11.修羅

 もうどれくらい時間が経ったんでしょう。世にも恥ずかしい姿で夜の校舎の屋上に目隠し拘束された私は、無限にも思われる恐ろしい長時間、全身に津波のように押し寄せる欲情の嵐と苦闘していました。乳房はパンパンに膨らんで小山のように腫れ上がり、ズキンズキンと刺激を求めて疼き上がる開かされた女性器からは、壊れた水道の蛇口のようにとめどなく体液が溢れ出していました。

 癒やされない欲情を我慢する辛さで気が触れそうな私にとって唯一の慰めは、尻穴に打ち込まれて手錠で固定された指から込み上げる淫密な快感でした。今や排泄器官と同化してしまったような指を少し動かすだけで、恐ろしいまでの強烈な愉悦が次々に迸るのですが、もうそれだけではどうしても極める事が出来なくなっていました。火を飲まされたように体の芯から熱く燃え上がる乳房や女性器が刺激されなければ、この狂おしい欲情地獄からは解放されないんです。もしアナルの指がなかったら、本当に発狂していたかも知れません。目も見えず状況が全くわからない状態の中で時間の感覚は既になく、悪夢の中で何度も正気を失いそうになりながら尻穴の生々しい快感で現実に引き戻される事の繰り返しでした。

 誰が訪れてもおかしくない開放された学校の屋上で痴態を晒している羞恥の感覚はとうに失われていましたが、町田先生の命令に縛られる私の体は恥ずかし過ぎる大開脚の体勢を一時も崩す事が出来ません。時間の経過もまるでわかりませんが、辺りが明るくなり下の方から部活生徒達の声が聞こえて来たような気がしました。

ーーヒイイ~ッッ!!

 口が利ければ辺り一面に響き渡る大声が出てしまっていたでしょう。突然乳首に触れられた私は、ガクンと大きく背筋を反らせる反応を示しました。そしてもう片方の乳首も同様に触れられると、全身がおこりに掛かったように激しく慄え、ジュクッ、ジュクッと股間から間欠泉のように淫液を吹き出すのがわかります。軽く乳首に触れられただけではしたな過ぎる反応ですが、欲情に燃え盛る私の体はもうどうにもなりませんでした。

「どうやらまだ、まともみてえだな」

 目隠しが外されぼやけた焦点に町田先生の顔が浮かんだ瞬間、私は自分が狂ってしまったんだと思い愕然としました。殺したい程憎かった男の筈なのに、愛しくてたまらないんです。狂い立つ体はもちろんの事、心の底から町田先生に抱いて欲しい、と願ってしまいました。だから口枷が外されるとすぐに、私は思い切り胸の内を晒け出しました。

「ああっ! 何とかしてえ!」
「抱いて欲しいんだな?」
「そうよっ! 抱いてっ! ああ、早くうっっ!!」
「じゃあ、思い切り下品におねだりして見せろ」
「ま、町田先生のオチンチンで、千寿のおまんこをズコスコして! ズコズコして、お願いいっっ!!」

 先生がズボンから掴み出した逞しい勃起ペニスを見せ付けられた私は必死で口走ります。無理矢理言わされたわけじゃありません。それは放置されている間ずっと私の頭を占めて離れてくれなかった本心の吐露だったんですから。

 ところがその時掛けられた声に、私は頭をハンマーで殴られたような強烈なショックを受けました。正面に立った町田先生の向こうに別の人達がいたんです。

「千寿ちゃんっ!」
「ね、言った通りでしょ」

 とうとう精神が錯乱して幻覚を見てるんだと思いました。どうして正ちゃんがいるんでしょう。おまけに視線をやると、彼は全裸で仰向けに横たわり、その横に制服姿の菜穂さんが座って話してたんです。そして菜穂さんは何と、どうやら動けないらしい彼の股間に手を伸ばしました。私は自分の置かれた立場も忘れて悲鳴を上げます。

「正ちゃんっ!」
「や、止めて下さい! 菜穂さん」
「オチンチンこんなにおっきしてるくせに、駄目だよう。千寿せんせえだって町田せんせえとエッチするんだから、正二は菜穂ちゃんとエッチしよ。ほう~ら、ビックンビックンしてるよ、気持ちいいでしょ、菜穂ちゃんのオテテ」
「千寿ちゃん、ごめんなさい……も、もう駄目なんだ、俺。うわあ!」

 菜穂さんは彼の上に跨がって体を反転させ、ペニスを弄りながらパンツを脱ぎ捨てると、正ちゃんの顔にミニスカの中のアソコを乗せて言ったんです。

「菜穂ちゃんのオマンコたっぷり舐めるんだよ、正二。千寿せんせえ」

 菜穂さんにそう呼び掛けられた時、私は首輪と手錠を外される所でした。

「千寿せんせえがいけないんだよ。町田せんせえ取っちゃうんだもん。だから私は正二を貰っちゃうんだ。ふふふ、もうビンビンだよお」
「やめてえっ!」

 悪夢のようでしたがこれが現実だったんです。菜穂さんが解毒して貰い、その結果彼女の言いなりになってしまった男性が正ちゃんだったと言う衝撃的な事実でした。彼は菜穂さんに命令されてるんでしょう、全裸で動く事も出来ず彼女のなすがまま。菜穂さんにペニスをしゃぶられながら、アソコを舐めさせられていました。

 あまりに辛い現実を突き付けられて頭がパニックに陥った私は、無言で差し出された町田先生のペニスに、本能のまま肉食動物みたいにむしゃぶり付きました。もうおしまいだ、と理解した私は泣きながら悪魔の肉棒にせっせと口を使ってしまうのが止められません。このまま最愛の彼氏の前で私は憎い男に体を開き、抱かれてしまうんです。それも自らの意志で。あえて拘束を外し命令も下さず、私の自由意志のような形で性行為に持ち込んだ町田先生は、やっぱり悪魔のような男でした。

「逃げたっていいんだぞ、千寿。彼氏に助けて貰えよ。いや、そいつは無理か……」

 見せ付けるように正ちゃんの顔の上でグイグイ腰を動かしてよがっていた菜穂さんは、彼のペニスから吐き出させた精液をダラリと手の中にたらし込み、酷薄な笑顔で私に向かい誇示していました。私の心はどんどん折れていき、町田先生が射精したザーメンを飲み下し後始末している頃には、これが私達の運命だったんだと諦めの心境に陥っていました。だってもう私は、身も心も町田先生に抱かれる事を渇望して我慢出来なくなってるんですから。

 その後、菜穂さん達と見せ付け合うかのように行われたセックスは、これまでの過激な行為に比べれば全くノーマルなものでしたが、昨日までの彼氏の前で他の男性に抱かれるのが恐ろしく刺激的で、私は声を上げてよがり狂ってしまいました。菜穂さんも負けずに大声で快楽を叫ぶ、獣のようなセックスだったようです。

 結局精力絶倫な町田先生が三度も私の中に射精を果たし、それよりはるかに多くの回数エクスタシーを味わわされてから、私と正ちゃんはそれぞれの新しいパートナーに隷属の言葉を誓わされました。

「千寿、お前はもう俺の女だ。田岡とは別れろ。わかったか?」
「はい、わかりました」

 正ちゃんも菜穂さんに同じような言葉を言わされてましたけど、もうどうでも良くなっていました。私達の心は完璧に折られてしまい最早修復は不可能。これからは絶対に逆らえない相手に隷属して生きていくよりないんです。そうして正ちゃんとの別れを強制的に決意させられると、生まれ変わった私ははしたない欲望を素直に口にしていました。

「あ、あのう……町田先生、もっと欲しいんです。もっと……」
「何い!? てめえのマンコはどんだけ欲張りなんだ」
「いえ、そうではなく……」

 幼い頃から美人で良い子だと皆に言われて、知らず知らずに作り上げて来たのは偽りの私だった事がハッキリわかったんです。本当の私は、恋人の前で他の男性に抱かれて大喜びしてしまうイケない女の子。とてもエッチで恥知らずな変態が、私山下千寿の本当の姿。そう吹っ切ってしまった私はもう我慢出来なくなって尻穴に指を入れながらおねだりしてしまいました。

「オシリをもっとイジめて欲しいんです。お浣腸して、アナルセックスもお願いします」
「ヤーダー、千寿せんせえったら、マジでどヘンターイ」
「千寿ちゃん……」
「正二、こんなヘンタイ放っといてさ、どっか遊びに行こうよ」

 げっそりやつれて憔悴した様子の正ちゃんを引き連れて菜穂さんが出て行くと、町田先生に唇を求められました。

「もう二度とお前を放しやしねえからな」
「ああ……町田先生……」

 こうして私は生まれ変わり町田先生の女となって、教育実習の残り1週間を迎える事になったのでした。




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