第2話:鞭打ちの刑 scene 1
時刻は23時を過ぎた辺りであろうか、これから黒船館が賑わう時間帯だ。
しかしここ、一般には開放されていない資料室はひっそりと静まっている。
室の一角に置かれた大きな机に向かって、白衣を着た一人の男が熱心に資料を読んでいる。
黒船館の誇る頭脳、医学博士・素浪人(もとなみ・じん)である。
ロマンスグレィの頭髪に、豊かな口髭を蓄えた素浪は、黒船館の研究部長兼資料室長として、様々な調教や拷問の方法を研究している。
彼が館員に姿を見せるときは「suronin」などと名乗っているが・・
コツコツ・・ 静かにノックの音が響く。
「入りなさい・・」
素浪の深いバリトンに扉が開き、両手で盆を捧げたキョウコが入ってきた。
「お飲物を、お持ち致しました。」
盆には上等なブランディのボトルと、グラスが2つ載せられている。
キョウコは胸に「J」の刺繍のある、柔らかそうな布地のアイボリーのブラウスと、粗いジーンのタイトなミニスカートを着けている。
素足には、踵の高いサンダルを履いている。
不透明なブラウスの布地に、キョウコの形のよい乳房がくっきりと浮き出している。
尖った乳首の形も見て取れる。
キョウコはギクシャクと、ギコチナイ歩き方をしている。
盆に載せられているボトルとグラスがカタカタと音を立てて揺れ、今にも倒れそうだ。
「どちらに置けば宜しいでしょうか」
素浪の前まで来て直立したキョウコの内腿が、油を塗ったように濡れて光っている。
特有の甘酸っぱい香りも漂う。
「そのテーブルに置いておきなさい。」
素浪は机の前にある応接テーブルを示すと、ゆっくり歩いてソファーに腰を降ろした。
盆をテーブルに置いて、再び直立の姿勢に戻ったキョウコの、やや辛そうな顔を見上げながら、素浪が聞いた。
「どんな具合かね、喜んでいるように見えるが・・」
「イエ、アノ・・とても辛いです。胸がチリチリして・・それよりもアソコが、と、とても辛くて・・・おかしくなりそうです。」
「そうかね、ま、そのブラウスは静電気を起こしやすい生地だからな。歩くたびに、静電気で刺激されて、それで乳首が尖るとますます静電気が起きる仕掛けなのだよ。・・ま、これもキャプテンの要望でな、1日も早くお前を一人前にしなければならないのでね。もっと敏感なトコロは、後で診察してあげようかね。」
その時、扉に豪快なノックを響かせると、返事も聞かずに黒い顎髭の大男が入ってきた。
黒船館副長のK・Tである。
「ヤッ、ドクター、チョット相談があるんですがネ。今、宜しいかナ」
陽気な大声に、素浪も苦笑して応える。
「あぁ、いいですとも。」
キョウコに向かって命じる。
「もう宜しい、下がりなさい。」
静かに扉を出ようとしているキョウコの耳に、ブランディのグラスを手にした2人の会話が途切れ途切れに届く・・
「いや~、キャプテンから今度の晩餐会に、何かいいアイデアはないかと聞かれてねぇ・・」
「また、キョウコを出展したいとか・・」
「うむ、もっとみんなで弄ぶには・・」
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