第3話 覗き見
 
 数ヶ月が過ぎ、紀子は仕事にも慣れており、深夜勤務にも慣れてきた。
紀子と百合は、外科のナースステーションで待機しているが「ねえ、ちょっと散歩に行ってみない。面白いのが見れるから」百合が誘った。
「でも、職場を離れることはできないわ。規則違反よ」
「大丈夫よ。これを持っていれば…」百合は携帯用のポケットベルをかざした。

 それは、患者が看護婦を呼びたい時にスイッチを押せば、自動的にナースステーションから、転送されるようになっている。
「ちょっと、だけよ」紀子は百合の後を追うように、暗い廊下に出て、内科病棟に向かって歩く。
「ここからは、音を立てないで…」忍び足で2人は廊下を歩いていく。

 すると、ステーションから「あん、あん!」喘ぎ声が聞こえてくる。
「あん。もっとそこ!」女性の甘える声が聞こえた。
さらに、近づいていくと「ピッシ、ピッシ!」と肉のぶつかる音がしている。
紀子は、ナースステーションを覗いて驚いた。
全裸の看護婦が、ベッドの上で四つん這いになり、後ろから肉竿を挿入されていた。
「あん、あん!」喘ぎ声をあげる看護婦の淫裂からは淫汁が流れている。
 
 「気持ちいいか?」
「とっても、感じる。奥まで突いて…」男は下半身丸だしでピストンの動きを早めていく。
「でる、でる!」
「いいわ、中にしてもいいわ!」男は呻き声をあげて動きを停める。
「でた!」
「わかるわ。子宮が暖かい…」看護婦も膣の中に液体が噴射されたのがわかった。

 暫くして「ねえ、大丈夫かい?」
「安心日なの。でも、できたら結婚してよ」
「そうはいかないよ。遊びの約束だろう?」
「でも、あの約束は、本当に守ってくれるの?」
「大丈夫だよ。病院を持ったら、愛人にしてあげる約束だろう?」

 「約束は守ってね。裏切ったら、6年前のことをばらしちゃうからね」
「しっ。他人に聞かれたら、俺だけでなく、数人が刑務所行きだ!」
(6年前って、何があったのかしら?)紀子はじっと考えていたが、百合が肩を叩いて合図を送っている。
2人は、爪先で廊下を歩きナースステーションに戻った。
 
 「百合さん、あの人誰なの?」
「ふふふ。、気になるのね、人のエッチを見て興奮したんでしょう?」
「ち、違うわ!」顔を赤らめる紀子をからかうように「冗談よ。看護婦が飯山みどりさんで、男は内科の黒川哲治さんよ」
「毎晩してるの?」
「黒川さんが当番医の時は必ずよ」

 「それから、飯山さんが言ってた、6年前って何かしら?」
「しっ。大きな声じゃあ言えないことなのよ。この病院で6年前に、看護婦のミスで、女性が死亡事故があったの。それで、その看護婦が屋上から身投げをしたのよ。でも、看護婦さんは、その時に集団レイプを受けていたから、異常に気づかなかったという噂よ」
「じゃ、看護婦さんの責任じゃあないわよね?」
「分からないわ。噂だから…」紀子はそこで話を変えた。
 
 「百合さんに恋人いるの?」
「いないわよ。だから、今夜もいいでしょう?」百合は甘えるように紀子の乳房を揉んでいく。
「私、レズかしら?」
「その気があるのは、間違いないわね」紀子も百合の乳房を揉みながら言う。
2人は、唇を重ねて抱き合い、仮眠用のベッドに倒れ込んだ。
白衣のボタンを外し、露になった乳房を揉み続けた。

 そして、次の夜勤では紀子が「ねえ、見に行こうよ」自分から百合を誘っている。
「紀子、エッチが見たいのね。いいわよ」こうして、この夜も2人は覗き見をした。
「あん、あん!」乳房を揉まれながら肉竿が挿入されて、ピストンが激しくなっていく。
「い、いいわ。だして!」みどりは黒川にねだってる。
「そんなに、俺とのオ○ンコがいいのか?」
「哲治さんのチンポがいいの。お願い、愛人でもいいから捨てないで…」喘ぎながらみどりは叫び、紀子と百合は、それを見ながらオナニーを始めた。
この夜、幾度も哲治は射精し、それを見終えた2人は仮眠用のベッドで抱き合った。
 
 抱き合ってから、暫くして電話が鳴った。
「緊急よ、急いで!」百合は衣服の乱れを直してから、医局に連絡している。
紀子には、始めての緊急患者である。
遠から、サイレンの音が聞こえ、次第に近づいてくる。
「紀子、行くわよ!」百合と紀子は緊急用の出入り口に走った。

 すると、赤色灯を点滅させた救急車が横付けされ、素早く救急隊員はストレッチャーを降ろして「交通事故です。脳を打ってます。出血はありません!」と告げた。
「分かりました。CT室に運んで下さい!」隊員は慣れたもので、若い女性の患者を乗せたストレッチャーを押していく。

 CT室では技師が待っていた。
「脳です。頭を打ってます!」
「わかった!」技師は患者を寝台にのせて、患者を動かないようにベルトで固定し、頭部をセットする。
回転音と共に技師室では「ピコ、ピコ、ピコ」とX線が爆射され電子音がする。
廊下で待機している紀子と百合は心配顔をしている。

 「大丈夫です。少量の出血で止まってます。とりあえず、先生に診断してもらないと」と言いながら技師はドアを開けた。
「後はお任せ下さい!」紀子と百合は寝台から患者を丁寧に降ろして、ストレッチャーに乗せ変え、病室へと意識のない女性患者を運んでいく。
救急隊員も、後かたづけをしてから救急車と一緒に去った。



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