9.
 

 放尿という痴態を見せたあとの美月は抜け殻のように力を失っていた。俺の肩にもたれかかりながら、パンストとパンティが膝に絡む不自由な脚でこの部屋に戻った。
 ようやく抵抗する気がなくなったらしい。そう確信した俺は、投げ捨てた背広のポケットから手錠の鍵を取り、腰にある手首にかけられた手錠を外した。
 細い手首は少し赤くなっていたが傷にはなっていないことに安堵したのも束の間、膝で止まっているパンティのクロッチに張り付いた粘液を目にし激しい情欲の世界に舞い戻る。
 美月の背後にしゃがみ、細い腰を両手で掴み、さっきトイレで堪能したかったスパンキングで赤く染まった美尻に舌を這わしだした。縦、横、円を描くようように赤いところを癒すように、舐めまわす。桃のような美尻が己の唾液に染まっていく光景と滑らかな舌触りが最高だ。
 唾液臭が鼻をくすぐった。普段ならば悪臭の部類にはいるのだろうが、そんな臭いも今は情欲を盛り上げてくれる。
 それにしても、二人きりの社内は静かすぎる。喘ぎ声こそだしていないが、美月の吐息が乱れているのがはっきりと聞こえる。
 尻を舐められ、美尻をくねらす美月、くすぐったさに耐えているのか? それとも、感じているのか? それは本人に訊いてみなければわからないが、どちらにしろ、こそばゆさと快感は紙一重という。最初、くすぐったくても、次第に感じてくる、つまり性感が開発されていくのだ。
 そろそろいいかな。
 唾液まみれになった美尻に満足し、お尻から舌を離して、股間に手をいれ、中指で淫唇をなぞった。
「うっ」
 乾いた息だけを発していた美月の口から声が漏れた。
 当然だと思った。淫裂は十分すぎるほど濡れている。心はどうであれ、肉体は確実に快感を求めている証しだ。
 粘液で濡れた指を折り曲げると何の抵抗もなく膣の中に沈んでいく。温かい粘液がまとわりつく指を前後に動かすとピチャピチャと粘っこい音が耳に入る。
 膣の中の温もりといやらしい音を楽しみながら、愛撫をつづけていると、快感に立っていられなくなったのか、美月は目の前のデスクに両手をついた。自ずとお尻を突き出すような姿勢になってくれたので、美月の淫裂がはっきりと眼にうつる。本気汁という白く粘っこい液が割れ目の合間からにじみ出て、突っ込んだままの中指の付け根を白く染めている。淫裂は、濡れているなんて一言では済まされないほどに淫らになっていた。
 たまらなかった。意識の全てが、いやらしい若妻の淫裂に向かってしまう。もう、言葉遊びをしているゆとりなどない。ただ荒い息を吐きながら、淫裂から指を抜き、くびれた腰を両手でがっしりと掴み、美尻を引きよせ、淫裂に顔をうずめた。
 さっき、放尿したからだろう、アンモニア臭が鼻についたが、その鋭い臭いさえ媚薬に感じながら、いやらしい汁にまみれの淫唇に口唇をぴったりと押し付け、舌を突き出してあふれ出る愛蜜を拭い取るように割れ目をペロペロと舐めはじめた。
「うっ、うっ、ううぅっ、あぁ、やぁぁっ」
 美月のせつなげな声に情欲を高まらせ、さらに舌使いに力を込め淫唇を舐め続けた。
 
 どれくらいの時間、舐め、吸いつづけただろうか? 口の周りを愛液で濡らすほど夢中になっていたから、定かではないが、たぶん十分以上は経っていると思う。
 舌に疲労を感じている。こんなにも女性の性器に舌を這わせ続けたのは初めてだ。
 いったいどこから溢れてくるのだろうと思うほどに、愛液まみれになっている淫唇は、熱い肉の塊を欲しているに違いない。
 だが、美月は、まだ太いものを求めてはこない。
 スパンキングされ、放尿を見られ、淫唇を舐められても抵抗しないので、すんなりとこの先を進められると思っていたが、まだ、抵抗の意思が残っているようだ。
 思ったよりもずっと強情なオンナだ。
 美月の口から肉棒を求めて、合意となったうえで、結合しようと思っていたが、今すぐ、肉棒を膣の奥までぶち込みたいとの思いが強烈に湧き上がっている。
 肉棒がこの卑猥なおま○この中の感触を早く味わいたいとピクッピクッと騒いでいる。
 このままでは、美月よりも、完全に復活した肉欲のまえにオレの方が先に負けてしまいそうだ。
 そうだ! あれだ! あれがあったじゃないか!
 放尿というあまりにも強烈な光景を目にし、つい忘れていたローターと共に買ったバイブレーターがあるのを思い出した。
 早速、背後のセンターテーブルにおいてあるバイブレーターを手に取り、スイッチをいれた。
 先端部がくねくねと回り、中間部から下部の透明な内部に敷き詰められている真珠玉のような球が回転する。その動作に伴い鳴っているウィーン、ウィーンとシャリシャリと卑猥な音を鳴らしながら、
 その音が気になったのだろう、机の上に手をつき尻を突き出して、されるがままになっていた美月が振り返った。
「えっ、いやぁ、そ、そんなの、そんなのはいやです、お願い、使わないで……」
 おそれおののく美月に向け好色な笑顔で応え、バイブレーターの先端をおしあてた。
「いやぁん」
 と、可愛らしい声をあげて美月はその場にしゃがみ込む。 
 初めてのバイブレータがよほど怖いらしい。ローターであれだけ感じてしまったのだから、もっともなことだ。
 だが、当然、バイブ責めを止めるつもりは毛頭もない。
 バイブレーターのスイッチを止め、センターテーブルの上に置き、自由になった両手で、しゃがんだ美月を力づくで立たせて、ソファに座らせた。
 膝で止まっていたパンストとショーツを取り去り、両足を座面に乗せて、膝を左右に開いていく。
「い、いや、やっぱり無理……です」
「おい! 大人しくしていないと、また拘束するからな!」
 美月の脚に抵抗を感じ、怒鳴ると、美月はピクッと身を震わせて、身体から力を抜いていった。
「いいか、これはレイプじゃないんだぞ。僕と美月のビジネスなんだ。美月は百万を受け取る、僕は美月の身体を味わう。取引が成立したんだから、もう撤回はできないんだぞ。いいな。返事は!」
「……は、はい、わかりました」
「よし、いいこだ」
 バイブレーターを握って、ぐっしょりと濡れている淫裂をその先端で二、三度擦り狙いを定めた。
 開かれた美月の膝がガクガクと震えている。美月の顔を伺うと、恐怖の色を浮かべているが見て取れた。
「怖いことなんてない。大丈夫だ、これだけ濡れているし。それに、こいつよりオレのもののほうが少しでかいからな。いくぞ」
「ひぃっ」
 バイブを握った腕を慎重に前に進めていく。びらびらが捲れ、バイブの先端が膣穴に潜っていく。最も大きいヘッド部が潜れば後はたやすいものだ。さらに手を進めるとたっぷりと潤った膣洞の中に全てがのみ込まれていった。
「あっ、あぁぁっ、やだぁぁ」
「やだぁ、じゃないだろっ。これからが本番だよ」
 二つあるスライド式のスイッチの一つを動かした。
「ひっ、あぁぁっ、やっ、なに、これっ、あっ、あっ、あぁぁっ」
 美月の反応を楽しみながら、動かしたスイッチを最大限までスライドさせ、さらにもう一つのスイッチもスライドさせた。本体の根元のパールが大きく回転し、根元から伸びる親指ほどの大きさのクリバイブの先端にある二本のゴム製の触覚に似たものが鋭い音をたててブルブルと振動する。
「ひゃっっ、あぅっ、ううぅ、ああぁっ、だめっ、あぁぁっ、つよい、あっ、強すぎるぅぅっ」
 膣奥でくねる頭、割れ目を擦るパール、クリトリスに振動を与える触覚に美月の女体が小刻みに震えている。ローターを使った時のように鳥肌さえ浮かべてしまうほどに感じているようだ。
 結合部の根元からは次々と愛液が溢れ出て、ソファまで流れている。バイブで狂ったようによがる美妻をこの目に焼き付けておくだけでは、もったないと思い、右手に握っていたバイブを左手に持ちかえて、空いた右手でデジタルカメラをとり、バイブの突き刺さった淫部にレンズを向けてシャッターを押した。 
「あぁぁぁっ、やっ、しゃ、しゃしん、あっ、うぅぅ、と、撮らないでぇ」
 あえぎ声を放ちながら訴える美月の崩れた美貌を映し、カメラを元に戻して、バイブを持つ手をいれかえ、暴れるオモチャを前後する。
「あぅっ、そ、そんな、は、激しくぅ、あっ、いっ、いいっ」
「どうだっ! 気持ちいいか!」
「いいぃ、いいですぅっ! 気持ちぃぃっ! あっ、ううぅっ、こっ、こんなのっ! こんなのっ、はぁぁんっ、ダメッ、ダメッ」
 あぁ、すごい、最初は強い抵抗さえ示していた美月がこんなに淫らになっている。バイブを前後するごとに、結合部から白い泡がジュクジュクと溢れてくる。
 こいつを使って心底よかったと思った。
「あぁぁぁ、だめっ、おかしくっ、おかしくなっちゃうっっ!」
 美月が仰け反ったと同時にバイブが根元まで膣に埋まった。が、そう安々とイかせてはやらない。さっと右手を引き、膣からバイブを引っこ抜く。
「やぁぁんっ」
 美月が懇願するような瞳を向けてきた。快感の頂点を迎えつつあったのに、急にその機会が失われてしまったら、男女問わず、誰もが、そんな顔をするであろう。
 堕ちた……ついに美月が堕ちた。
「イきたいか?」
「お、お願い、してっ、もっとしてください」
「俺は、いきたいかどうか訊いているんだぞ。ちゃんと言わなければ、つづきは無しだからね」
「あぁぁっ、ひ、ひどいっ……ぃきたぃ、いかせて、いかせてください」
「いかせてあげてもいいけど……バイブは終わりだよ」
「あぁ、いやぁぁん、入れて、いれてくださいぃぃ」
「いかせては?」
「いかせて、いかせてくださぃ」
「だったら、言うんだ。社長のチンポを美月のおま○こにぶちこんでって」
「そ、そんな、それだけは、あぁ、いれてぇ、し、しゃちょうのチンポ……チンポを……お……んにいれてくださぃ」
 これで強姦から和姦になった。やった! と、心の中で叫んだ。極度の興奮に隠されていた大きな罪への恐怖が完全に取り除かれた。もう、何も恐れる必要はない。ただ、目の前で潤んだ瞳をオレに向けて、股を開き、バイブでパックリと開いた人妻の淫裂に肉棒をぶちこむだけだ。
 だが、その前にしなければならないことが一つある。
 ソファの背に寄り掛かかっている美月を引き起こし、その身体をくるりと反転させた。 
「いれてやるっ、バックからいれてやるから、ソファに手を着きなさい」
 美月は呼吸を乱しながら、素直に従い、ソファの座面に手をついた。
 これでいい、もし、この体勢以外で入れようとしたら、生で入れることに美月は気づいてしまうかもしれない。いくら快感のうねりが高まっているとはいえ、きっと、生で挿入されることを美月は拒むことだろう。やはり、中に出されるかもしれないという心配がある。それで、見事に的中してしまったら、人妻である美月にとっては大変なことだ。もちろん、オレにとっても。
 それに、ゴムをつけてくれと頼まれても、最初から生でぶちこむつもりだったので、コンドームを用意していない。
 そうなったら、途端に美月の快感の昂りが醒めていくかもしれない。
 だから、つけたか、つけていないか、わからない、この体位にする必要があった。
 もっとも、滑らかな曲線を描いている女のお尻や結合部を眺めることによって精神的快楽を高めてくれる後背位が好きということもあるが。
 なんにしろ、これで憧れていた人妻の膣へ生でぶちこむことができる。
 眼下に広がる尻フェチにとっては最高のアングルに身震いしながら、尻を引きよせ、肉棒を軽く掴み、淫裂へ狙いを定めて腰を進めた。
 バイブでほぐしたお陰で、肉棒でもっとも大きな亀頭がスムーズに入り込んだ。やはり、熱く潤った感触を直に感じることができる生は気持ちいい。いつ生でしたか、忘れるくらい久しぶりの生膣に感激しながら、膣中の形状を確かめるようにゆっくりと腰を進め、勃起を膣の奥まで進めていった。
「あぁぁっ、あぁぁっ、すっ、すごいっ」
 美月が悦びの声をあげると当時に膣壁が肉棒をキュッと締め付けてくる。
「うぅっ」
 未だかつて味わったことのない素晴らしい膣肉にたまらず呻いてしまった。いれただけでもこれだ。動かしたら、暴発してしまうのではないかと思うほどの極上の代物だ。だが、じっとしているわけにもいかない。お尻を突き出し、快感の高みを待ち望んでいる美月に応えなければならない。
 慎重に腰を前後に動かしだした。
「あっ、いいぃっ」
 美しい人妻が、恋心を感じているオンナが、己の肉棒で悶え悦ぶ痴態を目の辺りにしてしまうと、否が応でも性感が高まり、肉棒への感度が増してくる。まだ挿入し、軽く腰を振っただけなのに、射精感が湧き上がり、慌てて抽送を止める。
「あぁぁん、いやぁんっ」
「気持ちいいか?」
「気持ちいぃっ、気持ちいいです」
 抵抗、恥じらいを見せていた美月はもうここにはいない。美月は快感を求めて、淫乱な雌のごとく、逞しい雄を誘惑するかのように、自ら尻を振っている。
「してほしいか?」
「してください、お願い、お願い、もっと、してください」
「突いてほいか?」
「あぁぁっ、ついて、ついてください。あぁぁぁん」
 美月の要望に応え、抽送を再開した。肉棒に絡みつく膣肉がねっとりと絡みついてくる。気持ちいいなんて一言ではすまされない極上の美肉との闘いの始まりだ。オレが果てる前に、なんとしても美月を満足させなけはればならない。くびれた腰にしっかり手を添え、子宮口に亀頭をぶち当てる。
 
 ゆったりとした腰つきから、次第に速度を上げ、ダイナミックに打ちつけだした。
「はあぁんっ、すごいっ、あたるぅっ、奥まであたるぅっ、すごいっ、こんなの、こんなのっ、ああぁっ、こんなの、はじめてっ」
 軽い突き上げでは、悩ましい喘ぎ声しか漏らしていた美月の口から悦びの声がでた。やはり、力強く突いた方が感じるようだ。仕方がない、美月に付き合うしかない。それに、オレもそろそろ激しい快感が欲しくなってきた。美月の為、自分の為に激しく腰を振りだした。
 乱暴な肉棒の突きに美月が大きな声をあげて、前のめりに崩れ落ちた。美月のヒップが突き出され、さらに深く肉棒がのみ込まれる。
 這いつくばるような姿勢になった美月を見下ろしながら腰を前後に振りまくる。パンッパンッと音をたてるほどに激しく肉をぶち当てる。腰を引くと、淫毛にまで付着した美月の膣から滲み出てている粘り気のある白い液が糸を引く。
「ああぁっ、いやっ、あぁぁっ、す、すごいっ、あっ、あっ、あんっ、あっ、いぃぃっ、すごいっ、そ、そんなっ、激しいっ、あぁぁぁっ、いぃぃぃっ、あぁぁぁぁぁぁっ! いっ、いゃぁぁっ、いやぁぁぁぁっ!」
 美月がソファの座面をギュッと掴み、社屋の隅々はおろか外にまで聞こえてしまうのではないかと思うほどの大きな声をあげた。
 深い部分に肉棒を突っ込みながら、美月の様子を伺った。美月はおでこをソファに押し付け身体をピクピクと痙攣させている。
 どうやらイってくれたようだ。これで、役目は果たした。あとは己の欲望をぶちまけるだけだが、もう一つやり残していることがあったことに気づいた。そうだ、ビデオでは撮影されているが、カメラは斜め前方にあるので結合部は映っていない。あとで再生してみて、映っているのはいやらしい俺の顔と、眉をハの字に曲げ快感を貪っている美月の顔だけだろう。結合している画像はどうしても欲しかった。本当ならば美貌が歪んでいるのもばっちり撮れる正常位・騎乗位が最高だが、生挿入をしたかったから、それは諦めるしかない。
 膣の中から肉棒が抜けないようにテーブルへ手を伸ばし、デジカメをとって、淫裂に突き刺さる肉棒のアップと尻を突き出し快楽の余韻に浸っている美月の全体像を撮った。

 カメラを横に置き、崩れ落ちかけようとしている美月の細腰を持ち上げ、ラストスパートに向けて、最初からピッチをあげた。
「あんっ、あんっ、あぁぁぁっ、いやぁぁっ」
「ああっ、気持ちいい、美月のおま○こ気持ちいいよ」
「あ、あん、あん、あひ、あ、あ、だめっ、だめっ、こ、こんな、あ、ひ、もぅ、だめぇっ、そんなっ、あっ、いやっ、そんなっ、激しいっ、こ、壊れちゃうっ!」
 背後から見下ろす、美尻の絶景、激しい突きに強制的に余韻から目覚めさせられた美月の口から洩れる喘ぎ、そして凹凸ある膣肉の肉棒への絶妙な締めつけ感、この極上の状態のまま中で射精したいと思いが強烈に湧き上がる。
 しかし、やはり中に出すのはまずい。今、美月が安全日かどうかなどわからないし、この状況で聞く勇気もない。お互いに家庭のある身、妊娠させたら、双方まずい。果てるときの快感は繋がったままの時よりも劣るが仕方がない。予定した通り、美月の綺麗なお尻にぶっかよう。
「あん、あん、あん、あっ、あぁぁっっ、だめぇっっ」
 激しい突きで美月の美尻が揺れている。かけてやる! 汚してやる! このお尻にザーメンをぶちまけけてやる!
 と、言葉に出さずに叫んだ瞬間、射精感が津波の如く猛烈な勢いでやってきた。
 うぅ、いっ、いくっ、だっ、だめだっ!
 美月の細い腰をがっしりと掴みながら、思い切って腰を引くと、オンナの粘液にまみれた肉棒がヌルリと抜けた。強い脈動が立ち昇る肉棒を右手で握り美尻に先端を向けた。
「うっ、うっ! うっ! うっ! おぉぉっ!」
 呻き声と連動して、亀頭の割れ目からブシュッ、ブシュッとすさまじい音をたて、ザーメンが弾け飛び美尻にぶちあたった。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
 全ての精液を出し終え、再びカメラを手に取り、一度、たっぷりと精液を出したのにも関わらずに、大量かつ濃厚の白い液が張り付いたお尻を写してソファから降りた。
 膝を崩れ落としてうつ伏せになった肉体をプルプルと痙攣させている美月の様子を窺いながら、オンナのいやらしい粘液にまみれた肉棒をウェットティッシュで拭いて、一人掛けのソファに座った。
 煙草を口にくわえ、火を点けて、美月を見つめた。

 欲望のエキスをたっぷりと放出し、昂ぶっていた情欲が引いた今、急速に不安が広がってきた。
やってしまった……妄想を現実に、欲望ままに美月を犯してしてまった。オレはとんでもないことをしてしまった。
 お金を受け取るといったが、もし、美月がこのことを公にしたら、間違いなく、俺は逮捕され、マスコミの話題となり全てを失う。興奮していて美月のことだけを考えていた時はわからなかったが、失うものはあまりにも大きいものだということが今わかった。
 怖くて、身体が震える。
 だが、すでに後悔しても遅い。
 大丈夫だ、あれだけの痴態を見せたんだし、口約束だが契約もした。その記録もビデオに収められている。もし、美月が訴訟を起こしたら、当然、これも証拠品として、多数の人の目に晒されることになる。彼女も失うものが大きい。だから、大丈夫だ。
 そう勇んで、煙草を揉み消した時、美月の瞳が開き、視線が交差した。美月は何も言わずにじっとオレを見つめている。その瞳からは怒りや悲しみといったものは感じられない。かといって、好意を感じるものでもなく、まるで人形のように感情が見えない。
 いったい、どういう気持ちでオレを見ているんだろう?
 何かを話さなければならないが、恋人や夫婦のアフターセックスとは違う特殊な状況にいい言葉が浮かんでこない。
 突き刺さる美月の視線に耐えられず、オレは立ちあがって部屋からでた。







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作者しょうたさんのHP『官能文書わーるど』


自作小説・投稿小説・コラボ小説・投稿体験談が掲載。
作品数は小説だけでも700作品を超え、まさに官能の巨城。
質・量・見易さ、三拍子揃ったすばらしいサイトです。










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