官能小説『父親の面影を追い求め』

知佳 作



桂子(image)





20 男と酒に溺れ、我が子の深夜徘徊をも放置・黙認する母

人妻桂子無断屋外交尾泊
 それはいつの頃だったか定かではない。 佳子に頼まれ久美はご主人の倫之さんがいない夜に佳子の自宅に相談がてら訪問したことがあった。

 佳子には悪い癖があり、どんなに仕事の上りが遅くなっても自宅に帰り着くなりまず気合を入れるためビールをあおるのだ。 ほどほどに酔いが回ったところで台所に立つというのがいつものやり方だった。

 自宅に帰り着くとまずビール・・・ キッチンで作りかけのオカズをつまみの立ち飲みだからせいぜい350mlひと缶程度と久美は軽く考えていたのだが・・・

  相談があると、如何にも緊急であるような言い回しで呼び出され、取るものもとりあえず駆け付けたがその日自宅を訪れた時には既に相当量呑み終えていてかなり出来上がってしまっていた。

 旦那や子供たちの世話を終え駆け付けてみると桂子は余程昼間の仕事で疲れたのであろう あおるだけあおって寝っ転がっており、片やキッチンを見るとオカズは作りかけのまま止めており子供たちの食事の支度は深夜に近いというのにまるで出来ていなかった。

 久美の訪う声が聞こえたからだろう自宅に誰もいないかと思いきや、二階から物音がしてその頃になって姉弟が腹をすかせ階下に降りてきた。 「あらっ、陽介くんこんばんは」 声をかけるも小さく頷くだけで相変わらず返事はしない。
 いや、返事はしたかもしれないが聞こえない。

 図体は両親に似て大きく、同級生の久美の次女留美が140センチ足らずと言うのに彼は既に170センチを優に超えるほどデカいが気が小さくいつも何かに怯える風だった。

 その後ろからのそりと現れたのが長女の真理で高校2年の1学期にいじめにあい不登校になってそのまま退学してる。 腹を空かせ苛立っていたんだろう、ふたりは言葉少なにどこに行くとも告げず外に出て行った。

 「こんな時間に、子供たちだけで外に出していいの? あの子たち、どこに行くの?」 久美にしてみれば当然のことを当然と思って桂子に聞いた。

 男の子だけならまだ許せる。

 だが、先に出て行ったのは高校を中退して引きこもっているお姉ちゃんの真理の方だったのだ。

 時刻は間もなく深夜0時というのに悪びれることはもちろん、後ろ髪を引かれる様子も見せずごく当たり前のような顔をして出て行ったのだ。

 「深夜徘徊し、もしものことがあったらどうするの! 私が呼び戻してくる」 立ち上がりかけた久美に向かって佳子の投げやりな言葉が飛んだ。 「フン! ホントにどうしようもないんだから! どうせコンビニでしょ」 
 いつものことよ、
 「誰ぁ~れがあんな子を・・・」 襲うもんですかと平然と言ってのける母親。 男にも好みがあると言いたいらしい。

 久美が真理の出ていく様子を見た限りでは着てるものから態度まで既にオトコどもの餌食になっているとみられ、歳に似合わずケバく大人である母の桂子に対し 「ウチはアンタと違ってしょっちゅう・・・」 と、むしろ居直りで平気な顔をしているように見えたのである。

 ところがバカにされてる母である桂子は 「ウチがこんなに頑張って、それでも追っかけてきてくれない男らを、何にも知らないあんな小娘が相手にされるわけがない」 と酔った勢いも手伝って言い切ったのだ。

 こんな風に口走る桂子の気持ちも解らないではなかった。

 ここ数日連絡が途絶えてたのに今日の夕方近くになって仕事時間だろうに急に相談があるとメールで呼び出しをくれたことには深い訳があるに違いないと案じてたのだ。

 「・・・ねぇ、 今日さ なんかあったの? 今日じゃなくてもここんとこ」

 これには返事が返ってこなかった。

 更に続けて 「あの公園の中で例の彼呼び出して、まだヤッテるの?」 オンナならでわの感で聞いた。

 だらしなく横たわっていた桂子の躰がこの問いにピクリと反応を示したのだ。 

 「ゴム付けないでナマのまま入れさせてるんでしょ? 避妊薬もらったのあったじゃない。 オンナの躰の心配なんかどこ吹く風で中に出しちゃうヒトだから、そこらへん気を付けてちゃんと飲んでヤッテるんでしょうね」

 ふてくされた顔に変わっていくのが見て取れた。

 薬はバッグに潜ませてはいるが恐らくタイミングが合わないなどの得手勝手な理由をつけ服用していないんだろう。

 その危険さがオンナの部分を狂わせるからだ。

 「この前診てもらった医院で男の先生だから言わなかったんだろうけど、あとで看護婦さんから桂子の躰すっかり準備出来てるみたいだからって」 そこまで言いかけ止めると、 「わかってるわよ! ゴム付けなきゃ危ないってんでしょ!」 吐き捨てるように言い放ち、「でもこれってさ、気持ちの問題なじゃい?」 案の定言い逃れをし始めた。

 桂子は連休明けの月・火・水と家族に内緒で休みを取って彼を追っかけ火曜日の夕方近く仕事終わりに捉まえて公園に連れ込み夜っぴいて凌辱してもらってたと言った。

 彼をある場所で拾ってすぐに 「我慢して待ってたんだ」 魅せてほしいと言われ 「車の外がいい? それとも・・・」 気を利かせ言いかけるのを制して 「この前話しに出てきた、メールに添付し送り付けたって・・・」 明らかな出逢い系の男たちに対する嫉妬だった。

 「なんだかソレ見せるの恥ずかしいけど・・・ それって妬いてくれてんの?」 以前からどうしてもそこが訊きたかった。

 「ああ…まぁ・・・」 どちらともつかない返事だったが桂子はアソコがキュンとしてしまった。

 ここで魅せてあげなきゃ釣れないと思い込んでしまっていた。

 ちゃんと魅せてあげるためクラウンのハンドルを彼に預け桂子は路肩に止めてくれた車の助手席で運転席の彼に向かって着衣のままM字開脚し湿ったアソコをパンストとパンティーごしに魅せてあげた。

 彼の居場所がわかり彼を見つけた時、そして先ほどの返事を聞くにつけ湿りは増すばかりだったのだ。

 2重に身に着けてるのに湿り気で黒々とした中ほどを縦に走るスジまでクッキリ透けて見える。

 「あっ! 大きくなった!」 恥ずかしそうに微かに開いてあげただけなのにソレを目にした瞬間彼のモノが窮屈なほどテントを張ってくれたのである。

 「ココ・・・ 観たかった?」 出逢い系と言う言葉の羞恥に引き気味にしていた腰を前に突き出すとガン見し始めた彼。

 「そうしてくれてるの・・・ すっごくきれいだし せっかくだから写メ撮っていい?」 おずおずと聞いてくる彼に、 「うん、気に入ってくれたんならいいよ!」 即答したが 「撮って何に使うの」 の問いには応えず彼がポケットから急ぎ取り出したのは明らかに女性ものの携帯だった。

 「それっ どうしたの? まさかそれって奥さんの?」 思わず開いていた太股を閉じる桂子に 「うん、俺の取り上げられ代わりにこれ当分使えって・・・」 悪びれるどころか仕方なかったんだと応じる彼。

 「それで撮ったりしたら奥さんに逢ってるのバレて怒られるんじゃない?」 どうせ帰ると直ぐに点検始まるんでしょって聞くと 「かまへんよ、帰る前に消すから」

 そう言われてうなずけるはずもなかった。

 「じゃ、これで撮ったら?」 思い出しただけで身震いしそうになり、それならと桂子は自分の携帯を彼に渡した。 

 ほんの少しの間操作法を確認するからなどと言いながら桂子の携帯をいじくりまわす彼。

 「ねぇ~ 変なとこ見ないでよね」 気が気じゃなかった。

 出逢い系のメールは受信・送信歴はすべてもったいなくて消さず保管していたからだ。

 案の定見終わった彼の表情が一変し、 「せっかく出逢えたんだからこれ以上に凄いシーンを記念写真として残そうよ、俺今日これ使ってバンバン撮影するから」

 車に非常用ライト積んでたらレフ版って言って光を増したいから桂ちゃんの躰照らすため常用ライト貸してくれないかなと言われた。

 「ライト点けたりしたら他の人に気付かれちゃうよ。 覗き見されながら撮られるのはウチ好きだけど・・・ さっき魅せてくれたアレ使えなくなって大丈夫なの?」 入れてもらえなくなるんじゃないかと心配になって聞くと、 「誰も来ないとこ知ってるから」 任せとけと言われ彼なら上手くやってくれそうで興奮しまくりつつついていったという。

 彼が携帯取り上げられたのは自分のせいじゃないことぐらいわかっていた。

 どうしても彼のアレを忘れられなくて彼の家に乗り込んだ桂子に奥さんは 「ウチのヒトが何か?」 しげしげと見まわした後 「言っときますけどお互い様じゃないでしょうか?」 訪った瞬間 相手が人妻風の女とみるやもう浮気と決めてかかって怒っていた。

 こちらが要件を述べないのなら簡単に引き下がらないと言いたかったのだろう、居るかいないかと問いただす桂子に益々怒り出したのだ。

 「ウチのヒトが誘ったんじゃなくて貴女の方から誘ったんじゃないの? 出るとこ出たってかまわないんですよ。 でも、そちら様のご主人様がお困りになるんじゃなくて?」

 人様の亭主を寝取っておきながら女ってどうしてこうもぬけぬけとウチの亭主が悪いように言い募るのよと怒ったのだ。

 桂子が見込んだ通り、彼はイケメンの顔に似つかわしくないほどの性豪で淡白な奥さんじゃ物足りないらしく、婦人会などの女性が親しく相談にと来てくれると なんやかんやと言い訳しながら手を出し、元々好意があるから来てくれてる人妻を次々とその真意を悟って寝取ってしまうらしい。

 それも見つかるたびに別の場所へ別の人妻へと範囲を広げ、この頃では居住地区を大きく超え隣の市の女性まで手を出すらしかった。

 憎らしいには違いないが惚れたがゆえ彼を手放す気になれない奥さんはあの手この手で追い払うようで、携帯に女性のアドレスが入るとみるや直ぐ今回のように携帯を自分のと交換してしまうらしかった。

 そうやっておいてそれと知らず女性が連絡してくると留守電を聴き相手の居場所を特定し相手のご主人に通報し別れさせるという。 

 桂子もそうだが堕とされ切った人妻はその良さに別れたくなくてまるで狂ったようにしつこく付きまとうらしいが・・・ 
 自分から別れを切り出しておいて今日は大丈夫と言い張る彼。

 「そんなつもりじゃなかったんだけど・・・ 最初はさ」 フラれ覚悟で 「もう一度彼女にしてほしい」 って逆ナン告ったところ 「俺もホントのところ逢いたかったんだ、オマエのこと忘れられなくてさ」 と、逆に告り返され抱き寄せられキスを求められボーッとしてしまい、

 「貴方だってあの鬼嫁に睨まれ出てこれなかったんだ。 ごめん、どうしても逢いたくて家に行ったんよウチ。 事情勝手にアチラさんから話してくれてさ。 あんなキツイ鬼嫁よりウチのほうがまだマシだよ。 それにウチのヒトに殴られちゃったしさ 可哀想・・・ だから今回はお詫びのつもり、好きにしていいよ」 って躰を預けたらどんどん森の奥深く連れ込まれ、方向がわからなくなった辺りでもう薄暗かったし再び開いてくれと言われスカートたくし上げて・・・

 そしたらウチの携帯使ってバシャバシャ撮られ始め・・・

 これまで一度もヤラれたことないヤリかたで気持ちよくされ少しづつ脱がされいっぱい撮られ、それを魅せられ興奮したところで大きくなったモノを口でしゃぶらされ・・・

 撮影しては出逢い系で知り合った男の人と変なコトしてた画像と見比べ感想を、 「この時桂ちゃんのアソコってどうなってた?」 って聞くんだもん。

 「よく覚えてないけど・・・」 って応えると 「これってさ、その時の画像じゃない?」 って、ちゃんと前に覗き見で盗った人が送ってくれたの探し出してわざと聞いてくるんだもん。

 「こんな風にしたい? 鬼嫁に叱られてもヤリたいの? ねぇ~ どうなの?」 目の前にアレ魅せつけながら聞くからこう言うしかない。

 自然な風を装ってそ~っと触れてみたくなった時だった。 

 鬼嫁って言葉出したら急におっかなくなり着てた残りのもの全部剥ぎ取られ突っ立って恐ろしさのあまり引きそうになってるのに凄く大きくなったアレをところかまわず押し付けてきた。

 それから暫らく彼の興奮が収まるまで逃げては捕まり犯されをウチの体力が尽きるまで繰り返えされ、しかも彼ったらその一部始終をウチの携帯や奥さんの携帯で撮りまくってる。

 夜が明け車の置いてあった場所まで道に迷いながら歩き、彼を送り届けて家に向かったと久美に告った。

 ぐでんぐでんになるまで酔いたかったのも彼が愛情ではなく溜まったモノを吐き出しご婦人たちへの恨みつらみを晴らしたいがため襲い犯したんだとわかって荒れてたのだ。
 
 そんなことがあっても桂子は彼を諦めきれず、その後も隙さえあれば彼を誘い逢瀬を重ねたようだ。

 そんな折送り届け、或いは彼とドライブを楽しんでる途中 急に彼が助手席の背もたれを倒し隠れるようにすることがあったという。 

 交際していた女性の家に近づいたとか その女性が目の前にいた時などだ。

 自分などと比較にならぬほど美麗で闊達そうないかにも賢夫人たちで、もし鬼嫁と一緒でないとわかるとご主人に不貞が発覚した今でも半ば強引に肉体関係を求めてくるのだという。

 やるせない気持ちを桂子はビールを飲むことで忘れようとしていたのだ。

 腹を空かせ、コンビニで期限切れ寸前の弁当をなけなしの小遣いを使い安く買ってそれを食べ飢えをしのぐふたり。

 武井家の子供ならでわのアイデアだった。

 お金はもちろん、この両親から出ていない。

 家の中の様子を見るにつけ、どこから得たのか真理のアイディアで間に合わせに、これまたどこからか借りてきたと思われた。

 「旦那 これ知っててどこかに出かけてるの?」 一度帰って出かけたのか問うと。

 「とっくに。 先に帰ってきてたんでしょ、弁当の空箱が投げてあるから。 どうせいつものとこに飲みに出かけたんだ」 こともなげに言った。

 「旦那が飲みに出かけた理由って、本当は佳子ちゃんにあるんじゃない?」 いくら糖尿とはいえ妻と間男の間で交わされた睦言に妬き暴力をふるったぐらいだ、妻の桂子を抱きたくて狂ってるに違いなかったが・・・

 「別に・・・一晩留守にしてただけよ」

 出会った男と情が通じ、治まりきらなくなって無断外泊し翌朝早くこっそり忍んで帰りコンビニで買った総菜をそれらしく弁当に詰め台所に置いて寝ずにそのまま再び仕事場に直行したフリをしたとのこと。

 もはや、まともな主婦のやることじゃなかった。

 男に抱かれたくて夜もろくろく寝ないでメールを打ち続ける妻の浮気を疑わないほうがどうかしてると、久美は思った。

 旦那も子供たちも、佳子の男癖の悪さを知っていて黙っているとも。

 それなのに、佳子が大切な相談と久美を自宅に呼び出した理由が、今付き合ってる男のもとに家出して押しかけ一緒に住もうと思ってると、時に大声で、時に泣きながら訴えてきたのだ。

 この家が自分には我慢できないと。

 コンビニで買った弁当を携えて、行き場を失った子供たちが仕方なく寝場所に帰ってくる時間だと思うと、久美は返す言葉を失った。



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<筆者知佳さんのブログ>

元ヤン介護士 知佳さん。 友人久美さんが語る実話「高原ホテル」や創作小説「入谷村の淫習」など

『【知佳の美貌録】高原ホテル別版 艶本「知佳」』



女衒の家系に生まれ、それは売られていった女たちの呪いなのか、輪廻の炎は運命の高原ホテルへ彼女をいざなう……

『Japanese-wifeblog』










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