第6話
乳房の谷間まで水着を降ろしたもえもえは思い切りがつかないのか、その手を水着のストラップに当てたまま立ち尽くしていた。
「さぁ……時間が無いから早く……」
車山たちはプールの縁にしゃがみこんで顎で指図した。
逃れることのできない状況に自分を追い込んでしまったもえもえは、羞恥心に震えながら自ら水着を下げていった。
胸まで水に浸かってはいるが次第に白い肌が露出していくのが分かる。
(…………)
揺れ動く透き通った水中で次第に白い乳房の全貌が明かされていった。
露わになっていくもえもえのピンク色の乳輪に男たちは息を潜めて見つめていた。
「おぉっ……」
可憐なもえもえの乳首が姿を表した瞬間、男たちから歓喜に満ちたどよめきの声があがった。
「もう……これで……」
もえもえはふくよかな胸を腕で隠すように廻しながら呟いた。
だが量感のある乳房を彼女の細い腕で隠すことなど所詮は不可能であった。
しかも皮肉にも、もえもえの恥らう動作が男たちの情欲を一層そそる結果となってしまった。
「…………」
男たちはもえもえに向かって首を横に振った。
最後まで脱ぐようにとの無言の催促である。
もえもえはこれで許されるとは思っていなかったが、「やはりだめか」と落胆して首まで身体を水中に沈めた。
(…………)
もえもえは乳房の下まで降ろした水着に手をやると、ゆっくりと下に降ろしていった。
腰骨の辺りまで水着を降ろし終えたもえもえはそっと目を閉じ足先から包まった水着を抜き去った。
(…………)
スクールのプールではある程度水温調節はしているものの、当然ながら風呂のように温かい訳ではない。
素肌に直接触れる水は意外と冷たいものだ。
目前の男たちの視線が下半身に集まっているのをもえもえは感じ股間を手で押さえた。
「さあ、レッスン開始だ」
車山は嬉しそうに叫んだ。
「先生……平泳ぎ教えてくださいよ……」
宮本が口元にいやらしい笑みを浮かべながら意地悪な催促をした。
「え?この格好で……ですか……?」
「もちろんですよ。さあ、時間がないんだ、早く」
もえもえは顔を真っ赤に染めている。
他の泳法ならまだしも平泳ぎは必ず開脚しなければならない。
水着を着けていない姿で開脚。
もえもえはその光景を思い描いて茫然としていた。
だが無言の圧力はもえもえが躊躇うことを決して許さなかった。
もえもえはゆっくりと腰を浮かせ水面に両手を伸ばした。
「あ、お手本の前に……あのぅ……少し説明をします……」
「…………」
もえもえは一旦は手本を示そうとしたが、平泳ぎだと脚を引きつけた瞬間どうしても開脚になってしまい股間が丸見えになってしまう光景が脳裏を過ったため、手本を躊躇い口頭による説明で時間を繋ごうとした。
「平泳ぎ足の裏で水を蹴って進む独特な泳法です。水面で身体に受ける抵抗が大きいので、足で蹴った身体を十分に伸ばして進むことを覚えてください」
「…………」
「蹴る要領ですが、膝を閉じ踵から蹴り出すとうねりが生じやすくなり、のびのある泳ぎになってきます。蹴り終わった足は、踵をつけて足先を水面近辺に置いて伸びていると後の動作にスムーズにつながります。伸びが弱まる直前に足をお尻の方にひき戻しますが、両膝はやや開いて持って来ましょう。水をかく時手の動きは……」
「先生」
「え?」
泳ぎ方の説明をしているもえもえに車山は口を挟んだ。
「先生、説明の最中に悪いんだけど、今日は時間があまり無いんだから先に手本を示してくれないかなあ?なあ、みんなもそう思うだろう?」
車山は他の3人に同意を求めるべく声を掛けた。
返ってくる答えは言うまでもなかった。
「俺も同感だね。先生、今日は実践だけでいいですよ」
「先に手本を見せてくださいよ」
「車山さんの意見に賛成」
生徒たちの強制に近い要求を受けざるを得なくなったもえもえは、ついに観念して手本を示すべく平泳ぎをはじめた。
両手を伸ばして水をかく。
脚をグイっと引き寄せて外に蹴り出す。
その引き寄せた瞬間を男たちは息を潜めて覗き込むように見入っていた。
よく鍛えられプリプリとした双臀の中央には、縦に走る一条の川が美しい佇まいを見せている。
脚を引き寄せる度に覗く桃色の川床が、まだ成熟し切っていない女のエロティシズムを醸し出していた。
男たちが昂ぶるのに多くの時間を要しなかった。
水中のためはっきりとは見えなかったが、スイミングパンツの前面が盛り上がって窮屈そうになっている生徒もいた。
手本を示すもえもえに車山は神妙な顔つきで質問をした。
平泳ぎが出来るはずの車山がだ。
「先生、ちょっと教えてくれないかなぁ?」
「はい……どのような……」
「う~ん、ちょっと口では説明しにくいなあ……。あの、先生、もう一度脚を折り曲げてくれない?」
「え……?脚を折り曲げるのですか?」
「うん、すまないんだけど」
「分かりました……」
もえもえは再び水に浮き脚を屈曲させようとした。
その瞬間、車山はスルリともえもえの後方に回り込み、もえもえの両脚の間に割り込んだ。
車山の胴体がじゃまになって脚が動かせない。
もえもえは驚いた。
「しゃ、車山さん!な、何をするつもりですか!?」
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