第1章 昔話「悪魔の心」(1)

俺は、肋骨を骨折し入院していた。

「検温の時間です。…ん、水橋くんまた煙草吸ったわね!?」

口煩い看護婦。臭いで喫煙がばれたらしい。
本当に日本人かと疑うくらいの体。90㌢代の巨乳に、くびれたウエスト、肉付きの良い尻、太股。六条 一美26歳。
長い、ダークブラウンのウェーブヘアを振り乱し俺を叱る一美。

「んなこと言われても喫煙者の性です。」
「何が、喫煙者の性よ? あなたはまだ未成年。喫煙は二十歳を越えてから。」
「あと6ヶ月で二十歳です。」

「未成年は未成年。煙草は没収。」
「マジっすか?」
「マジよマジ。はい、体温計。脇に挟んで。」

俺は体温計を脇に挟み、おとなしくベットに横になる。

「36度ちょうど。平熱ね。」

一美は煙草を持ち病室を出ていった。

「ふぅ…ヒマ…」

俺はヒマに耐えかね。院内を散歩し始めた。





院内を歩き回り、売店で本を買って読むが、そんなものでは一・二時間が限度。

「どこに行こうかな…ん…」

俺はある部屋の前で足を止めた。その部屋の前からうめき声らしき声が聞こえてきたからだ。

「リネン室?…布団やらシーツやら置いてある場所か。」

俺はそっと扉を開けその隙間から中の様子をうかがった。

「あ…はぁ…ああッ…」
中からはうめき声ではなく、女のあえぎ声。

リネン室の隅で、自慰をしている女がいる。巨乳を露出させ力任せにこね回し、下着を脱ぎ捨て乱暴に秘部に指を出し入れさせる。
後ろ姿だが見覚えがある。長くウェーブのかかったダークブラウンの髪がバサバサと揺れる。

そして声。艶のある声だが、看護婦の六条 一美に間違い無かった。

「へぇ…あの一美さんがねぇ…いや一美さんだからか。」

一美が、未亡人であることは他の看護婦から聞いている。更にそれが5年も前のことだとも知っている。

「溜ってんだろうねぇ。まぁ旦那に先立たれて貞操を守ってるなら仕方ないか…。ま、ズリネタとして写真くらい…」

俺はケータイの写真機能を使い、その様子を写す。ちょうど、一美の顔が見えた瞬間を狙いシャッターを切る。

カシャッ

しまった。今のケータイの写真は音がデカイ。しかも自動フラッシュ機能が働き、一瞬リネン室全体が明るくなる。

「!?」
「げ…」

更に事態の悪化。振り返った一美と目が合う。

(しゃあない。出たとこ勝負。訴える気なら、さっさと写真を返せばいい。)

俺は、さほど深く考えず、リネン室に入り扉を閉めた。

「いやぁ意外だなぁ。一美さんが院内でこんな事するなんて。」
「ひッ…水橋くん…」

一美は、片手で無理に巨乳を隠し、スカートを引っ張り濡れた股間を隠す。

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