官能小説『父親の面影を追い求め』

知佳 作



桂子(image)





19 佳子の想い悩むこと

複数の男に向けお誘いメールしまくる桂子 ズバリ言ってひとつには桂子が出逢い系を使って男どもを誘い出そうとしてもなかなかヒットしてくれないことを悩んでいる。 ふたつめが深い関係になりにくいことを悩んでいる・・のではないか風に当初考えていた。

 今回ここに掲載した画像には誘い出す手段としてメアドをゲットすると速攻桂子が送り付けたであろう画像を挿入してある。 こんな写真を添付するぐらいだからただ単に犯され妄想癖と言うよりももはやそれはオトコ日照りという病気に近い。

 なぜなら業者が送り付ける漢釣りのスパムメールに文章はもちろん添付写真も酷似しているからだ。

 平田家の堅夫人と言おうか賢夫人と言おうか 佳乃が堕とされた時とか女衒橋村家の孫娘 好子が転がされた時というのは取り巻き連にしても天女が空から墜ちるがごとくなので転がす面白さがあった。

 有名女優がまさかと思うような奴らに卑猥極まりないやり方で堕とされるような 衆目だって見たくて仕方ない妄想の中にだけ存在するような姿なのだ。

 そこへいくと桂子の場合は基礎の部分からして明らかに違う。 普段服を着て歩いている分には平凡過ぎて周囲の男たちは誰一人食指を動かさないだろうし生活保護家庭で育ったことから見ても誰だって相手にしたくない部類に入る女なのだ。

シゲチャンオススメ 老健ナース シゲチャンから「イイね!」をいただきました。

 それがわかってるだけにひねくれた。

 鳴かぬなら鳴かせてみしょう杜鵑 じゃないけれど女が欲しくて啼かせたくて仕方ない奴らに妬けのヤンパチで妖しげな画像を添え送り付けた体なのだ。 それだのに誰も応じてくれなかった。

 円光をヤル女どもを見たらわかると思うがモテる秘訣は一にも二にも化粧と服装、言葉遣いだ。

 モテるヤツは正直ケバイ。

 建物の陰に立っていたとしても光る。

 男どもは束になってそんなオンナのまたぐらに棹をおっ勃て群がる。

 こうなると益々女は磨き磨かれケバくなる。

 艶の技術に磨きがかかるのだ。

 桂子は何度言って聞かせてもソコがダメだった。

 良い回答が得られなくなればなるほど野暮ったくなのである。

 亭主の目が怖いのかワンナイトのその時以外野暮ったい服の着た切り雀になるのだ。

 久美がとかく不特定多数の男たちにちやほやされるのに比べ、佳子はひとりの男とだけ付き合うことが多かった。

 久美のように複数の男にちやほやされたいと常に思っていて、何かにつけて快諾の伝授を乞うが男恋しさという彼女の中に潜む業火が燃え上がると久美という生き字引みたいな釈迦の教えなどどこへやら最悪の状況下でも待ったなしにまぐわい挙句捨てられ、それについてぐだぐだと質問が飛び、怒りが口をついて出るのだ。

 それを、友達だから何とかなだめようと久美も必死に付き合う。

 ご主人の留守中にお邪魔してシモの話しを交え話し込んだり、喫茶店に呼び出しては隣り合って座る男に視線を送りつつ 「ほら見てごらん。 あの手は・・・」 などと忠告したりと久美は懸命に佳子をかばうのだが、佳子は佳子で頑なに自分流 前置きなしの、まるで襲われたかのようなセックスを、それも一見の男に求めるのだ。

 それも危険日に限って、まるで自慢話をしたいかのように例のような画像を最初僅かにソフトを順を追ってハードなものを送り付け 当たり前だが・・興奮しまくり来てくれた男とゴム無しで貪り合うように、それが何処であろうと観られてようとかまうことなく絡むのだ。

 例えばの話しフラれた男とどのような場所でまぐわったかの質問を受け取るとガラケーに残してあった自我撮り (相手の男が要求し撮った逝かせられ露出) のエッチ画像を深く考えることなく送信したりするのだ。

 ともすればそれはネット拡散してしまうかもしれないが、男と言うものはオンナを完全に堕ちてくれたと確信できるほどに抱くまでそういったことはしない・・いや、させないのが普通だ。

 だから送付写真が増えれば増えるほど興奮し先の男 (フッた漢) に負けじとヤリに来る。

 それを待ち構えどちらが男か女かわからないほどのハメ逢いをヤルものだから男はすっからかんになって意気揚々帰っていく。

 そしてもう二度と来なくなる。 だから怒る。

 忠告すればするほど、その度合いはひどくなった。

 出逢い系で知り合って、最初のころこそ物珍しさも手伝って男は懸命に抱こうとするからただ待ち受ければよかったものが、連日のように女から呼び出されハメ合戦のごとく抱かされると逆に男のほうが (桂子は男どもが競うほど美人ではないから) 萎え引く。

 溜まったモノを欲情した女の中でヌク快感より女房や世間がよっぽど怖いからだ。

 それに逆上し妻子持ちであることを悪用しワンギリとメールを山のように桂子は送り付け強引に今度は相手の妻をも呼び出そうとする。 別れるの別れないのと路上でわめきたてるのだ。

 久美が佳子の行動の中で呆れてものが言えないと息まくのが、ひとつは、避妊具なしで行為を行って結果が悪く出そうになったからと騒ぎたて付き添わせ、とりあえず市販の検査薬を買い求め懸命に調べるなどということをお互いの旦那の留守中に都合の良い家に上がり込んで女同士とは言え広げて診せつつやるのだ。

 その次がこういった輩を巻き込んで大騒ぎしている間に競争心から男の気持ちが変わるんじゃないかと思い始め、彼らの気を惹くための下着の購入と化粧品選び云々。 そして、一番肝心なメールの文章つくり。 これらを、どちらが先ともいえない状態で、泣きわめきながら、喧々囂々行うのだ。

 呆れたことがもうひとつある。 デートコースの下見だ。 佳子はトラックドライバーを職業に選ぶだけあって、とにかく方向感覚だけは鋭い。 逆に久美は相当な方向音痴だ。 そのふたりが佳子の運転する旦那所有のクラウンと言う名の古式ゆかしい車に乗って夜中に次の日のデートコースを下見するのだ。

 どんなふうに何処で誘い掛け、どのタイミングでホテルに入る・・・ などなど演技を交え実際にまんチラをどのタイミングでやるかまで演じさせて悪いところは修正・訓練させるのだ。

 相談を受けた久美は話しの内容から、ある程度はこんな所でこんな風にしてまぐわうんだと想像を膨らませていた。

 桂子の母 佳乃のやらかした不貞を聞かされたことがあったから何処かの小屋にでもしけこみ立ちバックなどと考えていた。

 ところが現地に着いてみると小屋どころかホテルなんか見る限り近くにないのだ。

 両面切り立つ山々が連なる間を一車線の道路が曲がりくねって延々伸びているだけのド田舎だった。

 よくよく話しを聞くとそのような場所の、とあるところの退避場所で落ちあい自然公園のようなところまで彼女の車で移動し公園内を散策中すこしづつ脱がせてもらい幾度も幾度も嬲ってもらい桂子が耐え切れなくなったところで雑木林の中に潜み立ち木にしがみつきつつ着のみ着のまま尻を突き出し背後を盗らせ絡み合ったのちにホテルに移動し更に明け方近くまで絡んだんだと、深夜近くになり今更ながらに告ったのだ。

 なるほどと思った。

 彼は妻や地元民がいる地場で人妻相手にW不倫を働けば目立つ立場の人だったのだ。

 路肩に見慣れぬ車が止まっていて車内で人妻の真っ白な肌を魅せながら男と蠢いたならなお目立つし、彼だって気になって下半身を女を堕とす間中フル勃起させ露出させたままハメ合うなどできない相談だ。

 確かにそれなら・・・ 公園の木々が生い茂る闇の中で下半身を露出させられ木に掴まり立ちし身悶えし喘ぎながらバックを突かれたところを覗き観られたら双方が願ってやまない襲わ・・・ 風に思えてしまう。

 ぎこちない表現にでてくる画像より更に激しい姦通をなんと桂子の発案で本気になってやらかしたのだ。

 笑い話しに思える向きもあろうが、先に述べたように佳子は殊に男との付き合いが下手で必ずと言っていいほど女の方から男を誘い出し危険を承知で家で待つ旦那に向かってこれを見よがしにまぐわおうとする。

 最終的な行先のホテルはもちろんのこと、ホテル代も佳子が案を出し合意してくれさえすれば胤と引き換えに全額支払うことを事前約束し連れ込むんだと言った。

 延々片道2時間以上費やしマフラーから百円玉が転がり落ちる旧式のクラウンで駆けるのだから燃料代もバカにならない。 しかもラブホ代にプレゼント代とくれば稼ぎに到底追いつかない。 給料日近くともなればこっそりサラ金を利用しそれでも懲りず男の元へ通った。

 借金が嵩むたびに久美が出向き、これもまた生活費の使い道の伝授をいちいちお金と使い道を書いた紙きれを付し個別に仕分けして封筒に入れ手渡し、借金 (サラ金の頭金) 返済のめどをつけた。

 佳子が探し出す男の質は最低 つまりただの種付け馬で、久美もこれじゃダメだと何度か手助けをして間男を探してやったことがある。

 けれども性癖が性癖だけに、男は初回ヌクまでは熱心極まりなく付き合うものの結合に至るとそのあまりに極端過ぎるやり方に怖気をふるい弱気になってすぐに逃げ出した。

 その2時間かけて通い詰める男との間で腹が膨らみそれと知って振られ妊娠の恐怖と戦う頃になると決まって佳子は鯨飲馬食をした。

 元々食事が唐揚げのような肉系でビールが大好きな彼女はたちまち10キロ近く太った。

 嫌われたくなくて、次には何も食べないで水分ばかり摂取して強引なダイエットを運動を兼ね行いそして吐いた。

 激太りと激やせを繰り返し気が変になって結局食事から何から旦那さんの閨以外すべて久美のお世話になる。 

 ちゃんと食事管理をしてきれいに化粧し着飾ればそれなりにかわいらしく見えるのにと、久美はいつもひとり愚痴った。

 「それにね、佳子ちゃん。 男が呼び出しても来なかったら会社なり自宅なりに以前のように堂々と呼びに行ったらいいじゃない」

 久美の提案に、「だってぇ~・・・ どこに住んでて、どうやって暮らしてるか知らないもん」 泣きが入る。 「呆れた!あんた仕事中自分の乗っていった営業車は相手にしっかりナンバープレートまで見られてて、それで相手は思い通りにいかないと佳子ちゃんの自宅の周りをうろつかれたって、倫之さん (旦那) に見つかって殴られかけたって言ってたじゃない」

 ストーカーされてるのに、なに遠慮してるの? 久美は声を荒げ主張するが、骨身になって面倒見てくれる友人の叱咤罵倒に桂子は相手を傷つけはすまいか嫌われはすまいかと気を使って最後はどうしても男の言いなりに躰を開いてしまうんだと足元を見ながらポツリと呟いたのだ。

 貢ぐ代わりに襲ってもらう。

 久美には到底理解できない。 でも、友達であり人妻である佳子の男への偽らざる想いを そこに見たような気がした。



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<筆者知佳さんのブログ>

元ヤン介護士 知佳さん。 友人久美さんが語る実話「高原ホテル」や創作小説「入谷村の淫習」など

『【知佳の美貌録】高原ホテル別版 艶本「知佳」』



女衒の家系に生まれ、それは売られていった女たちの呪いなのか、輪廻の炎は運命の高原ホテルへ彼女をいざなう……

『Japanese-wifeblog』










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