第12話  姉と弟~黒い糸で引き合う処は?


「どぉれ、そろそろいいだろう。直に触らんでも大きく勃起させやがって。千津子、孝太の方はどうだ?」

「ええ、充分に盛りの付いた男に」

お義父さんがお義母さんに話しかけて、割れ目のお肉から指の気配が消えた。
エッチな快感に浸り掛けていた遥香の腰が、指先を追って前に突き出そうとする。

「遥香、じっとしているんだぞ。今からいいモノを着けてやるからな」

「孝太、お前もだよ。暴れたりしたら遥香と一緒に鞭打ちだからね」

「えっ? なに?! い、イヤ……お義父さんっ、そこはダメェッ! ひゃああぁっっ、痛いッ!」

「うはぁっ……お義母さん、握らないで……な、何を? いぃ、痛いッッ!」

わたしが悲鳴を上げて、孝太も擦れた声で叫んだ。
お義父さんの指に巻き付いた、光沢のある黒い木綿糸。
その先端が小さな輪っかにされて、遥香の股間に運ばれてくる。
エッチなお汁で濡れた割れ目にチュブっと沈めて湿らせて、先端にひっついた突起に絡めていく。
お義父さんの指に感じて大きくなった遥香のクリトリスに、黒い糸の輪っかが結びつけられていた。

「千津子、そっちは準備できたか?」

「ばっちりよ。孝太のオチ○チンの根元に、グルグル巻きで縛り付けてあげたわ」

いったいどうしようというの?
この人達は、何を考えているの?

大きな身体が目の前から離れて、わたしはうずくまったままの孝太を見つめた。
遥香の股間から孝太の股間へと繋がった、細くて黒い糸をぼぉっと眺めていた。

「どう、アナタ達。オマ○コとオチ○チンを黒い糸で結ばれた気分は? 愛し合ってるなら赤い糸だけど、遥香と孝太は姉弟だからね。それに脱走という罪を犯したんだ。黒色がお似合いだろ」

「そういうことだ。どちらがふざけた計画を思い付いたか知らんが、今からたっぷりとお前たちの身体に訊いてやるから覚悟するといい」

赤黒く変色したレンガの壁に、お義母さんのネットリとした声が塗り込められる。
お義父さんの低く唸るような声がその壁に反響して、何度も繰り返してわたしの鼓膜に囁きかけてくる。

「聞いてください、お義父さん。ここを逃げるように言い出したのは僕なんです。お姉ちゃんはただ従っただけです」

「孝太、なにを言うの。この家から逃げようって持ち掛けたのはわたしです。目の見えない弟は言いなりになっただけです。お義母さん、罰を与えるなら遥香にお願いします。どうか孝太は許してやってください」

わたしは孝太の背中を抱き締めたまま訴えた。
孝太はきっと天の邪鬼だから、わたしとは正反対の言葉で告発した。

今更こんなことを口にしたって、サディストなこの夫婦を悦ばせるだけ。
遥香の理性が首を振って哀しい顔をするけど、温かい孝太の肌に傷をつけさせるなんて。そんなこと、お姉ちゃんのわたしが阻止しないと。

「ふふふっ、麗しい姉弟愛だねぇ。ゾクゾクするじゃない」

「ああ、その姉弟愛とやらを、今からたっぷりと観賞させてもらおうじゃないか。遥香、孝太、スキンシップはそれくらいにして離れるんだ!」

「ひぃ、き、キャァ……孝太……孝ちゃん……」

「お、お姉ちゃん?」

お義父の太い両腕がわたしを羽交い絞めにした。
そのまま繋がった糸がピンと張るくらいに孝太から引き離されていく。
そして、無理やり仰向けに寝かされると、今度は背中に腕を差し込んで持ち上げてきた。
両腕と両足だけが冷たい床に触れて、その姿勢で身体を支えろというように。

そう、わたしは背中を反らさないブリッジのポーズを取らされていた。
逆手のように拡げた手のひらで上半身を支えて。
はしたなく太股を拡げたままヒザを折り曲げて、足の裏全体で下半身を支えて。

「ほら、孝太も遥香を見習って、同じ格好をするんだよ」

「な、なにを? 放して、お義母さん」

「孝太まで……どうして……」

わたしはなんとか首を持ち上げると、向かい合わせで同じポーズを取らされる孝太を見つめた。
お互いに胸とお腹を天井に向けたまま両手と両足だけで身体を支えて。
遥香と一緒だね。太股の筋肉を緊張させながら、恥ずかしいのに股関節を90度に拡げて。

「遥香、アンタなにをジロジロ見てるんだい? そんなに弟のオチ○チンが気になるのかい? 生娘のくせにスケベな娘だねぇ」

「ち、違います。わたしは、そんな……」

「そんな? ああ、オチ○チンより繋がった糸の方が気になってるのかい。遥香のクリトリスと孝太のオチ○チンを結ぶ黒い糸だからね」

わたしは孝太から視線を逸らせると天井を見つめた。
丸い傘の下で黄ばんだ色で輝く白熱球をじっと眺めていた。

これ以上、孝太を苦しめたくないもの。
つい覗いてしまった遥香の行為を、大げさにあげつらうお義母さんに利用されたくないもの。
だけど……孝ちゃん、ホントにごめんね。
でも……孝太の大切な処を、お姉ちゃんは初めて見ちゃった。
こんな格好をお互いさせられて、わたしだけ見るのって不公平だと思うけど、孝ちゃんのアソコって大人だったんだね。
その……お、オチ○チンも大きくて逞しくて、お姉ちゃんびっくりしちゃった。

「それにしても、アナタって人は残酷な人ねぇ。血の繋がった姉弟にこんな格好をさせるなんてさ」

「とかなんとか言いながら、千津子も満更ではないといった顔付きだな。まあ、ショーは始まったばかりだ。じっくりと愉しむがいいさ。遥香と孝太、お前たちもな。ははははっ……」

それは、人ではない。悪魔の笑い声だった。
そう、こんなひどいことを思い付くのは、あったかい血の通った人なんかじゃない。
この人達は……



「うぐぅっ! 痛いッ! 孝太ぁ……やめてぇっ……んぐっ」

「おぉ。お姉ちゃんこそ……そんなに引かないでぇ……」

「いいぞ、遥香。もっと踏ん張れ!」

「孝太もよぉ。アンタは男の子なんだから、腰に力を入れて……ほらぁ、しっかり引くのよ!」

わたしと孝太は、綱引きをさせられていた。
囃し立てるお義父さんとお義母さんの声援を受けながら、仰向けの身体を両手足だけで支えて、ピンと張った黒い糸を引き合っていた。
孝太のオチ○チンと遥香のクリトリスに括りつけられた木綿の糸を、引っ張り合って綱引きしているの。

「い、痛い……あぁっ、お豆がぁ……ひぐぅっ!」

「キャハハハッ! 孝太、その調子よ。オチ○チンに気合を入れなさい。勝って、身体で証明するのよ。脱走を持ち掛けたのは孝太だってね」

孝太が呻きながら、腰を引いた。
大きくなったままのオチ○チンが、黒い糸に添って真っ直ぐに伸びた。
そうしたらクリトリスに激痛が走って、怖気づいたわたしの手足が2歩3歩と引きずられる。
孝太を勝利させて、罪を押し付けるように。

「どうした、遥香。肉芽が痛くて動けんか? だがな勝たなければ褒美はやれんぞ。ケツの鞭打ち100回のな。ハハハハッ……」

そういうこと。この綱引きの勝者は、罪を認めてお尻を鞭で叩いてもらえるの。
お義母さんが手にしている細長くて弓のようにしなる鞭で、100回もお尻のお肉をぶってもらえるの。
譲れるわけないよね、そんな特典。
あっさり負けて、孝太に譲ったりしたらいけないよね。
鞭打ちって、ちょっぴり怖いけど。でもね、遥香は鞭で叩かれて悦ぶ変態だから。
たった今から痛いこと大好きな女の子に変身してあげるから。
クリトリスだって……



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