第六話「青竹開脚縛り」

「どうや?ここ気持ちええやろ?」
「痛い!痛いです……そこは堪忍ください!」
「そんなに痛いんか?」

 処女にとって肉芽の愛撫は刺激が強すぎて、時として痛みを覚えることがある。
 自慰の経験が豊かな娘であればそれほど痛がらないが、ありさの場合、自慰の経験が乏しかったため無理もなかった。
 女に手練れた九左衛門ともなれば、処女のありさが肉芽の包皮を剥かれるだけで苦痛を感じるなど百も承知であったが、加虐変態嗜好者の九左衛門としてはそれを承知であえてありさの包皮を剥こうとしたのであった。

「ひぃっ!や…やめてください!だんさん!痛いんです!」

 ありさはまたもや脚をよじって九左衛門から逃れようとした。

「ええかげんいせんかい!なんぼ注意してもすぐに脚を閉じおって!」
「許してください……だんさん……」
「こうなったらあれを使わなしゃあないな」

 九左衛門は長さが四尺ほどある青竹と硯箱そして数本の麻縄を棚から取り出した。
 ありさは九左衛門の意図を読み取ることができず、不安げな表情でそれらを見つめた。

「そう恐がらんでもええ。青竹で殴ったりするつもりはない。もっとええことしたるからな。ぐふふふふ」

 九左衛門はありさを柱に固定したまま強引に開脚させ、無残にも両足首を青竹に縛りつけてしまった。
 さらには青竹の両端を縄で結わえ、その縄尻はありさの後方の柱に括りつけた。
『青竹開脚縛り』の完成である。

「なかなかええ眺めやないか」

 女性の最も見られたくない部分を主人である九左衛門にさらし、その端正で美しい顔が羞恥に紅く歪んだ。
 そんなありさに九左衛門はさらに追い打ちをかける。

「ぐふふふふ、これでもう脚は閉じられへんで。どうや?女の大事な場所を丸見えにされた気分は」
「……」

 ありさは生まれて初めて消え入りたいほどの羞恥心を体感するのであった。

「せやけど、このくらいで恥ずかしがってたらあかんで。今からもっとやらしいことしたるさかいに、楽しみにしときや~」

 九左衛門は道具箱から一本の小筆を取り出した。
 それは小指よりもさらに一回りほど細い筆である。

「な、何をする気ですか……?」

 怯えるように問い掛けるありさに、九左衛門は小筆で文字を描くようにしながら得意げに笑った。
 
「さらっぴんの筆は硬いから、あらかじめ水でやらこうしといたったからな~。優しい旦那はんやろ?」
「……」

 水に浸されて毛先は柔らかくなっており、仮にこれでつつかれたとしても痛みを感じることはないだろう。
 しかし目前の筆に何やらいやな予感が走った。

「そんなに怖がらんでもええで。ぐふふふふ」

 予感は的中した。
 ありさが脚を閉じられないことをよいことに、九左衛門は堂々と左手で亀裂を開きながら、右手に持った小筆でありさの肉芽をそっとなぞり始めた。

「ひぃっ!」

 筆の柔らかい毛先が肉芽を刺激し、くすぐったいような奇妙な感触が堪らない寒気を煽りありさに悲鳴を上げさせた。

「ひうっ……そこはぁ……だんさん……か、堪忍してください……」
「こそばいんか?」
「あああっ……いやっ……うううっ……」
「本当は気持ちええんやろ?」
「気持ちよく……はぁはぁ……ありません……」
「この嘘つきが」

 確かに九左衛門が言うとおり、小筆で肉芽を撫でられているうちに、身体にビリッとしたものが走ったことは事実であった。

(この感覚はいったいなんだろう……?)

 その感覚が何なのか、ありさには解らなかった。
 身体が突然ぽっと火照ったように思えた。
 だけどそれはほんの一瞬のできごとであった。
 すぐに筆の先端が活発に動き恥ずかしい箇所をいたぶった。

「ほれほれほれほれ~、まめさんくるくる~」
「ゆ、許してください……だ、だんさん……あぁっ……お願いです……」

 たかが筆、されど筆である。
 筆責めの効果でわずかだが亀裂に湿り気が生じてきたことに九左衛門は満足そうな笑みを浮かべた。
 いつのまにやら行灯に火を灯し秘所を近づけている。
 採光が少ないため昼間でも薄暗い土蔵だが、行灯を灯せば十分明るくなる。
 灯りに照らされた美少女の半裸体は生娘ながらなまめかしく映った。

「やっぱりさねが一番効くみたいやな~」
「ひぃ~!」

 筆の刺激にありさが奇声を上げ、身体をピクリとすくませた。
 しかし、青竹で両足首をがっちりと固定されているため、肉芽を襲う刺激から逃れることができない。
 筆の先で肉芽を撫で回す。

「あっ、あっ……い、いや、いや……やめてください……だんさん……」

 ありさは腰をぶるぶると振るわせ泣きべそをかいている。
 肉芽を責めていた筆は会陰をたっぷりとくすぐると菊門へと移った。
 菊門に顔を近づけ皺にまで筆の先を這わせる。
 生まれて初めて他人に菊門をいじられる屈辱にありさは錯乱状態に陥った。

「そこはっ……堪忍して…ください……そ、そんなあ……い、いやぁっ、許してっ……いやっ、いやっ……ひぃ~~~……いやあっ……」

 ありさは髪を振り乱し泣きわめいた。

「いややいややと言うてるくせに、割れ目がしっとりと濡れてきてるのはなんでやねん?」

 九左衛門はありさの悲鳴を楽しみながら、ひくひくとうごめくありさの菊門をくすぐり回す。
 時にはしっとりと濡れてきた亀裂にも筆を這わせありさを絶叫させる。
 いくら大声を出したところで誰も来ないのだから。
 九左衛門は悠然とありさを責め続けた。



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