静 個撮

Shyrock作



第16話「快楽と困惑のはざまで」

 一見ほかのキューと変わらないのだが、一部分がまったく異なっている。
 先端がまるで男根のような形状になっているのだ。

「これは一見ビリヤードのキューのように見えますがキューではありません。ある専門職人に依頼して特別に作らせた特殊なバイブレーターなんです。手元にスイッチが付いていて操作も簡単です。スイッチを入れますと……」

 三好がスイッチを入れるとバイブレーター付きキューが唸りをあげ、先端がくねくねとバイブレーター特有の卑猥な動きを示した。
 バイブレーター部分はかなりの大きさでエラも立派に張っており、さらに幹の途中から斜めに伸びている枝部分はクリトリス攻撃用バイブの役割を果たすものであることが容易に想像できた。

「スイッチはオンとオフ以外に強弱が3段階になっています。最初は弱く段々強くしていくと効果が増すようです」

 三好が説明をしている最中であるにもかかわらず、安野がずかずかと割り込んできた。

「説明はもういいから、早くそのキューを貸してくれ」
「分かりました。では早速安野恭平さんにこのキューをお渡ししましょう。静ちゃんをたっぷりといじめてやってください」

 三好はバイブレーター付きキューを安野に手渡した。
 彼らの会話からよからぬ気配を察した静はおびえている。

「な、何をするつもり!? 変なことはやめて!」
「危害は加えない。心配するな」

 三好たちは静をもう一度縛りなおした。
 仰向けに寝かせると、手足を大の字に開かせ四肢を緊縛した。
 秘所は隠すすべを失い、恥ずかしいピンク色の粘膜まで丸見えになってしまっている。

 安野はまるでビリヤードのキューを握るような格好で構えた。
 口元に淫靡な笑みを湛えて。

◇◇◇

 ゴトン……

「おい、音をさせるな。もっと静かに歩くんだ」
「そんなこと言ったって……。私は警察官でもないし探偵でもないんだから」
「まさかこんなオフィス街のど真ん中に静ちゃんを連れ込んでいたとは驚いたよ」
「盲点を突いたつもりかしら」
「うん、そうだね。取り壊し予定のビルなので誰も入って来ない。そこが彼らの狙いだろうなあ」
「でも静は何階にいるんだろう……?」
「地上八階、地下一階のビルだから探すのが大変だけど、しらみつぶしにするしかないか」
「上から順番に探す?」
「ふうむ……アキコ、このビルって外壁は全部ガラス張りじゃなかったか?」
「うん、確かそうだったと思うけど、それが何か」
「よし! 地下に行くぞ!」
「なんで?」
「犯罪者の心理は明るいところよりも暗いところを自然に選ぶ」
「そうなの?」
「とにかく俺任せておけ。それよりアキコ」
「うん?」
「おまえはここで警察が来るのを待ってろ」
「やだよ~。私もケンジといっしょに静を探しに行くよ~」
「ダメだ。危険過ぎる」

 ケンジはアキコに言った。
 真剣な表情のケンジを見てアキコはこっくりとうなずいた。

「分かった。私、ここで警察が来るのを待ってるよ」
「うんうん、いい子だ、いい子だ」
「子供扱いしないで」
「わるいわるい。警察はもう直ぐに来るはずだ。来たらオレは地下に行ったと伝えてくれ」
「分かったわ、ケンジ。気をつけてね」
「うん、じゃあな」

 ケンジはアキコにウィンクを投げかけて、静の捜索に向かった。

 ケンジの場合、一般的にシャイで愛情表現が少ない日本男子とは違い、表現豊かな欧米男子のような一面を持っている。
 何かにつけてアクションが派手で、意思表示がはっきりしており、女性の扱いに慣れている。
 言い換えれば生真面目な印象の日本の警察官とは程遠く、アキコとしてはそういったケンジの捌けた一面がとても好きであった。

 ケンジは足音を忍ばせて地下へとつづく階段を下りていく。
 腰のポーチには愛用の拳銃ポリスリボルバーが隠されている。
 状況次第で使うことになるかも知れない。
 映画等では敵のアジトに潜入する際、銃を手に持ち忍び込む場面をよく見かけるが、現実にはできるだけ銃を見せないのが鉄則だ。
 敵に銃を見せることによって、敵に必要以上の警戒心を与えることになり、戦闘意欲を高めることになってしまう。
 できるだけ余分な戦闘は避ける方が望ましい。
 ケンジの眼鏡の奥には鷹のように鋭い眼孔が光っていた。

◇◇◇

 ビィ~~~~~~ン!

「いやぁ~~~~~~~! やめてぇ~~~~~~!」

 安野が操るキュー型バイブレーターは狭い亀裂を捉えていた。
 バイブレーターは大型だが、秘所の内外にたっぷりとローションを塗り込めているため挿入はいたって簡単だ。
 淡い草原に覆われた恥丘がまるで魚のえら呼吸のようにうごめいている。
 次第に媚薬の効果が現れてきたようだ。
 膣内部はバイブレーターにえぐられ、激しいうねりに静は快楽と困惑の狭間をさまよっていた。




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