<第15話:終演と再会>

興奮が絶頂に達して下半身を露出した純也を目の当たりにし、口で奉仕することで中に直接入れられることだけは避けた彩は、漸く押さえ込まれた脚を放してもらえた。
とは言え、未だ終わった訳ではない。解放されたまま地面にへたり込んでいる彩の面前で、純也が膨張した肉棒をブラブラと振りながら待っている。

「ほらほら。人気RQ水沢彩の舌使い。しっかりと見せてくれよ。早くしないと下からいっちゃうからねぇ。」

彩は、ニーハイブーツに覆われた両膝を地面につき、中腰の姿勢になって涙で崩れた顔を純也に近づけると、口を開いてペニスを咥えた。
そして、必死に口を、舌を動かして純也のペニスを舐め、刺激していく。

「ん。ん。んぐ。」

咥える彩の喉から発せられる呻き声ともとれる音が太郎にも聞こえてくる。ペニスを咥える彩の頬が膨らんだり萎んだり、あの綺麗な顔が歪んでいるのも太郎から見える。
豹変した純也の迫力に圧倒された太郎は、そんな二人をただ眺めるだけしか出来なかった。

「ん。んんっ。んぐ。んんっ。」

途中から両手で彩の髪の毛を鷲掴みにした純也が、その手で彩の頭を前後に揺すりながら自分の腰を振り始めた。
自分の意思とは関係なく頭を揺すられ、口内で異物を擦り付けられる彩は、苦しそうな表情をしながら必死に咥えている。

「んんっ。んっ!、、、ぱ、はぁ、はぁ。。。」

暫く彩の頭を揺すり、腰を振っていた純也が、突然ペニスを口から抜き出した。彩が息を切らしながら純也を見上げている。と、次の瞬間、、、

「えっ!?や、ちょ、ちょっ!」

彩が悲鳴のような声を上げた。何と、純也の膨張した肉棒の先から白い物が次々と放出され、そのまま彩に降り注いでいったのだ。
スプレーでバリっと固められた前髪、涙で崩れながらも残る黒いアイシャドウ。それらに白濁した液体が次々と襲い掛かり、彩の頭から顔を汚していった。

「そ、そんな。。。な、なんで、こ、こんな、こ、と、、、」

彩は両手で顔を覆って蹲り、嗚咽を上げながら泣き出してしまった。黄色いRQコス、黒いニーハイブーツ。全て纏った姿のままサーキット内の一角で二人の高校生を前にして。

--*--*--

1994年9月24日。幕張メッセでは、これが初めてとなるゲームの祭典、日本ゲームショーが開催されていた。
中高生やゲーム好きの大学生、そして大人まで多くの人が、初めてのビックイベントに足を運び、活況を呈している中に、大手ゲームメーカー、コードブルーのブースがあった。
そして、そのブースでは、マリンブルーとブラックを基調とした露出の高いコスチュームに身を包むコンパニオンが複数立ち、通りがかる人々に冊子を配布していた。

冊子を配るコンパニオンの中の一人には、RQとして活躍している水沢彩の姿もある。
ロングヘアーにウェーブを効かせて靡かせ、首を回して下げる黒くて細い帯が胸を覆う青と黒の衣装を支え、お腹はヘソ出し、ウェストからはまた青と黒のホットパンツ。
下半身はパンツの裾、といっても殆ど脚の付け根であるが、そこからベージュのパンストに包まれた太腿を照明に反射させつつ、膝下からは黒のロングブーツを履いている。
サーキットとはまた違う雰囲気ながら、青と黒のコントラストがよく似合っており、その姿で10cmほどの細く高いヒールを踏み鳴らしながら笑顔で冊子を配り歩いている。

傍目から見ると、現役RQがイベント会場において笑顔で来場客に応じている華やかで素敵な雰囲気だが、彩の内心は少々違っていた。
富士で千葉から来たとかいう高校生二人に襲われたあの日から半年が経とうとするが、未だあの日の記憶は消えていない。忘れようもない忌まわしい記憶である。
しかし、あの日以来、あの高校生たちは現れておらず、サーキットで、また様々なイベント会場で、常に華を添えてきた。RQ2年目の彼女は、その度に自分の人気が上がっていることを実感している。
今日も、自分の顔と名前を知って声を掛けてくれる来場客も沢山いる。だが、今日は千葉の幕張。しかも中高生が多く来場するゲームのイベントである。

あの高校生たちに初めて出会ったのも幕張。1年近く前のモーターショーである。
会場内を歩く彩の白いパンプスが突然脱げ落ち、拾いに戻った先にいたのがあの二人。しかも気づかぬ間に胸を覆う衣装が捲れ上がって、中に隠していたブラジャーが全面露出するという姿を見られた。
あの時は訳も分からず逃げるように二人の元を去った彩であったが、今では彼ら、いや、時間を止められるとかいう彼の仕業であることは分かっている。

もし今日この会場に来ていたら、もし私の姿を見つけたら、また彼らに襲われるかもしれない。しかも多くの人が行き交うイベント会場で。
そうなった時、彩には為す術が無い。彼らの思うがままに脅され、悪戯され、ただ泣いて助けを請うのみ。そんな悪夢が再来してしまう。

あの二人に出会わないことを祈りながら仕事を続ける彩であったが、遂にその瞬間が訪れた。
やはり千葉の会場で中高生が多く来るイベントでは来てしまった。あの二人がこっちに歩いてくる。しかもあの視線、明らかにブースの前で立ち、冊子を配布しているのが彩であることに気付いている。
笑顔で来場客に応じながらも、彩の目は二人に向き、心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしながら、来ないで欲しいと願う彩であった。

そんな願いも虚しく、二人が彩の前に来た。

「こんにちは彩さん。お久しぶりです。今日もまたカッコいいですね。その青と黒のコス。」

笑顔で話し掛けながら冊子を受け取る太郎と純也。

「あ、有難うございます。き、き、今日は、た、楽しんで、く、下さい。」

極度の緊張で言葉に詰まりながらも、必死に作り笑顔をして応じた彩。意外にも、二人は冊子を受け取っただけでその場を去っていった。



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