第4話

男性は私の背中を抱きながら、私を抱えたまま立ち上がったのだ。
しかも、あのイチモツを突き刺したまま。
アダルトビデオなんかでは良くある、これが駅弁ファックとかいうやつではなかろうか。
そんなことを知ってる私も私だけど。

「あ、あ、あ、きき気持ちいい、また感じちゃうのっ」

さっきまでのセックスは私が仰向けになっているところに突っ込まれたので、その刺激はあくまで大きなカタマリが入ってくる感覚だ。
だが、いま味わってるこれは違う。
私は持ち上げられた状態で、男性の腕と膣に深々と打ち込まれた男性器によって支えられているのだ。
膣内に強烈な重力がかかっている。
その圧迫感はこれまでに体験したどんなセックスよりも強烈だった。

そして、私をあの大きなカタマリで串刺しにしたまま、男性は私を抱えた状態で湯船の中を歩き始めたのたである。

ざばん。
ざばん。

男性が歩くたびに、激しく感じてしまうことは言うまでもない。
「あうん、ああん」

さばん。
ざばん。

男性はついに私を抱えたまま岩場に脚をかけ、湯船から洗い場へと出る。
だんっ!
「!!!!!あうっ」
その衝撃は私の脳天を突き抜いて、私は今日何度目かのエクスタシーに達してしまうのが分かった。

「い、イッちゃった…の…あぁん、また、だめ、だめ」

男性は私がイッてしまったのに構うことなく、なおも私を串刺しにしたまま歩き続ける。

「!!!!!はうっ!!!!!」

イッたばかりなのに、もう次の瞬間またイッちゃってる。
や、やめて、もう歩くのやめ…。

「!!!やめ…あ゛あ゛あ゛…」

またイッた…。
またイ…あ、あ、あ、だめダメ、、、あうっ。
ま、、、いいぃぃイグっ、、、。
うううあぐぃ…うぐぃっ!!
…あ、あるぐ、の、やめ…うあぁっ!
い、これ、あ、うああぁっ!

何の拷問だろうこれは。
もはやよだれだか泡だかを口から吐きながら、人の言葉も忘れた私は、男性の歩く1歩に1回絶頂している有様だった。
世間ではきっとこういうのをイキっぱなしというのだろう。
よくそういうこというけれど、自分で体験してみるまで分からなかった。
ずっとイッてて頭の中が真っ白としか言えなくて何にも考えられない白痴の時間。
そのわずかな時間、何を見て何が聞こえていたのかすら、いまとなってはもう分からない。



ようやく我に返ったとき、私は入るときにも来た更衣室に寝っ転がっていた。
気絶していたわけではなかったが、あまりのイキ過ぎに思考が飛んでいて、私は目の前に起きていることが何なのか、いまのいままで気付かなかった。

…男が、何人もいる。

「!!!!!」

あまりのことに大声をあげようとしたが、うめき声を出すのが精一杯で何の言葉も口から出てこないことに気付く。
それのそのはず、口は温泉備え付けのタオルで歯と歯の間に挟み込むように縛り付けられている。

「うぐー、うぐー!!」

もちろんここから逃げ出そうと全身を振り絞るが、腕も、脚も、まったく動かせなくなっていることに気付く。
腕は後ろに合わせて縛られ、脚は両方とも膝を折られた状態で足首と太ももをまとめて縛られていた。
そのうえご丁寧なことに、背面で両手と両脚が離れないようにまとめられている。
なんてことだ。これではまるでSMだ。
しかもそんな状態で、私は何かの上に座らされている。
こんな風にされるまで、何故私は気付かなかったの?

そんな風に考えながらも私はうんうんと抵抗を試みたが、縛りは一向に緩む様子もなく、また私の方も先ほどまでずっと駅弁スタイルでイカされ続けていたため、抵抗する力も残っていない。
さっきまでの天国気分はどこへやら。
一転して私は自分が地獄に堕ちたのだと知った。

「お目覚めですか、奥様」

私にまるで挨拶でもするかのような口調で声をかけてきたのは、さっきまで温泉で私を犯していた例の男性だった。

「がんがぼぼごげ、ごうぶぶごごがぼっ!」
(何なのよこれ、どういうことなのっ!)

私を犯していたその男性はちらと私を見たあと、隣にいた、ちょっと悪辣そうな顔をした、いかつい男性の方を見た。
何というか。
岩のようなのっぺりとした顔面に、細くて鋭い眼。
パンチのきいたパーマに、剃り込みの跡。
妖怪ヌリカベのように分厚い岩盤のような胸板。
マンガにでも出てきそうな、絵に描いたような悪党面である。

「“硝子”、女はどやった?」

(…さっきまで私を犯していた男の名は“硝子”というらしい。何よそれ、人間の名前?)

「“ボス”の睨んだとおり、性感は相当強う御座います」
「ほうか、おどれも楽しんどろうの?」
「彼女の方が楽しんだことと思いますよ。何せ私が調合した、あの温泉に浸かっていたのですからね」

(あの温泉…調合…って、何かヤバいものでも混ざっていたの?)

「んで、例の仕込みは抜かりなくしとろうな?」
「それはもう…。あの強力な催淫剤を塗った私のペニスをくわえ込んだまま、ここに運んだのですから」

(催淫剤って何?
 何かSMどころじゃ済まない、ヤバい話になってるんだけど?
そんなのを身体に仕込まれたから、私あんなに感じちゃったの?
あの“硝子”って男は、そんなことのために私に近付いたの?
全然疑いもしなかった。
あぁ、私の馬鹿!!)


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