<第17話:宣伝>

太腿から伝ってホットパンツの中に指を差し入れようとしていた太郎は、彩が反射的に太腿を強く閉じ、両手で股間を隠したのを見て、侵入を諦めた。
止むなく太腿、膝、ブーツの淵と手を下げていった太郎は、指先でヒールを撫でながら呟いた。

「このヒール凄く細くて高いなぁ。流石はRQ。こんなのでカッコよく歩いてるんだもん、凄いよね。高さは何センチくらいあるんだろう。握っても余るから10cmはあるかな。」

言いながら、両手で左右のヒールを力強く握った太郎は、チラっと彩の顔を窺った。
怯えた目でこっちを見ているが、警戒している風ではない。いけると思った太郎は、ヒールを握る手を両側に大きく開いた。

「キャぁっ!」

時間の止まった静寂な空間に、彩の悲鳴、そしてガガガッ!という大きな靴音が響いた。太郎の両手に引っ張られ、一気に左右へと開かれたブーツのヒールがコンクリートの地面を擦りながら動いた音である。
当然ヒールだけがずれ動く訳はなく、ブーツの爪先も地面を横に滑り、足首から膝下を筒のように覆うブーツ、パンストに包まれた膝、太腿とつられていく。水沢彩の脚というコンパスが、太郎の手によって地面の上で強制的に開かれたのだ。
そんな動きを予期していなかった彩は、突然の股裂きに耐えきれず、その場でバランスを失ってホットパンツに包まれた尻を太郎に突き出すように四つん這いになった。

「あら彩さん。ピンヒールブーツで足許カッコよく決めてた割には、悲鳴上げてあっさり崩れ落ちたね。」

「そ、そんな。ヒール掴んで無理矢理脚を開かれるなんて有り得ないもん、転ぶに決まってるじゃん。」

四つん這いのまま顔だけを太郎に向けて涙声で話す彩。驚きのあまり動くことも出来ないらしい。
そんな姿に快感を覚えた太郎が、今度は皺の寄っているブーツの両足首を掴むなり、一気に手前に引っ張った。

「キャぁっ!」

またしても彩の悲鳴。今度は脚を引っ張られ、地面の上で俯せに引き据えられた。

「そ、そんな。無理矢理私の脚を引っ張ったりしないで。い、痛いよ。お願い。」

涙ながらに訴える彩であったが、太郎の興奮を高める作用しかもたらさない。

「面白れぇ。現役RQの水沢彩がカッコよく決めたロングブーツを、高校生の俺が掴んで引っ張り回すと、何も出来ずに地面に這いつくばって半泣きになるんだ。いいザマだな。」

言いながら右脚を包むブーツに手を掛け、ファスナーを下げる太郎。彩は既に抵抗の意思がまるで無いので、右脚を覆う黒い筒は軽々と開かれ、そして脚から抜き取られ、爪先までパンストに包まれた脚を残すだけになった。
更に、太郎は自分の口を彩の足裏に押し付け、爪先に向かって擦りつつ、指先で爪先を包むパンストを引っ張る。そして、太郎が嬉しそうな顔をして彩の顔を覗き込む。

「ねぇ彩さん。このブーツとパンスト、今日は何時間くらい履いてるの?」

「え!?」

何を聞かれているのか分からない彩が怪訝そうに聞き返した。

「だ・か・ら、現役RQご自慢の美しい脚は、どんだけの時間ブーツとパンストに包まれたままかって聞いてるの。」

「。。。」

今度は何を言おうとしてるか分かった彩。しかし、恥ずかしさも手伝って答えることが出来ない。

「そっか。恥ずかしくて答えられないか。まぁ仕方ないよね。まだ暑いのにロングブーツとパンストで覆い続けてたら、人気RQと雖も蒸れた匂いプンプンさせちゃうのは防げないもんね。こりゃ大発見だ。」

無邪気にはしゃぐ太郎。恥ずかしさで顔を背けて床を見つめる彩。
太郎は、俯せのまま動かない彩の裏腿を両手でなぞりながら上がっていき、ホットパンツの上から尻や股間を揉んだ。
一瞬身を硬くした彩だが、俯せのまま動こうとせず、ひたすら床を見つめて我慢している。

「ふん。どうせこうやって揉まれるんだから、最初から隠したりしなければ痛い思いしないで済んだのに。」

鼻でせせら笑うような言い方をした太郎は、素肌の出ている腰から上、胸から背中にかけて帯のように覆っている衣装に至るまで、馬乗りになりながら背骨に沿って舌先で舐め上がっていった。

「いつまで寝そべってるんだよ。胸のコスにプリントされたコードブルーのロゴ隠しっぱなしじゃん。」

耳元で太郎が囁くも彩は答えない。ただ黙って床に俯せのまま身を硬くしている。

「いやっ!い、痛いっ!ひ、引っ張らないで!」

俯せのまま動こうとしない彩の髪の毛を鷲掴みにした太郎が、そのまま引っ張り上げ始めた。
悲鳴を上げながら両手で髪の毛を抑えつつも、彩の身体が少しづつ起き上がっていく。

「だからいつまでも胸のロゴ隠してるなっての。カッコいいブルーとブラックのコス、会社が宣伝するためにアンタの身体に金払ってるんだろ。プロのイベコンとしてちゃんと身体見せろよ。」

「お、お願い。引っ張らないで。ちゃ、ちゃんと言うこと聞くから。い、痛い。」

「そうかい。流石は人気RQ。それじゃ、ちゃんと楽しませてくれよ。身体を使った広告塔としてね。そうしないと、今この場所で会社ではなくて彩さんの身体そのものを宣伝することなっちゃうからね。そんなコス剥ぐの簡単なんだから。」

太郎に対する恐怖。ちゃんと楽しませないと身体そのものを宣伝する場にするという言葉の意味を痛いほど理解出来る彩は、大人しくその場に立ち上がった。



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