第10章 ― 黒衣の堕天使として(2) ―

「やっぱお前選んで正解だったな。乳はでけぇし、背もそこそこあるし。唇厚いし。」
「恥ずかしいです…」
「よし次。次はこれだな。」

次に手渡された衣装は黒いナース服。靴、ストッキング、ナースキャップまで黒。

「着慣れてるだろ?」
「あ、はい…」
着替えさせられまた写真撮影が再開される。

「次はプレートは普通に持って。」

カシャッ
カシャッ
カシャッ
フラッシュが焚かれ、写真が撮られていく。

「はい。お疲れ。いや、悪かった。作品売り込みに行ったインディーズバンドから仕事もらってさ。
 急遽ジャケット用の絵作らなきゃだったんさ。さっきのプレートは曲名。」

「そうなんですか…」
「出演料は……体でか?」
「え…」

言われて期待してしまう。 

「ツッコめボケ。“なんだその人妻がヤクザに払う借金みたいな表現は?”とか。」
「え…えっと…」

「…………………ふぅ。お前にツッコミを期待したのが間違いだったな。まぁいいや。やりたいんだろ?」
「……はい…」

なんだかわけのわからないことを言われながらも、彼は私に近付き私の体をまさぐる。

「んんッ…」
「何か変なシチュエーションだな。黒いナース服の看護婦を犯そうとしてるし、場所もスタジオだし。」

「用意したの…はッ…御主人様…ですッ…」
「まぁそうだな。今日はどっちでする?」

「あ…あの…今日は…ダメな日なので…後ろが良いです…」
「つうか後ろが好きなんだろ?」
「……はい…」

前も好きだが後ろも好きだ。むしろ後ろの方が独特の気持ち良さが味わえる。
普段出口だけの一方通行の穴を熱い筋肉の塊が逆走してくる、内蔵を撫でられるような感覚。

カリ首が直腸を引きずり出すように、排泄感を強めたような感覚と悪寒に似た背筋の寒気が心地良い。それに何の気兼無く御主人様のエキスを出してもらえる。

その変わり感染病を防ぐため、中を良く洗浄しなければならない。
エイズの原因の一つだからより慎重をにしたほうが良い。

「さて、入れる前に洗おうか。出してきたか?」
御主人様が言うのはもちろん排泄物のことだ。

「…は、はい。」

最近、お肉を食べていない。以前に増して菜食中心になった。お腹の中の臭いを少しでも軽減させるため、少しでも中に溜めないように。

「んじゃ、洗浄だけで良いな。」
「はい。よろしくお願いします…」

御主人様は浣腸器を取り出し、薬液の入った瓶を出し私に見せた。

「え~とバケツと水は……ちょっと待ってろ。用具室に取り行ってくるわ。」

御主人様はスタジオを出ていった。
……なんかお預けを食らった気分だ。

「………………………」

何をして良いかわからない。
少し…少し触るだけなら…
右手をスカートの中に運び、下着の上から秘部を擦る。

ニチャ…
もう、少し濡れていた。

「だから勝手にオナるなっつうの。」
「!!」

御主人様はすぐ戻ってきた。呆れた顔で私を見ていた。


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