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<第30話:ワインのつまみ> 赤ワインを配りながら、祐佳が説明の続きを始めた。 「今回は、目の前の美しきホテルレディが誇る制服の中にワインのつまみが用意されておりますので、先ほど引いていただきましたくじの順番にご賞味下さい。 食事ついでに彼女の身体を撫でる、舐めるという行為は自由ですし、見ての通り両手両足磔状態で服を脱ぐことが出来ませんので、下着をハサミで切り開いて中を楽しむことまでは認めます。 が、制服本体を切ることや、身体に傷をつけることは、商品価値を損ねる行為として禁止させていただきます。 もし、禁止行為をされた場合は、その時点で退場。商品価値を損ねた分は弁償していただきますので、ご注意ください。」 三人が祐佳の話を聞きながら頷いている。とは言え、彼らの顔を見ると、説明は程々にして目の前の食事を早く賞味したいとウズウズしているのが、ありありと表れている。 何せ倶楽部常連である彼らにしてみれば、祐佳のする挨拶にせよ、その後の説明にせよ、全ては耳にタコが出来るほどに聞いている話なのだから。 「それでは、ワインと共に本日のディナーをお楽しみ下さい。先ずは髪の毛。くじの順番では佐藤様ですね。髪の毛を纏めているネットの中にチーズが仕込んでありますから、絞り出すなり、齧り付くなりご自由にどうぞ。」 祐佳の言葉に応ずるように、ワイングラスを右手に持ったまま隆が美香の頭の脇まで歩み出た。そして、目を瞑って耐え忍んでいる美香の髪の毛に左手を差し入れて前髪から後ろ髪へと撫でていく。 スプレーでバリっと固められた美香の髪であるが、差し入れられた隆の指先が中を進むごとにつられて盛り上がり、前から後ろへと少しずつ毛が解れていくのを見せている。 「流石はパノラミックホテルが誇るフロント嬢。見事に作り上げられたシニヨンだ。もっとも、こうやって縛り付けられてしまっては、私達の玩具になるだけだがね。」 「フロント嬢って、何だかキャバ嬢みたいな言い方だな。まぁ、ホテルの一室で磔になって身体を使ったサービスするんだから、似たようなものか(笑)」 隆の言葉尻を捉えた祐樹が蔑むような笑みを浮かべ、からかうように言い放った。確かにフロント嬢などという言葉はないが、目の前で制服を着たままサービスをする美香は、強制的に風俗嬢をさせられているホテルレディには違いない。 そんな祐樹の言葉を聞き流しながら隆の指先が、団子に結われた美香の後ろ髪をネットの上から摘まむように押し挟んでいる。 ネットの網目を通して見えているチーズは柔らかいものらしく、指先で押す度に少しずつネットの網目から外へと染み出てくる。 「ネットの中にチーズを仕込むとはなかなか乙な計らいだね。この髪の毛の団子に齧り付くだけでワインのツマミになる。」 ネットから染み出して付着した指先のチーズを舐め、そして右手に持つ赤ワインを啜りながら隆が嬉しそうに語っている。順番を待つ二人も、そんな隆を楽しそうに眺めている。 「それじゃ。金沢さんが一生懸命作ったシニヨン、美味しくいただきますよ。」 言うが早いか、ガラステーブルの上で仰向けに寝ている美香の頭を左手で掴み上げた隆が、テーブルの上から浮き上がった後ろ髪を纏めるネットに直接齧り付き、そしてモグモグと団子を食み始めた。 隆が口を動かす度に、中からチーズが染み出し、その味を楽しみながら、時々ワインを口にする。その間も左手で頭を掴み上げている。 スプレーでしっかり固められた髪の毛とは言え、指を差し込んで掴み取られているのでは形を維持することなど出来ない。隆が後ろ髪を食んでいる間に美香の髪型そのものが見る見る解れ、乱れていった。 「あらあら、随分と簡単に崩れちゃったわね。フロントのお嬢さんが作りこんだシニヨン。まぁ、所詮は見た目だけを取り繕ったメッキだもの、当たり前ね。他のお二人に待ちぼうけさせるのも悪いから、次に進もうかしら。」 頭を持ち上げられて、隆に髪の毛を食まれている美香を見下ろしながら、祐佳が黒ジャケットのボタンを1つ、2つと外していく。そして、ジャケットを開いて胸部から腹部を覆う真っ白いカットソーの全面を見えるようにした。 「お二方にはこちらを案内しますわね。さぁ、どうぞ。」 祐佳の呼びかけに応じて、幸雄と祐樹が、美香を挟み込むようにガラステーブルの両サイドに進み出た。 「スカートのウェストにスティックタイプのチーズが刺してありますから、ご自由にどうぞ。」 「おぉっ!」という声と共に二人が美香のカットソーを捲り上げた。祐佳の言う通り、黒いタイトスカートのウェストにチーズが何本も刺さっている。 二人とも、指で抜き取るなどという野暮は考えない。そのまま口を美香の身体につけ、そしてチーズを咥えて抜き取る。そしてチーズを食べながら片手に持つワインを飲む。 「なかなか美味しいチーズじゃないか。ワインによく合う。」 嬉しそうに幸雄が語り、そして祐樹も頷いている。そして次々とタイトスカートのウェストからチーズを抜き取り、食べていく。 「そうそう。おへその周りにはオリーブオイルが塗りこんでありますよ。身体を舐めるのは自由なんですから、ワインと一緒にどうぞ。」 チーズが残り少なくなったところで祐佳がカットソーの裾を更に捲り上げ、人差し指で美香のお腹を軽く押し込みながら説明をした。 「ほぉ。オリーブオイルですか。それは良い。」 幸雄が関心したような声を上げるなり、ヘソ周りを舐め始めた。そして、祐樹も続く。 オリーブオイルが塗られているのはヘソ周りだけ。なのに、彼らは何も塗られていない脇腹までもをベロベロと舐め回し、さらには唇を使って皮膚を挟み込み、美香の柔らかな皮膚の感触や匂い、味を楽しんでいった。 前頁/次頁 |