<第13話:本性現す>

「ね、ねぇ山田君。もうホコリ落ちたでしょ。靴履かせてよ。片足立ちのままは辛いからさ。。。」

ブラウス、ベスト、ブレザーと順番に全てのボタンを留め直し、白いパンティを上げてスカートのホックも留め終えた祐佳が、目の前でしゃがむ太郎の肩に手を乗せながら言ってきた。
どうやら元の制服姿に戻れたらしい。足許のに置かれた黒いローファーを除いては。

「は、はぁ。。。」

生返事だけをした太郎は、左手で足首を掴んだまま、今度は右手で脛やふくらはぎをフワっと覆う生地を掴んだ。
そして、ふくらはぎを揉んだり、白い布を撮んで引っ張ったりした。その度に、祐佳の脚を包む布が押しつぶされ、変形し、そして引き伸ばされた。

「やっぱ良いなぁ。先輩のルーズソックスって真っ白でキレイ。しかも細い脚をフワっと包み込んで美しい。大好きですよ俺。先輩だけが持つこの高貴な雰囲気。」

「ちょ、ちょっと山田君。いい加減にして!もう終わりにしてくれないと、お、大声出すよ!」

足首を握ったまま、脚を包みこむルーズソックスを悪戯し続ける太郎に対して嫌悪感を抱いたか、流石に祐佳の語気が荒くなってきた。
さっきまでの情けない涙声とは違う、張りのある強い声だ。

「はぁ、大声ねぇ。。。出したければどうぞ。それで何か変わるとは思えないけど。。。」

そんな祐佳の強い口調とは対照的に、太郎は気だるい口調で切り返す。

「な、何よ。私本気だからね!」

「ふん。本気だから何だよ。大声出してみな。ど~せ誰も助けに来てくれないから。」

「はぁ!?何言ってるの。意味分かんない!」

何を言っても聞く耳持たずで足首を握ってルーズソックスを弄る太郎の業を煮やした祐佳は、大声で助けを求めようと周囲を見回した。が、、、

「え!?な、何これ!?ど、どういうこと?」

左脚を上げて白い布に包まれた足首を握られ、脛だのふくらはぎだのを包む純白のルーズソックスを弄られたまま、地面に付く右足のローファーをぐらつかせながら目の前でしゃがむ太郎の肩に手を付いて立つ祐佳。
二高ナンバーワンとも言われるその美しい顔が硬直し、目を大きく見開き、口を半開きにしたまま言葉に詰まってしまった。

「あ、やっと気付きました?まぁ色々ありすぎて焦りまくってたから仕方ないっすね。分かりました?大声出しても誰も助けに来てくれないって意味。」

「い、いや。だって。な、何でこんなことが。。。」

祐佳には目の前で起こっていることが全く呑み込めない。
それもその筈。人通りの疎らな裏道とは言え駅に向かう通りなのだから人がいない訳ではない。
いない訳ではないのだが、通行人の全てが歩く姿そのままに固まって身動き一つしない。当然二人の方を見る人もいない。
今ここで動き、話をしているのは祐佳、そして目の前で祐佳の脚を掴んでいる太郎の二人だけである。
祐佳の顔には驚愕の表情がありありと見て取れる。そんな金縛りのように動けなくなった祐佳を下から見上げた太郎は、優越感に浸りながら話掛けた。

「さぁ、何でこんなことが起きてるんでしょうねぇ?自分の頭で答え出してみれば?ね、俺が憧れる成績ナンバーワンでちょ~美人の及川祐佳先輩。
 脳ミソをフル回転させて考えたら分かるかもよ。もし正解が出たら、ご褒美としてご自慢のルーズソックスに黒いローファー履かせて、完璧な女子高生姿に戻してあげるよ。」

下から冷やかすような目で祐佳を見た太郎。しかし、頭が良いとは言え、常識の範囲内でしか考えられない祐佳には、理解の出来るような事態ではない。

「え!?わ、分からないよ。だ、だって、、、こんなこと、、、あ、あり得ないもん。。。」

「そう、分からないの。あり得ないの。現実に起こってる事なのに?つまり及川祐佳先輩ご自慢のオツムをもってしても僕にはかなわないってことを認めた訳だ。じゃ、遠慮なく。」

言うなり太郎は祐佳の足首を握ったまま立ち上がった。

「きゃっ!」

祐佳は悲鳴を上げてその場に尻餅をついた。
太郎が立ち上がりざまに握る左足首を持ち上げたので、片足立ちのままバランスを崩したのだ。

「いいこと教えて上げる。今の世界は俺が作り出したの。ここで動けるのは先輩と俺だけ。
 昔から憧れてた先輩の綺麗な脚を包み込む純白のルーズソックスを鷲掴みにして、先輩の身体にあんなことやこんなことしてみたかったから、頑張ってこういう世界作っちゃったの。
 でも、先輩が俺の言うこと聞いて良いコにしてたら、ちょっと遊んだだけで直ぐに元の世界に戻してあげる。それは約束してあげるよ。」

「そ、そんな。。。」

白い布に包まれた左足首を持ち上げたまま、祐佳を見下ろして話掛ける太郎。
その目の前で地面に尻餅をついたまま、左脚を太郎に持ち上げられたまま、ミニスカートが捲れ上がって白いパンティーを見せ、両手を地面を体について身体を支えながら太郎を見上げる祐佳。
祐佳の目に再び光るものが溢れ始め、怯えた表情になっているのを見た太郎は、遂にこの時が来たとばかりに興奮してきた。



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