<第8話:一流ホテルの三流女>


背後から身体を密着させたまま両脚を開かせ、スカートを捲り上げてパンスト越しに股間を揉む太郎は、美香が泣き出したのを見て、横から顔を覗き込んだ。
マスカラが滲んで黒ずんだ涙を流す美香。それを面白そうにマジマジと観察する太郎。そんな様子も全て姿見に映し出されていたが、涙で一杯になった美香の目にはもうその姿は入っていない。

「おやおや。もう泣き出しちゃったの?日本橋最高級パノラミックホテルが誇るフロントのお姉さんも、案外あっさり陥落しちゃったね。制服着たまま客の前で泣いてメイクまで崩しちゃって。いいザマだ。」

股間を揉んだまま、楽しそうに話し掛けながら美香の顔を眺めていた太郎は、舌を出してうなじを舐め回したり耳を食んだりして反応を見ていたが、美香は鼻を啜りながら泣くばかりで、あの気品ある姿を取り戻すことはなかった。

「制服着たまま情けない姿を晒す自分の姿を見られるようにってココを選んで遊んでるんだけど、そんな泣いてちゃ見れないね。じゃぁ、そろそろ場所を変えて別の遊びするかな。」

言いながら、太郎が美香から手を放し、床に転がっている美香のパンプスを拾い上げ、再び両手でグニャグニャと曲げながらリビングの方へと歩き始めた。

「ほら、そんなところで突っ立ってないでこっち来いよ。お望み通り靴を返してやるから。それに、部屋の案内まだ終わってないぜ。フロントの金沢さん。」

玄関ホールで泣いている美香の方を振り返って太郎が促す。今直ぐにでもここから逃げ出したい美香であったが、時間を止めて人前で裸にすると脅されていては、それも出来ず、ただ立ち尽くすのみであった。

「どうしちゃったの?パノラミックホテルのフロントは、案内途中で泣いて帰っちゃうような情けない女なの?それならそれで、フロントで客の相手してる最中に制服剥いで素っ裸にしちゃうけど。」

「えっ!?ちょ、ちょっと待ってください。い、今行きます。」

やはりこの男は見逃してくれない。そう思った美香は、涙声で返事をし、慌てて太郎の後に付いてリビングへと入って行った。

「おぉ、やっと来たか。ほら、返してやる。取ってきな。」

美香が傍まで追いついてきたのを見た太郎は、右手に持つ美香の靴を窓に向かって放り投げた。黒いパンプスは、ガンという音を立ててリビングに設えられている大型の窓ガラスに当たり、そしてカーペットの上に転がった。
自分の靴が窓ガラスに投げつけられたのを涙いっぱいの目で追った美香は、片足ハイヒール、片足爪先パンストのまま、ヒョコヒョコと危うげな足取りで窓に向かって歩いて行く。その後ろ姿はまるでボールを追う牝イヌである。
しかし、自分の姿が傍からどう映っているかを考える余裕すら無くなっていた美香は、窓辺に転がった靴まで行き着くと、右手を窓ガラスについて身体を支えつつ、右足を靴の中に滑り込ませようとした。やっと靴が返ってきたという安堵感と共に。

「ひっ!?」

小さな悲鳴と共に、ドンという鈍い音が鳴り響いた。美香の頭が窓ガラスに押し付けられ、右手も窓ガラスについたまま押さえ込まれてしまったのだ。
靴も、右足の爪先が漸く中に入ろうかという矢先に弾き飛ばされ、またしてもパンストだけの右足をカーペットに下した。
美香は何が起きたのか分からず、自分の頭を押し付けている腕の元に視線を流した。そこには、左手で美香の頭を鷲掴みにして窓ガラスに押し付けたまま、身体ごと密着させて美香を押さえ込む太郎の姿があった。

「ひっ、じゃねぇよ。低俗な声出して。やっぱ、パノラミックホテルのフロントって大したことないな。見かけだけ一流取り繕って、中身は三流か。客の前でこんな失礼なことして。」

「えっ!?ど、どういう意味ですか?」

太郎が耳元で囁いた意味、なぜ窓ガラスに頭を押し付けられなければならないのか分からなかった美香が、震えながら聞いた。

「やっぱ美香ちゃんは三流だね。こんなことも分からないで。このシニヨン、後ろから見てて襟足にも解れとか無くて凄い綺麗に作ってるなぁって思ったけど、中身がその程度なら、ここだけ整えてても仕方ないから崩してやるよ。」

「え!?ちょ、ちょっと。や、止めて下さい。」

驚いた美香が涙声で訴えるも、太郎は聞く耳持たずに美香の襟足に口を付けた。そして、髪の毛を食み、おもむろに引っ張ったり掻き回したりし始めた。舐めるのではない、口で髪の毛を咥えて乱すのである。
解れが一切無いほど綺麗に整えられていた美香の襟足とて、このように掻き回されては髪型の維持など望むべくもない。みるみる毛が逆立ち、乱れていった。
しかし、太郎による美香の髪型崩しは襟足には留まらなかった。窓ガラスに頭を押し付ける左手の指が、スプレーで綺麗に整えた美香の髪の毛の間に食い込んでいき、頭全体の髪をグシャグシャに乱し始めた。
指に髪の毛を絡ませて引っ張り、また指を差し込んで再び髪の毛に絡ませて引っ張り。まるで美香という等身大人形の髪の毛を弄って遊ぶかのように。次から次へと乱していった。

「止めてください。お願いです。止めてください。どうして?どうしてこんな。私が何をしたんですか?お願いです。教えてください。」

泣きながら美香が太郎に訴えかける。その間も太郎の口や手が美香の髪の毛を乱し続けるので、美香の髪の毛は後ろ髪を纏めた団子以外はボサボサになり、最初の美しさなどは見る影もなくなってきている。

「どうして?教育してやってるんだよ。フロントの金沢美香ちゃんを。何が悪いか自分で考えな。頭悪い三流女でも一応は一流ホテルのクラブラウンジでフロントする姉ちゃんなんだろ。
 パノラミックホテルの制服着て髪型整えてても中身が伴わないとねぇ、金沢さん。ついでだから、この美味しそうな団子を食べてグチャグチャにしてやるよ。三流女が偉そうにシニヨン作るなんて100年早いっての。いただきま~す。」



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画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」PORTER RIMU様からお借りしています



















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