第2話

 その引き金となったのは“香り”であった。
 あかねの指に絆創膏を巻くため近づいた時に匂いたったあの甘い女の香り。
 それが眠っていた男の本能を呼び覚ます起爆剤となったのだ。

 良樹は堪え切れなくなっていった。
 そろりと立ち上がり足を忍ばせてあかねに近づく。
 あかねは良樹が真後ろまでやって来ているのに、全く気づいていない。
 今は包丁を使っていないので心配はない。
 良樹は背後からそっとあかねを抱きしめた。

「えっ……!?きゃっ!!」

 あかねは調理に夢中になっていたので、意表を突かれてただ驚くばかりであった。

「あかね、好きだよ……」

 良樹はカットソーの上からあかねの乳房を鷲づかみにした。

「いや~ん、今、料理を作ってるのにぃ~。ちょっとぉ、ちょっと待ってよ~」

 細い身体に不釣合いな大きな胸、優にEカップはあるだろう。
 良樹は乳房を揉みながらうなじに口づけをした。

「ああぁ……そこは……」

 あかねは首筋が特に感じやすいことを良樹はよく知っている。
 感じる場所だから余計に攻めたくなってしまう。

「あああ……良樹ぃ……」

 あかねは調理する手を止めて、身体を良樹に預けた。
 背後から抱きかかえられたまま、あかねは目を閉じて、突然訪れた快楽の渦に身を任せる。

 指がブラジャー越しに乳首を探り当てた。
 衣服を着けていても敏感な部分をいじられると感じずにはいられない。
 さらに追討ちを掛けるかのように、ジーンズのジッパーが下ろされて指が中へ忍び込んできた。
 ショーツの上からではあるが、指がデリケートな部分に触れる。

 あかねの唇から熱っぽい吐息が漏れる。
 しばらく窪みを擦り続けると、じっとりと湿気を帯びた感触が良樹の指に伝わって来た。

「ああ……良樹ぃ……食事を作らないといけないのにぃ……」
「食事は後からでいいよ。今は……もっと大事なものが……」

 良樹はそうつぶやくと、あかねの腰の両側を支え軽々と担ぎ上げてしまった。
 そしてキッチンシンクの縁に正面向きで座らせた。

「オレが先にあかねを調理するからね。ベッドとはちょっと違った調理方法で…。さあ、ジーンズ脱ごうか」

 良樹はあかねのジーンズを脱がせる。
 ジーンズはスカートやスラックスとは違って、ぴったりと肌にフィットしているので脱がせにくい。
 ようやくジーンズを脱がせると、そこには真っ白なコットンショーツが現れた。
 ワンポイントにピンク色のリボンが施され、あかねによく似合っていて愛らしいものであった。
 ただジーンズが股上の短いローライズであるため、ショーツもそれに合わせてヒップハングなものを選んでいた。
 下半身がショーツ姿になってしまったあかねを、良樹はわざと顔を近づけて覗き込んだ。

「いやぁ、見ないで……恥ずかしいよぉ……あぁ……」
「これぐらいで恥ずかしがってちゃだめだよ。今からもっと恥ずかしいことをするんだから」
「いやぁん……」
「両手をうしろにして、股間をグッと前に突き出してごらん」
「そんな恥ずかしい格好いやだよぉ……」
「いいから」

 良樹から言われたとおり、あかねは恥ずかしそうには股間を突き出す。
 コットンショーツは肌によくフィットしているため恥丘の盛り上がりが一層鮮明になり、男の欲望をさらに煽り立てる。

「うふふ……いいね…この盛り上がり具合……最高だよ……」
「恥ずかしい……」
「触りたくなってきたよ」
「いやぁ……」

 良樹の指がショーツに触れた。
 あかねはびくりと反応する。
 指は中央の微かに窪んだ箇所を捉え、ゆっくりと縦になぞっていく。
 縦筋の起点から終点までのおよそ8センチぐらいを指はゆっくりと往復する。
 あかねの身体の細部まで知り尽くしている良樹の指は、的確に鋭敏な溝を探り当てる。

「あぁ……そこはぁ……」

 あかねの吐息が少し荒くなって来たようだ。
 かなり感じているのだろう。
 わずかだがあかねの額に汗が滲んでいる。

「ちょっと暑くなってきたね。上も脱ぐ?」
「う、うん……」

 ピンク色のカットソーを脱ぐと、真っ白なコットンブラジャーが現れた。
 ショーツとセットになっているようだ。
 木綿地だが一部には愛らしい刺繍が施されている。

 白い下着の上下だけになってしまったあかねを良樹はさらに攻め立てた。
 指の動きが再開した。
 溝攻めには人差指に加え親指と中指も参戦した。
 その動きはギタリストがアルペジオを奏でる時のように実に滑らかだった。
 良樹の入念な愛撫にあかねは激しい昂ぶりを見せ、抑えていた喘ぎが徐々に大きくなっていた。

「ふぁ~、はあぁ~ん……、はふ、はふ、いやあぁぁぁぁ……ん……」

 白いショーツのクロッチ部分には、はっきりと分かるくらいの染みが滲んでいる。
 さらに濡れたショーツはぴったりと陰唇に密着し、陰裂が鮮明に浮き出ていた。

「ふふふ……あかねの割れ目がはっきりと分かるよ」
「あぁん……そんなこと言わないで、恥ずかしいよぉ……」
「ん?ここは何だろう?コリコリした豆のような感じ」

 指は大粒の突起物を探り当てていた。

「いやぁ~ん……そこはぁだめぇ……」

 あかねは突然火が点いたように身体を大きくのけ反らせた。
 たまらず太股を閉じようとするが、良樹は手で拒みそれを許さない。
 突起物の辺りで円を描いたり、つまんでみたりとあわただしく指はうごめく。

「ひぃ~~!もう、もう、だめぇ~……」

 上からではあるが散々いじられたため、クロッチ部分はグショグショに濡れてしまっていた。
 変色していることは外目にも十分に分かるほど、その濡れ方は激しいものであった。


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