<第10話:2度目の初犯>

バックステップに両足を掛け、両手を前に出して太郎の肩に添える姿勢で固まっている祐佳。
その姿を見ながら背中越しに近づいた太郎の手が祐佳の髪の毛に伸びる。

綺麗に整えられた黒いロングヘアー。ストレートの髪が背中の真ん中あたりまで真っ直ぐ伸びている。
その後ろ髪を指先で櫛のように上から下へ撫でながら、鼻を近づけて髪の毛に擦り付け匂いを嗅いだ。リンスの良い香りが漂ってくる。

そう言えば、こうやって祐佳の髪の毛に手を触れるのもこれが初めてだ。
あのコンサートの帰りに楽しむまで、こんな風に触れる事が出来るなんて思いもしなかった。

暫く髪の毛の芳香を楽しんだ太郎は、祐佳の前に回り込んでブレザーのボタンに両手を伸ばした。
前を留めるブレザーのボタンを1つ、2つ外して開いていく。
今度は同じライトブルー、前をボタンで留めたVネックのベストが姿を現した。

時間が止まって動けないことが分かっているのだから何の心配も無い。

太郎はベストのボタンも上から1つ、また1つと全て外していった。
ボタンを全て外した太郎は、前に伸ばす祐佳の両手を掴むと、ゆっくりと下していった。
そして、ブレザーとベスト、ボタンが外れた両方の生地を掴むと、横に、肩を通り越して二の腕あたりまで大きく開いていき、胸元がよく見えるようにした。

襟元に赤いリボンが巻かれた白いブラウス、ミニスカートのウェストまで前が全て見えるようになった。
夏であれば、上半身はブラウスだけという服装でいることも多かった祐佳なので、ここまでは今まで何度も見てきた。

ブラウス1枚になると黒いインナーが中に透けて見えるので、こんな姿で過ごしている夏場の祐佳を見る時、太郎は何時もドキドキしていた。
そして薄着なだけに、胸の膨らみまでがよく分かる。もっとも黒のキャミソールが中をしっかり隠して見えなくしているので、この先は想像しかしたことなかった。
そう、これもコンサート帰りにワンピースをずり下してご対面するまではの話だが。

こんな事をしていても、祐佳は固まったまま一向に動く気配が無い。
さぁ、ここからが未知の領域。太郎はドキドキしながら、その領域に踏み入り始めた。
襟の後ろに手を回し、赤いリボンを留めるホックを外すと、そのまま引き抜いて地面に放り投げた。

残るはブラウスのボタン。このボタンに手を掛けたいと何度妄想したことか。
遂に今日、このボタンを全部外すという栄誉に欲することが出来る。憧れの先輩、及川祐佳と言えども、所詮はオンナだってことはコンサート帰りに襲ってよく分かった。
だから、時間を止めて悪戯すれば、何も出来ずに泣き出すに決まってる。今回もその筈。だから、前みたいな妙な緊張や恐れはもう無い。

いよいよ、ブラウスを留めるボタンを上から1つずつ外し始めた。

最初の1つ、2つ。
首の付け根、そして祐佳の鎖骨が露出した。そう言えば、こうやって鎖骨出してること高校時代には一度も無かったな。

3つ、4つ。
遂に黒いインナーのネック、そして胸あたりまでが姿を現した。
今まで透かし見るだけ、あとは想像してドキドキするだけだった、ブラウスの中のインナー。
こうやってボタンを外しているだけでも、手の甲にオッパイが当たって、ブラジャーの感触が伝わってくる。
この硬さは、コンサート帰りに襲った時のと同じだな。今日は何色なんだろう?

ボタンは全部外れた。
簡単簡単。時間が止まれば成績トップの及川祐佳もただのオンナ。やりたい放題だ。
何だ、この程度のことだったのに、あの時は怖くて中のインナーを見ることすら出来なかったのか。

太郎は、ボタンを外し終えたブラウスを掴むと、さっきと同じように両側に開いていった。
下はミニスカートのウェストで締められてるから、そこで固定出来る。横を通り越して背中近くまで前を開き、腹の辺りは黒いインナーだけになった。
襟の方も開き、ブレザーやベスト同様、肩を過ぎて二の腕辺りまで外していった。

バックステップに乗せてる黒いローファーを陽光に輝かせ、真っ白いルーズソックスにフワりと巻かれた美脚をミニスカートの裾まで見せて立つ祐佳。
冬服の時はブレザーに隠されて見えない筈のウェストまでミニスカートが見えている。
そして、ウェストを締めるミニスカートの上は白いブラウス、ではなく黒いインナー。

凄い。これだけでもドキドキしてしまう。
だって、及川祐佳のみならず、他の女子だって外でこうやってブラウスの中を露出させて歩くことは無いのだから。

前を隠すブラウスは全部開かれているので、祐佳の着る黒いインナーの前面は、胸の上、ネックの部分まで全て見えている。
胸元を大きく開いたキャミソール。ブラウスが肩から外され、二の腕まで下りているので、黒い肩紐までしっかり見える。

黒い肩紐に並んでもう一本、肩紐が見える。
白だ。今日のブラジャーは白ということか。

白いブラウスの下は黒いキャミソール。そしてその下は白いブラジャー。
やった。今までは透かしみることさえ出来なかった本当の未知の領域まで立ち入れる時が遂に来た。

太郎は喜び勇んで次の行動に出た。



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