第4話

それに其処からしなやかに伸びる、二本の太股。この年頃の少女にありがちな、無
駄な肉をブヨブヨとつけたモノでもなければ、膝と膝をくっつけても向こうが透けて
見える様な貧弱なモノでもなかった。
詩織のソレはまさにこの歳にして、すでに完成品であった。
ムッチリとした量感を湛えながらも、膝は素晴らしく引き締まり、ふくらはぎでは
またもや美しいカーブを描きつつ、折れそうなほど細い足首へとすべての曲線が収斂
して行く。
足首の締まりが良いオンナはアソコの締まりも良い、と言う俗説の真偽を斗也は知ら
ない。足首の締まっていないオンナなど抱いた事も無いからだ。
すべてが夢見る様な美しさだった。さすがの斗也も時間を忘れて詩織の肢体を鑑賞
していた。
夕子も女とは言えども、この美しさには思うモノが有った様だ。無言でじっと見て
いる。
「・・・・・・・・・さあ、縛るぞ」
カラカラに乾いた喉から声を絞り出す。
「・・・・・・・うん・・・・」

詩織は今や、無力な身体を大の字にされてベッドに張り付けられていた。
手首を縛るロープはベッドの下をくぐり、もう一方の手首に結び付けられている。
首には屈辱的な首輪を嵌められ、その首輪から伸びる鎖もベッドの下をまわってい
る。
象牙の様な太股は、膝と膝とが一本のロープでこれまた磔台の下をくぐっている。
「ねえ、足首で縛った方がいいんじゃないの?」
「そこが素人の浅墓さ。まあ見てな」
「?」
「面白いモノが見れるぜ。もっとも最終的には足首で縛るケドな」
「・・・・ふうん、それじゃお手並み拝見、といこうかしら」
「・・・・・・う、うううんん・・・・・・・」
ベッドの上の詩織がカタチの整った眉根を寄せて、柔らかそうな唇からは苦悶の溜
め息が漏れる。
「おっ、そろそろ囚われのお姫様が目を覚ますぜ」
「ふふふふっ、楽しみだわ」

(・・・・・・・頭・・・・・・)
(・・・・頭が・・・・・痛い・・・・・)
(・・・・・此処は・・・・・・)
(・・・・・・何処?)
(・・・・・確か・・・・・夕子ちゃんの・・・・・)
(夕子ちゃんの家で・・・・・・)
其処まで思い出すと深海から浮上してくるダイバーの様に急に周りが明るくなった様
な気がしてきた。
「・・・・・う、うううんん・・・・」
ぼやけていた視界がハッキリしてくる。目の前にあるのは天井だ。それでようやく
自分が横たわっている事に気が付く。
身体を動かして辺りを見ようとするが、うまく力が入らない様だ。
目だけで情報を得ようとする。
足元に人がいるのが判った。
「・・・・・夕子・・・・・ちゃん?」
「あら、ようやくお目覚め?」
「私・・・・・どうして?・・・・」
それには夕子は答えずに続ける。
「すっかり待ちくたびれちゃったわ。彼もお待ちかねよ」
(・・・・・・・彼?)
気が付くと夕子の後ろにもう一つの人影があった。
その人影は詩織も良く知っている人物のモノだった。
「・・・・・・長谷川・・・・・君?」
どうして此処にクラスメートの斗也が居るのか、まだ少し寝惚けている詩織には理
解できなかった。
とりあえず起きようとする詩織。
そこで初めて自分が下着だけを身に纏った姿にされている事に気が付いた。
「きゃああああああああああああああああああああっ!」
身を捩って二人の前からあられもない姿を隠そうとする詩織。だが身体はほとんど
動かない。
その時に至って詩織は初めて自分が何かで縛りつけられている事に気付いた。
「いいやあああああああああぁっっっ!!」
「うるさいオンナね」
夕子が近付き、詩織の滑らかな頬に一発、二発とビンタをくれてやる。
頬を赤く染めて大人しくなる詩織。
「・・・・・・・夕子ちゃん?これは、これはどういう事?」
「・・・・・・・」
「ど、どうしてこんな格好で?」
「・・・・・・・・・」
「どうして?どうして長谷川君が此処にいるの?」
「・・・・・・・」
「ねえ、お願いっ!答えてっ!夕子ちゃん!長谷川君っ!」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「お願い・・・・・・・・教えて・・・・・・・」
「彼がそう望んだからよ」
「彼?」
「トウヤくんが・・・・・望んだからよ」
「長谷川君が・・・・・・望んだ?何を?」
「・・・・・・アンタを・・・・・牝奴隷にしたいんだって」
「メスドレイ?」
一体なんの事だろうか?詩織にはわかりかねた。
「こういう事よ」
夕子は背後を振り返り、そのまま斗也と唇を重ねる。
「・・・んん・・・・・・・・ふむっ・・・・・・・あふっ・・・・」
詩織の位置からでも斗也と夕子が舌と舌を絡めているのがハッキリとわかる。
「ゆう・・・・・こ・・・・ちゃ・・・・・」
詩織にはかつての親友の変貌ぶりが信じられない。
お互いの口を吸い合いながらも、斗也は夕子の膝の裏に手をまわして彼女の身体を
抱え上げる。スカートの中の下着が丸見えだ。
にょきっ。
夕子のお尻の下の方から何かがそそり立つのが見えた。
斗也の肉棒だ。
「ひィッ!?」
初めて目の当たりにする成人男性の屹立するシンボルから思わず目を背ける詩織。
「・・・・・見なさい・・・・・・詩織・・・・・見なさい・・・・」


前頁/次頁






























表紙

投稿官能小説(3)

トップページ

inserted by FC2 system