第5章 ―悪魔と神の天秤(4)―
「なら俺の奴隷をやめろ。」
水橋さんの声色が変わった。冷たく突き放すようなその言葉は、一瞬で姉さんの反抗を押さえ込んだ。
「え……い、いや…捨てないでください…」
姉さんの声はガタガタと震え、まるで極寒の中で話すようにその言葉は弱々しかった。
「やらないんだろ? 俺は命令の聞けない奴隷はいらない。」
「ひッ…や、やります! やりますから捨てないでください! 御主人様!!」
「そ…んな…姉さん…」
私は絶望した。信頼している姉の裏切り。綾香さんだけでなく、姉さんまで私を追い詰める側に回った。
「なら、さっさとやれ。口でイカせるんだ。」
「……はい…」
姉さんは私に近付いてきた。ペタペタと音を立てる裸足の足音。
衣ずれの音が一切しない。たぶん全裸なのだろう。代わりにチャラチャラと言う金属音。たぶん話に出てきた首輪と鎖。
「やめて…姉さん。」
「炎之花…ごめんなさい…」
姉さんの息が下半身にかかる。
そしてすぐに柔らかな唇が私の牝に触れる。
「んッ…」
「…………ペチャッ…」
「ひんッ」
舌が性器に触れた。生暖かい刺激が下半身を走る。
「何グズグズしてるんだ。」
「は、はいッ…ん…ピチャピチャジュルッズヂュル…」
「ひあッああッね、姉さん…やめ…ひゃあッ…」
味わったことのない未知の快楽が体を支配していく。
「ジュルジュル…クチャ…ピチャペチャ…」
「あぁッああああ…ひぃッ…」
生殖器から更なる粘液が流れるのがわかる。
「ジュルッ…んん…はぁ…炎之花濡れてきた…」
「いやぁ…言わないでぇ…」
事実を口にされ、私の羞恥心は高まっていく。
「一美、炎之花さんのマ○コはどんなマ○コだ?」
「ん…えと…まだ綺麗なピンクで…ピッタリと口を閉じています。」
「やだぁッ姉さんそんなこと言わないで! 水橋さんも聞かないでください!」
最悪だ。まさか自分の下半身を実況されるなんて思ってもみなかった。
「毛の具合いや臭いは?」
「毛は薄くて、臭いは少しオシッコの臭いがして、酸っぱいようなツンとした臭いです。」
「ふふ…おまえのビラビラになって臭いもキツイ淫乱マ○コとは大違いだな。」
「意地悪言わないでください…恥ずかしいです。それにこんなオマ○コになったのは御主人様のせいです…」
「はははッそれもそうだな。その代わり少しでも綺麗に見えるように毛を脱毛してやったじゃないか。どんな風に下の毛を処理されたか炎之花さんに聞かせてやれよ。」
下の毛?
脱毛?
すぐに何のことかわからなかった。しかしその常軌を逸した行為を脳内で理解し始める。
「炎之花…私、下の毛が…マン毛が無いの。御主人様に何度も剃られて、固くなった毛を毛抜きで一本ずつ抜かれて…
もう私の下の毛は生えてこない…生えたとしてもまた御主人様に処理されてしまうの…」
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