第12話

 亀山の股間の奥からは、藍子が悶え狂う様子が映し出されていた。
 顔をシーツに沈め、眉間にしわを寄せ、大きく開いた口からは唾液が滴っていた。
 相川の興奮を再び目覚めさせたのがこの情景だった。

 そして背後にいる相川の存在も、亀山の興奮を高ぶらせていた。
 相川が成し遂げることができなかった性器への挿入が、亀山を優越感に浸らせていた。
 まさにこの心理は、権力に勝る雄の本能そのものだった。
 亀山の腰の動きは、弱者を嘲笑うかのごとく激しさを増していった。

「それっ! それっ! それっ! ほりゃっ!……」
「あぁぁ! あぁぁ! あぁぁ! あふぅぅ!……」

 挿入の拍子も、深浅と速度が不規則に変化していた。


 この挿入形態に、藍子もまた絶頂へと導かれようとしていた。
 延々と継続される不規則な前後運動に、理性よりもいち早く子宮が反応していた。
 そして微かに目を開くと、股間の後方で自慰をしている相川の姿が目に入った。


「あぁぁぁ~~~、ゃ、やだわ~~~、、相川さん、、み、見ちゃだめ~~~」(藍子)
「はぁ、、はぁ、、せ、先生、、俺、なんか、なんか興奮してきた、、」(相川)
「相川君、見えるかっ! ぐひひひ~~~、、いい眺めだろ~~~、、それっ!」(亀山)
「あぁぁぁ~~~、そ、そんなの… そんなのだめ~~~、あぁぁぁ~~~」(藍子)
「せ、先生、、気持ちいいですか~? 先生、俺、興奮してます、、先生、、」(相川)
「それっ! それっ! それっ! ほりゃっ! ほぉ~~~、気持ちいい!」(亀山)
「はぁぁぁ~~~、だめ、、も、もう、、あぁぁぁ~~~」(藍子)
「せ、先生、凄いです、、せ、先生、凄いです! はぁ、、はぁ、、はぁ、、」(相川)
「それっ、、あふぅ、、うぅぅぅ、、そりゃ、、うぅぅぅ~~~」(亀山)
「あぁぁぁ~~~、、も、もう、あぁ、、あぁぁぁ~~~」(藍子)
「うぅぅぅ、、あふぅ、、俺、俺、うぅぅぅ……、、あああ、、」(相川)
「おぉぉぉ~~~、あふっ、、で、出そうだ、、あふっ……」(亀山)

 3人共、ほぼ同時に限界を迎えていた。
 藍子は顔を紅潮させ、相川の男根は鋭く反り返っていた。
 そして女陰に突進している亀山の肉棒からは、濃厚な液体が滴っていた。
 その液体は蜜壷に挿入されているため確認することが不可能だが、明らかに精液の一部に他ならなかった。

「だ、だめ、、もう、もう、だめだゎ~~~、い、逝きそう~~~、あぁぁぁ~~~、逝くぅ~~~~~」(藍子)
「せ、先生、、俺も、俺も、俺も出る、、出る、、出る、、あぁぁぁ、、、出るぅ~~~~~」(相川)
「そりゃ、、い、いくぞっ! いくぞっ! うぐぐ、、それっ! うわゎ~~~~~、、うぅぅぅ~~~~~」(亀山)

 その瞬間、藍子の意識は遠ざかり、目の前が真っ白になった。
 そして相川の肉棒からは精子が散布され、亀山の精液は、藍子の肉体の最深部で散乱した。





 ――1年後――

 仙台市郊外にある総合結婚式場「グランデール宮城」で今日も新たな幸福が2つ誕生した。
 新緑が芽生える5月上旬、爽やかな晴天の下、とても清々しい2組のカップルだった。
 純白のウェディングドレスと可憐なブーケに彩られた花嫁は、まさに天使そのものだった。

「ご苦労様!」

 午後9時過ぎに、藍子は専属サロンの控え室に戻った。

「あっ、先生、お疲れ様でした」
「先生、疲れた~、もう動けません」

 2名のスタッフは微笑みながら答えた。

「今日も2本(2つの披露宴)無事こなせてほっとしたわ。あなた達のお陰よ!」

 藍子はテーブルの上の紙コップに、ペットボトルのお茶を入れながらスタッフを称えた。

「でも先生……、披露宴2本を3人でこなすのは大変です。もう少しスタッフを増やしてほしいです」
「私も賛成です!」

「はいはい、でももう少し我慢して。お店だってスタッフが不足してるんだから……」
「は~い、わかりました」

 現在ヘアーサロン・モダには、店長、マネージャの他、8名のスタッフが在籍し、内2名のスタッフが婚礼を担当していた。
 この婚礼を担当する2名のスタッフは、開業当初から働いていたスタッフだった。
 
 昨年の秋に、大成ホテル系列の結婚式場「グランデール宮城」の専属サロンとして活動を始めてからは、モダの経営状況も順風満帆だった。
 店長やマネージャ、スタッフの人件費と、材料費、光熱費などの営業経費、その他交際費などを差し引いても、純利益が数百万円を超える月も少なくなかった。
 そして何よりも藍子の私生活を豊にしたのは、亀山からの援助だった。
 藍子は、少なくても月に2~3度は亀山と身体を重ね、時には相川も同席していた。
 そしてその都度亀山から現金が手渡され、その額が100万円に達する月もあった。

「そろそろ帰りましょうか? 今日はお疲れ様でした」
「はい、先生お疲れ様でした」

 2名のスタッフと共に、藍子は裏の駐車場に向かった。

「じゃあ、気を付けてね!」
「先生、おやすみなさい!」

 藍子は、愛車のベンツに乗り込んだ。
 この車は、3ヶ月ほど前に現金で購入した。
 真っ白のボディと黒の本皮シートが、きらびやかに調和していた。

 愛車を走らせ約15分ほどで仙台市中心部にある高級マンションに着いた。
 駐車場に愛車を止め、エレベーターで10階に昇り、部屋のドアの前で立ち止まった。

 藍子にとって、この瞬間がたまらなく辛かった。


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若き美貌作家真理子さん
人は愛に生き、性に溺れ、時には野心を抱く……
本格的官能小説からスリリングな体験談まで
開設からわずかな期間で投稿作品がいっぱい
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