第5章 ―悪魔と神の天秤(5)―

「姉さん…やめてよ…そんなの聞きたくない…」
「一本一本抜かれるのは辛かったわ…抜かれても抜かれても終りが見えなくて…痛いのか痒いのかわからない感覚が何回も何回も…
 御主人様に調教していただいた淫乱なオマ○コが、それを敏感に感じとって毎回イヤらしい汁を垂れ流して…」

「もうやめてぇ!!」

私は耐えきれず叫んだ。姉の変化と、水橋さんの性癖の具体を見せられ精神は限界だった。

「もうやめてください…ひっく…もういやぁ…」
「……一美、もういい。」

水橋さんは姉を下げると、また私に近付いた。

「水橋さん…もう許して…もうやめてください…」
「それは出来ません。俺は欲しいものは何が何でも手に入れないと気が済まない。あなたも例外じゃない。」

「そんな、もう…嫌です…」
「それに俺はあなたを救おうとしているんです。」

彼の言葉が理解できない。
私を救うとは一体…?

「え…?」
「聞きました。あなたは以前から神を信仰する信者だった。事故に遇い光を失う前から。家系がそうらしいですね。」

「…」
「そして失明してから…あなたは執拗に神を崇めるようになった。一美も一応信者ですが、あなたは異常だ。狂信者と言っても大袈裟じゃない。」

「何を…」
「炎之花さん、あなたは光を失い神以外のものを信じなくなった。…いや、何かに頼らなくては正気を保てなくなったんだ。」

「違います! 私は…」
「違いません。俺も光を失えば世の中全てが嫌になると思います。死んでしまいたいと思うほどに。
 …しかしそこに信じるものがあればそれを糧に生きる気力も沸く。それしか信じれなくなったとしても。」

「何が言いたいんですか!?」
「神に祈って何か変わりましたか?
 変わらなかったはずだ。信じることで何か変わると、救われると思い込んでいただけだ。
 …人としての幸せを捨て、神の遣いになることで、救われていると自分に言い聞かせていただけです。」

「違います!……違い…ます…」
そうなのかもしれない。
彼の言葉が容赦無く私の心を貫いていく。

「俺はあなたに人の、女の喜びを与えることが出来る。存在すら定かでない神なんかよりは、あなたを導く自信がある。」

悪魔の言葉だった。まるでイヴに知恵の実を食べるように誘惑した蛇のような。
私に神を捨て快楽に生きろと彼は言っている。

「受け入れてください。俺を。」

私の精神は葛藤していた。彼の言葉で神への疑いが生まれ始め、先ほどまでの愛撫の刺激が下半身を狂わせ始めていた。

「わ、私は…神の…」

最後まで言葉がでない。神への疑いが大きくなる。

「神を忘れさせてあげます。」

彼は指を私の秘部に当てがいゆっくりと動かしていく。
着実に性感を刺激され高ぶっていく。粘液の量も増えに増えているはずだ。
クチャクチャと卑猥な音が股間から聞こえてくる。


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