第8話

「やめてください!」
「やめてくださいだと?はっはは~!そんな事を言うのは今だけじゃ!お前の身体は俺のサオを欲しがっている。はっはは~!」

 精一杯の抵抗をする藍子だったが、鼻息を荒げ、巨体で襲い掛かる暴漢の前では、なすすべもなかった。

「や、やめて、、あ、嫌っ!」





 ホテルを出ると既に黄昏時を迎えていた。
 亀山と2時間あまり過ごしたベッドの上で、藍子は3度絶頂に達した。
 悔しさとやるせなさが脳裏で渦巻いていたが、25歳の肉体は険悪感を抱く事はなく、むしろ快楽を覚えていた。
 女の性は、時として気持ちとは裏腹に反応してしまう。


(『あぁぁ~~、いぃ~~、そ、それ、そこ、あぁ、、もっと、もっと、あぁぁぁ~~、い、いくぅ~~~』)


 藍子の肉体は3度目の絶頂を迎える瞬間、更なる激しい行為を亀山に要求してしまったのだ。


 その日の夜、夫の武彦から久しぶりに抱かれた藍子だったが、無論絶頂感はなかった。
 亀山から開拓された肉体は、亀山からの行為でなければ快感を得る事ができなかった。

「藍子、最高だったよ」
「私も……」
「どうしたの?元気ないね」
「うん。ちょっと疲れてるみたい」
「そうだよな。藍子、最近忙しかったからな……」

 藍子の目からは涙が滲んでいたが、薄暗い部屋の中では夫が気付く事はなかった。





「おお~、君か!」
「はい、藤沢です」
「今日、会えんかね?」
「今日ですか?」
「ああ、6時に部屋で待ってる」
「わかりました」

 直接亀山から電話があった。
 久しぶりに亀山の声を聞いた。
 あの日以来、およそ2週間ぶりだった。
 この期間、藍子は亀山の事ばかり考えていた。
 それは愛情ではなく、性の欲求に他ならなかった。

 大成ホテルに向かう途中、藍子の下腹部は熱くなっていた。
 亀山との行為が脳裏をかすめる度に、陰部が湿気を増していた。


「藤沢です」
「ああ、君か、入りなさい!」

 過去に2度この部屋を訪れたが、一人で来たのは初めてだった。

「失礼します」

 部屋に入ると、いつもの大きな椅子に亀山が座っていた。
 亀山は、既にジャケットを脱いでネクタイも外していた。

「久しぶりだな~、ひひひ、、待ってたぞぉ~」

 亀山の眼球は、藍子の全身を舐め回すような動きをしていた。

「今日は君に渡したい物があるんだ!」
「私に?」

 亀山は、机の中から封筒を取り出した。
 その封筒には、市内の銀行名のロゴが印刷されていた。

「専属サロンの支度金だ」
「支度金?」
「50万入ってる」
「そ、そんな……」
「まあ~いいから受け取りなさい!」

 亀山は、拒む仕草を見せた藍子の右手を取り強引に封筒を握らせた。

「ありがとうございます」

 藍子は、深々と頭を下げた。

「それから他にもあるんだ!」

 亀山は再び引き出しを開け、同じロゴが入った封筒を取り出した。

「今日は君にお願いがあってな……。ぐっひっひ~」
「お願い?何ですか?」
「ちょっとこっちに来てくれ」

 亀山は、ベッドルームに藍子を導いた。

「あっ!!」


 絶句する藍子の視線の先には相川がいた。

「相川さん、どうしてここに……」

「まぁまぁ、そう慌てんでもいいじゃないか、わっははは~」

 亀山が割って入った。

「実はな、相川君は君に前から惚れていたらしくてな……、ぐっひっひ~」
「……」
「これは報酬だ、受け取ってくれ!」
「……報酬?」
「そうだ、100万入ってる!わっははは~」

 亀山の背後に立っていた相川は、薄ら笑いを浮かべていた。

「どういう意味ですか?」

 藍子が冷静に問いかけた。

「はっきり言おう!今日は3プレイだ! ははは~、いいだろう?」
「……」
「二人の男と仲良くするだけで100万だぞ!悪くないだろう!わっははは~」

 亀山は、100万円が入っている封筒を藍子に差し出した。

「わかりました、お願いします……」

 藍子は小さくうなずきながら答え、そっと目を閉じた。


「さすが先生、決断が早いですね~!」

 これまで言葉一つ発しなかった相川が、口を開いた。
 そして藍子に歩み寄り、肩に手を掛けた。

「綺麗だぁ……、俺、ずっと前から先生が好きだったんだ!」
「あらっ、そうだったの?知らなかったわ」

 藍子は、身に付けていた白のブラウスのボタンを外し、胸部を顕にさせた。

「好きにしていいのよ……」

 そして藍子は笑みを浮かべ、黒のタイトスカートのホックを外した。



「よし、そろそろ始めようじゃないか!」

 亀山が罵声を上げた。

 二人の男は、全ての着衣をゆっくりと脱ぎ捨てブリーフ姿になった。


「先生、服を脱いでここに座って……」

 相川はベッドの縁に腰を降ろし、自らの膝の上に藍子を誘った。

「これでいいかしら?」

 着衣が床に落ち、藍子は下着姿になった。そして相川の正面に立った。

「せ、先生……」

 相川は唾を飲んだ。
 小柄ながらも色白で均整のとれた肉体。
 形状が整った豊満な乳房。
 くびれた腰にサテン系の黒のブラジャーとショーツが、絶妙に調和していた。


 藍子は、一本に束ねていた髪を解き、ゆっくりと相川の膝の上に腰を降ろした。

「せ、先生、、ふっ、ふっ、ふっ、、、先生~~」

 相川は鼻息を荒げ、膝上に座っている藍子の背後から手を伸ばし、ブラジャーの中の乳房を弄った。
 そして豊満な乳房が露骨になり、乳首まで顕になった。


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若き美貌作家真理子さん
人は愛に生き、性に溺れ、時には野心を抱く……
本格的官能小説からスリリングな体験談まで
開設からわずかな期間で投稿作品がいっぱい
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