効かず、まるで氷の上を進むかのようにスルスルと運ばれていった。

「及川祐佳の白パンプス、ズルズル滑って全然役に立ってないじゃん。足元綺麗にしてても、こういう時は他の女と変わらないな。でも、脱げないようにちゃんと履いとけよ。後で脚と一緒に食べてやるから。」

揶揄するように言い放ちながら、嫌がる祐佳を軽々と引きずっていく祐樹と幸雄。結局、祐佳は抵抗らしい抵抗も出来ず、ホテルが誇る姿見の前に引き連れられてしまった。
ドの上では、美しい美香の裸体は玩具のように扱われるだけだった。

祐樹は正面から両脚を開かせて真っ直ぐに突き立てる。その間、二人の男が美香の上半身を押さえ込みながら胸をしゃぶり、さけぶ美香の口を塞ぐように吸い付く男もいる。
ずっと遊び続けて興奮絶頂の祐樹である。本人が楽しみきるかどうかというところでフィニッシュしてしまった。少し欲求不満気味に差し込んだ一物を抜き出す。

器の中に直接挿し込まれ、注がれてしまった美香のショックは生半ではない。が、ショックに打ちひしがれている間は無かった。
休む間もなく隆が美香の身体を四つん這いにさせて、後ろから突き立てる。隆の力は四人の中でも一番強い。両腕を足せば美香のウェストほどの太さがある。そんな腕で軽々と美香の腰を持ち上げ、宙に浮かせたまま一物を差し込む。
下半身を持ち上げられてバランスの悪い美香は、両手をベッドについてバランスを取るも、隆の力強いピストンで身体ごと揺れ動き、遂には支えきれず、顔をベッドマットに沈める態勢で入れ込まれ続けた。さらに、そんな美香の背中や耳、顔を他の三人が舐めて楽しむ。
隆がフィニッシュし、美香の全身がベッドマットに落とされた時、彼女は呆然とした表情で視線を宙に浮かせたまま、ゼェゼェと息をしていた。精神的にもいっぱいいっぱいであった。
が、まだ終わらない。順番を待っていた幸雄が美香を無理矢理中腰に立たせ、美香自身に腰を振らせる。そんな彼女が逃げないよう、他の三人は美香の身体を抱え込み、彼女が休もうものなら髪の毛を掴んで引っ張り、行為の続きを促す。
抵抗することも休むことも許されない美香は、意識が朦朧となりながらも、下から挿し込まれている幸雄の肉棒を刺激すべく曝け出された肌色の腰を上下に動かし続けた。
漸く暖かいものが体内に流れ込んだことを悟った美香は、まるで魂でも抜けたかのように崩れ落ち、下にいる幸雄の上に倒れこんだ。

三人が美香の身体に自らのペニスを挿し込み、本番を楽しむ間、相手をさせられる美香の意思が介在する余地は全くなかった。
ただ、男どもが望む体位を強制的にとらされ、ひたすら押し込まれ、乱雑に扱われる。そして一人が終わったら次。また次。美香にとって経験したこともない屈辱の三連発であった。

「さ~て。ラストイベントは俺だな。」

三人の相手をさせられ、裸のまま頭をベッドに埋め、腰だけを浮かせた、這いつくばるような姿勢で疲れ切っている美香の背後から残酷な声が聞こえてきた。太郎である。
ヨロヨロと身体を起こし、振り返って太郎を見た美香だが、もう逃げる力も叫ぶ力も残っていなかった。ただ、ハァハァと荒い息をしながら虚ろな瞳で太郎を見つめている。

「じゃぁ、俺はこっちでやろうかな。」

太郎が乱れている美香の髪の毛を鷲掴みにし、引っ張って歩き始めた。抵抗する力すらない美香は、されるがままに立ち上がり、腰を折りながらフラフラと、裸のまま引き連れられていった。
美香が連れ出された場所、それは玄関ホールに設えられた姿見の前であった。大理石張りの床が、既に素足となっている美香に非情な冷たさを感じさせる。

「最後は自分が喘ぐ姿を鏡で見てな。パノラミックホテル自慢のロイヤルスイート、角度も工夫されたダウンライトで影も少なく美しく映る姿見、制服を失って裸になったフロント嬢が哀れに食われる姿を自分の目で見るには最高の場所だろ。」

「や、やめ、、、あ、あ、あぁぁっ!」

姿見の正面に美香を立つ美香の背後から、ズブリと太郎の一物が入り込んだ。そして、太郎の両手が美香の身体をしっかりと押さえ込んだまま、中に挿し込んだ肉棒を上下左右にゆっくりと動かしていく。
乱れ切った髪、何度もイカされて崩れ切ったまま再び喘ぐ顔、制服も下着も全て失った裸体。そんな哀れな美香の姿を、パノラミックホテルが誇るロイヤルスイートの姿見は、見事に映し出していた。

26年の人生で一度も経験したことが無い、自らが働く日本橋最高級パノラミックホテルのロイヤルスイートでの輪姦。彼女自身、まさか高級ホテルのスイートルームが自分の身体を狙う狼たちが巣くう密室になるとは思いもよらなかった。
が、そのまさかが起こった。そして、そのラストシーンは裸体で無様に喘ぐ自らの姿を鏡越しに見ながら終えるという残酷な結末で幕を閉じることになった。



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」PORTER RIMU様からお借りしています



















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