第3話 前門の鬼 後門の鬼


 あまりに突然のことで逃げることもできなくて、ずっと泣き続けていました。

「今にうれし泣きするようになるから」 

 そんな心ない言葉をささやきました。
 何とデリカシーがない人でしょうか。いいえ、デリカシーがあったならこんな酷いことはしないはずです。

 岸部さんが私の足を広げて股間に顔を埋めました。
 村外さんは「俺はおっぱいフェチなんだ」などとつぶやきながら乳首を吸っています。
 岸部さんの舌はクリトリスを這いまわり、まもなく膣の入り口に迫ってきました。
「なかなか濡れないね」なんて言いながら舌を膣にねじ込もうとしています。
 好きな人に愛撫されるならともかく、好きでもない人に舐められて濡れるはずないじゃないですか。
 と高をくくっていましたが、クリトリスや膣周辺を舐められているうちに、身体がビクっと反応してしまいました。
 昨年彼氏と別れて以降エッチをしていなかったせいで、心と身体が枯渇していたのか、親しくもない人のわずかな刺激だけで変化が生じてしまったようです。

「いいじゃんいいじゃん。減るもんじゃないし」

 といいながら中指を膣に挿しこんできました。

「すっげ~狭いなあ。ひさびさなのかあ?」

 私は目を閉じて顔を背けていました。
 村外さんは何も言わずにただひたすら乳首を吸っています。
 岸部さんはチューチューと音を立ててクリトリスを吸いながら指を出したり入れたりの繰返し。
 10分近くそんなことをされていたでしょうか。
 突然岸部さんは大きな声で、

「すっげ~濡れてきたぜ。嫌がってたのにね!」

 私、不覚にもその時感じてしまってたんです。
 身体の芯がぼんやり光るように甘美に疼きだしてしまっていました。
 こんなに執拗に乳首やクリトリスを吸われ、舐められたのは初めての体験でした。
 もちろん二人がかりというのも初めてで戸惑うばかりでした。
 岸部さんは喜び勇んでさらに指で膣の中をかき混ぜクリトリスを吸います。
 私は気の遠くなるような恍惚感に支配されました。

「中小路さん、いや惠さん。腰がピクピクし始めたよ。おい村外、先に入れてもいいか?」
「俺が呼び出したんだから俺が先だろ」
「チェッ、なんだよ~」 

 二人のこんなやりとりのあと、今度は村外さんがクリトリスをいじってきました。
 岸部さんは口のガムテープを剥がすと、すでに大きくなったアレを強引に押し込もうとしました。
 私は顔を背けて「嫌っ!」と言うと、呆れたような顔をして「こんなに濡らしてよく言うよ」と吐き捨てるように言いました。
 岸部さんは私の頬を押さえつけ口が閉じられないようにして、再びアレを押し込んできました。

 口に意識が集中していたため、下半身への防御が疎かになっていました。
 村外さんが「さあ、入れるぞ」と言いながら、いきなり膣にアレを押し込んできました。

 でも昨年から一度もエッチをしていなかったこともあって、なかなか村外さんのモノが入りません。

「なんか処女と犯ってるみたいだな」
「……」

 村外さんはいやらしい笑みを浮かべながら、私の足をエビのように折りたたみ屈曲位の体勢で体重をかけて押し込んできました。

「お願い、やめてっ!お願い!」

 私は必死に言葉で抵抗しました。
 でも村外さんは私の言葉を聞き入れるはずもなく、アレと私の膣との距離は縮んでいきました。
 村外さんはアレを握り、私の割れ目に擦りつけてきました。
「今から入れるぞ」という合図なのでしょうか。
 今にもアレの先から白い物が飛び出そうなほど硬くなっていました。

「はぁはぁはぁ、いくぞ、入れるぞ!」
「いやぁっ~~~!」

 私は絶叫しながらある哀願をしました。

「うううっ、お願い……お願いだから……せめて着けて……」

 私は泣き出しました。

「お願いだからゴムを着けてちょうだい……お願い……」
「ふん、そんなもの置いてないよ。直前で外に出してやるから心配するなって」
「そんなぁ……」

 哀願は聞き入れてもらえませんでした。 

 村外さんは腰を突き出しました。


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