主人公のイヴさんは実在の看護師さんです。ただし物語は架空です

第21話~第22話





イヴ




第21話


 そんなイヴからの悲痛な願い出も冷ややかに撥ね退けられた。

「それは無理と言うものだね。せっかくくじが当たったんだし。あんたには悪いがたっぷりと愉しませてもらうよ。それでは・・・」

 野々垣は男根に模した山芋をイヴの股間に近づけた。
 しかしイヴが渾身の力を振り絞り抵抗しているため、的が動きうまく入らない。
 四肢は拘束されているものの、腹部に戒めがないためイヴが抵抗する度にずれてしまう。
 野々垣は困惑の表情を浮かべた。

 見るに見かねた上野が意見を述べた。

「会長、腹の辺りもロープで固定しましょうか?」
「いや、あまり雁字搦めにするのも能がないな。おお、そうだ。せっかくだし、退屈そうにしておられる皆さんに協力してもらうじゃないか」
「と言いますと?」
「うん、全員と言うわけにはいかないが、有志数人に出てきてもらって早乙女君が動かないように左右から押さえてもらうのはいかがかな」

 阿久夢の提案が終わると同時に周囲から拍手が巻き起こった。

「ご賛同いただけたようで幸いです。では早速ですが、有志の方は前に進んでいただいて、この美人看護師さんが動かないように、どこでも構いませんので押さえていただけませんか。野々垣さんの山芋挿入がうまくいくように応援してあげて欲しいのです」

(ガヤガヤガヤ・・・)

「おお、そういうことなら喜んで手伝わせもらうよ」
「私もいいかね?」
「俺も応援するよ」

 結局6人の男性が希望し、横たわっているイヴの左右に3人づつ分かれた。
 男たちはそれぞれ思い思いの箇所を触れた。
 大部分の男性は野々垣の支援のためと腹部を押さえに回ったが、1人の男性だけは乳房を鷲掴みにする始末であった。
 男たちに取り囲まれ一斉に身体に触れられたイヴは、強い恐怖を覚え思わず大声をあげてしまった。

「きゃぁ~~~!!いやです!やめてください~~~!!」

 そこへにやにやと嫌らしい笑みを浮かべた野々垣が手を差し出した。
 その手にはしっかりと山芋が握られていた。

「いやっいやっ、許してぇ~~~~~!!」

 イヴの悲痛な叫びが部屋内に轟く。
 腰を振って逃れようとするが、今度は男の力で押さえられていて微動だにしない。

「それじゃ美人看護師さん、今から入れるからね~」

 男たちは固唾を呑んで見守っている。
 野々垣は山芋を秘境にゆっくりと押し込んだ。

「うううっ・・・!」

(ズブ、ズブリ・・・)

「いやぁ~~~~~~~~!」

 山芋は粘膜になじむのか、かなり太めだが容易に沈み込んだ。
 阿久夢がさらに野々垣を煽る。

「野々垣さん、挿し込むだけではなく、しっかりと膣壁を擦りつけてやってください。その方が成分があふれ出していっそう痒みが増すというものです。ぐふふふふ」
「ふむふむ、なるほどねえ。会長、あんたもかなりのワルですなあ」
「ぐふふふふ・・・」
「や、やめてぇ~~~~~!擦らないでぇ~~~~~!!」

(グッチュグチュグチュ、グチュグチュグチュ・・・)

「ひぇぇぇ~~~~~~~~~!!」

 野々垣はすでにトランス状態に陥っているのか、口元からはだらしなくよだれを垂らし、まなこは爛々と輝いている。

(グッチョン、グッチョン、グッチョン・・・)

「はぁ~・・・ああぁ~・・・やめてぇ・・・か、かゆい・・・」

 イヴの今にも泣き出しそうなか細い声に、野々垣ははっと自我を取り戻した。

「ん・・・?山芋の効果が出てきたのかな・・・?」

(グッチョン、グッチョン、グッチョン・・・)

「本当にもう許してぇ!か、かゆい!かゆいよぅ~~~!!」
「そんなに痒いのか?」

 それでも野々垣は手を休めようとはしない。

(グッチョン、グッチョン、グッチョン・・・)

 イヴの皮膚からは玉のような汗が噴き出している。
 男たちの力が緩んだ隙を突いて一瞬イヴは暴れだした。
 激しい痒みに襲われ耐え切れなくなったのだろう。
 男たちは懸命にイヴの身体を押さえにかかる。

 阿久夢がイヴの耳元でつぶやいた。

「早乙女君、いったいどこが痒いんだね?どこを掻いて欲しいのか言ってごらん」
「いやぁ~~~、た、助けてぇ~~~!お願い~もうやめてぇ~~~!!」
「それじゃどこが痒いのか分からないなあ。皆さんに聞こえる声で痒いところを言ってごらんなさい。そしたら許してあげてもいいがねえ」
「ほ、本当ですか!?あ、あそこが・・・」
「『あそこ』じゃどこなのか分からないよ。はっきりと場所を言いなさい。ふふふ、もしかして、お○んこが痒いのかな?それならはっきりと『お○んこが痒いので、お○んちんで擦ってください』って言いなさい」
「そ、そんなこと絶対に言えません!」



第22話


「どうしても言わないつもりか?ふうむ、仕方ない。野々垣さん、山芋でもっとしっかり擦ってやってください」
「いや、いや!もうそれで擦るのはやめて~!言う、言う、言うから許してぇ~~~~~!!」
「やっと言う気になったか。じゃあ言ってごらん」
「はずかしい・・・お、お○んこが・・・か・・痒いので・・・お○んちんで・・・擦ってください・・・」

 やっとの思いで恥辱の言葉を搾り出すように発したイヴは、恥ずかしさのあまり顔を背けてしまった。

「よしよし、よく言えた。それで良い。では皆さん、ただいまからマナ板ショーの始りです。僭越ながら最初に私がお手本をお見せしますので、野々垣さんが2番手で、その後希望される方はその後お試しください。ではお先に」

(パチパチパチパチ!)

「会長!老体に鞭を打ってがんばってくれ!」
「おお!いいぞ!」
「私も後から頂戴しますから」
「ファイト!」

 周囲の歓声の中、阿久夢は早くもズボンを降ろし、年齢には不釣合いな立派な持ち物を皆の前に晒した。
 だがまだそれほど勃起していない。
 その間、イヴは痒みに悩まされ続けていた。

「ああ、痒い・・・」
「ふふふ、もう直ぐ楽にしてあげるから、早乙女君、これをしっかりとしゃぶりなさい」
「そんなことできません」
「拒むともう一度山芋責めを続けるがいいのか?もっと痒くなるぞ」

 阿久夢は威嚇する。
 阿久夢の言葉には相手に有無を言わせぬ威圧感がある。
 すでに観念したのかイヴは悲しげな顔で阿久夢の邪悪な肉塊を咥える。

「さあ、元気にしてくれ」
「・・・」

(ジュポジュポジュポ・・・ジュポジュポジュポ・・・)

 小ぶりな唇に含まれた肉塊はたちまち巨大化した。
 それはまるでまだ壮年かと思わせるほど逞しい。

「よし、もう十分だろう」

 阿久夢はイヴの唇から怒張したものを抜き取りベッドに這い上がった。
 そしてスキンを装着する。膣内に山芋を塗りこめたため、自身にも付着する惧れがありあくまで自衛のためだ。
 イヴの両足は大きく開かれたうえ固定されているから挿入は至って簡単だ。
 例え抵抗に遭っても怒張したものから逃れることはできないだろう。
 阿久夢はイヴの腰の両側をつかみ、いちぶつを秘所にあてがった。
 ググッと押し込む。

「ああっ・・・」
「どうだ?気持ちいいか」
「あああっ・・・そんなこと・・・」
「ふふふ、どうじゃ、痒いところに手が届いた気分じゃろう?もっと擦ってと言え。ほれ、言わぬか」
「あぁ・・・も、もっとぉ・・・擦って・・・もっともっと擦ってぇ・・・」
「ふふふ、やっと素直になりよったか。よしよし・・・」
 
 次の瞬間、信じられないことが起こった。
 阿久夢が突然イヴの真上で崩れるように倒れ込んでしまったのだ。
 すぐに救急車が呼ばれた。
 救急隊員が駆けつけたとき、すでに阿久夢の息は途絶えていた。
 変死の疑いがあることからまもなく警察と検視官も駆けつけた。
 検死の結果、死亡原因は『心不全』であったが、世間では『腹上死』あるいは『性交死』と呼ばれている。

 さらに警察は状況的に事件性が高いと判断し捜査を開始した。
 イヴは進んで警察に出頭し経緯を隠すことなく語った。
 すでに死亡した阿久夢と上野の二人が主犯格であると警察は睨んだ。
 その後、上野と現場に居合わせた観客にそれぞれ事情聴取が行なわれた。
 その結果、上野は緊急逮捕され、死亡した阿久夢は容疑者死亡による書類送検の措置がなされた。
 上野は「強制わいせつ」「傷害」「脅迫」「強要」等の罪状で起訴されることとなった。
 今回最も警察内で議論紛糾したのが、彼の行為が刑法177条「強姦」に該当するかどうかであった。
 結局上野は“男性器を女性器に挿入する”性行為を一度も行なわなかったことが立証され、この罪は不問とされた。
 また、観客の男たちも予めイベントの内容を予め承知した上で出席したとして全員逮捕されることとなった。
 その中でも野々垣においては「強制わいせつ罪」が付加され、その他の観客は阿久夢らを幇助したと判断され「準強制わいせつ罪」が適用された。



「取り返しのつかないことになってしまったわ。本当にごめんなさい・・・。もう貴方に合わせる顔がないわ」

 イヴは恋人である車井原の前で大粒の涙を流した。
 車井原はハンカチでイヴの目頭を拭いてやった。

「もっと早く僕に話してくれたらよかったのに。でも今さらそんなことを言っても仕方ないし、嫌なことは早く忘れようよ。狼に少し噛まれただけだと思えばいいんだよ」
「え?こんな汚れきった私なのにあなたは許してくれるの?」
「許すも許さないもないよ。僕の気持ちは少しも変わってないよ、イヴ・・・君が大好きだ・・・」
「まあ・・・嬉しい・・・」

 車井原はイヴを抱きしめて唇を重ねた。
 息もできないほどの強い抱擁だったが、イヴにとって今はむしろ心地よいものであった。
 車井原はブラジャーの背中のホックに指を掛けた。

「え?・・・私を愛してくれるの・・・?」
「君が欲しい・・・」

 音を立てずに背中のホックが外させた。
 ブラジャーは静かに床に落ちた。
 車井原は再び唇を求めた。

「あっ・・・」
「好き・・・」

 ふたつのシルエットが揺らめいて重なってゆく。
 窓の隙間から入る赤い夕陽がふたりを優しく照らした。







20/


イヴ














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