第3章 昔話「性奴隷への誘い」(3)
ん?
未成年…そう一美さんは言った。
つまり男は、少なくとも一美さんより6~7歳は年下。そんな男が一美さんを奴隷扱いしている。
私はその男の正体が気になりだした。もしかしたら一美さんはなにかしらの弱味を握られているのではと考えたからだ。
「くくく…こんな時にまで注意とは一美らしいや。ま、あと4ヶ月でハタチだ多目にみろよ。」
キンッ…シュボッ
男はジッポの上蓋を開け煙草に火をつけた。
その時、ライターの火に照らされその回りが明るくなる。顔も火に照らされ露になる。
「!?」
私は言葉を失った。
男は水橋暎だった。180以上あるでだろう長身に、立った髪、声、全てが彼である証拠だった。
「ふぅ…苦しいか?」
水橋くんは煙草を吹かしながら一美さんの頭を撫でた。
「は、はいぃ…お腹が痛い…です…」
「気体と液体だからな。少し苦しいかもな。お仕置きだから我慢しろよ?」
「は、はい…」
「ふ~…さて、またせたな。出していいぜ。派手にぶちまけろよ。」
水橋くんは煙草を踏みつけ火を消すと、一美さんの尻をおもいっきり叩いた。
バチィッ
「ひッ痛………あ…やだ…出る…出ちゃう!出る出る出る出るぅ!」
表現したくない音を立て、一美さんの肛門から豪快にコーラと排泄物が噴射した。
気が抜けたのか一美さんはベンチに体を預け脱力している。
「!!」
その時、水橋くんがこっちを向いた。
私を見据え、口の両端を吊り上げる。
その笑顔は酷く無邪気だった。
「あ、あの…御主人様…?」
「ああ悪い。今入れてやる。」
その言葉を最後に、私は足早に公園を離れた。
私が見ていることを知っていた。
だから、一美さんにはわからぬように目隠しした。
怖かった。
明日は店に来るのだろうか?
来たらどんな顔で私に話しかけるのだろうか?
そんな心配の感情が心を満たし、一美さんの恥態に雌の本能を支配された。
…
…
…
カランカランッ…
開店して間も無く水橋くんが来店してきた。
「綾香さんアイスコーヒー。」
彼はいつもの席に座り、いつもの注文をする。
しかし私はすぐに反応できなかった。昨日私が見たのは確かに水橋くんだった。いつもと違う水橋くん。
しかし今、目の前にいるのはいつもの水橋くんだった。
キンッ…シュボッ
水橋くんが煙草に火を着ける。
女体の浮彫りの施された悪趣味なオイルライター。そのライターが火に照らされ昨日と同じ輝きを放つ。
スーっと視点が炎とライターの輝きに奪われる。
キンッ
ライターの上蓋が閉まると私の意識も覚醒する。
「綾香さん?」
「えッあ、アイスコーヒーね? 少し待ってて。」
私は慌ててアイスコーヒーを水橋くんのテーブルに置いた。
「はい、アイスコーヒー。」
水橋くんはガムシロップとミルクを一つずつ入れ、ズルズルとストローで喉に流し込む。
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