後編(6) 「やっと…やっと手に入ったわ…私のナツ…ずっと欲しかった…」 そういうと、陽菜は魚月のクリ○リスを縛り付ける紐を、滑車の紐から外し出した。 「今日は最高だわ…素敵なクリスマス…。この紐は外さないけど、少し休ませて上げる。いい子にしていたら痛くしないから安心なさい」 「…何…する気…?」 怯えたように問うと、陽菜はニッコリ微笑む。 「今日からたっぷり調教してあげるわ。大丈夫…そんなに時間はかからないから」 そう囁いた陽菜の笑顔は見たことないほど無邪気で、美しくて、残酷だった。 *--- あれからどれくらい時間が過ぎたのだろう。 体には毛布をかけられている。 両手両足をベッドに繋いでいた縄は解かれたが、替わりに両手を後ろ手に手錠で拘束され、枕元から首輪と鎖で繋がれている。 陽菜に眠るようにいわれたが、始めはとてもそんな気にはなれず、ボォッとしていた。 陽菜は、魚月が動けないよう拘束した後、瑠璃を連れて部屋をでていた。 逃げられるチャンスかもしれないと思ったが、腕の手錠をせめてはずさないと動けないし、縛られたままのクリ○リスがとても集中させてくれなかった。 眠れるはずがない状態なのに、うつらうつらとしてきたのは結構たってからだった。 甘い香が漂って来て、アロマか何かなのだろうと放っておいた。陽菜の家では珍しくもないからだ。 それが睡眠作用入りだったことなど、魚月は知るよしもなかった。 *--- 目が覚めると、そこは大きなホールだった。 魚月の体の拘束はなくなり、床に倒れていた。赤い絨毯の上で横たえた体に衣服はなく、唯一眠る前と同じ拘束はクリ○リスの紐だけだ。 「ん…ここ、は…」 「おはよう。ナツキちゃん」 聞こえた声に体を起こす。 そこには、柔らかく微笑む魔御がいた。藍色の髪が揺れ、その中性的な顔立ちは幾分か楽しそうだ。 「あ…貴方は…」 「君はこれからここで調教を受けるんだ。時の経たないこの屋敷でね」 「ぇ…」 一体何を言っているのか、魚月にはわからなかった。だが魔御はそれに構わず魚月の髪を撫でる。 「可哀相だけど…僕らの調教からは逃げられない。君の体感時間としては、一週間もあれば終わるだろうけど…」 「ちょっと待って! 一体…」 「質問は許さない。ここでは君は商品だ」 魔御がそう体を上げ、指を鳴らす。途端、魚月の体に縄が掛かる。 「ヒッ…!」 「…楽しんだ方がいいよ?」 魔御の目が細められる。 そうして調教が始まったのだ。 *--- 「…ねぇ、姉さん。やっと願いが叶うのよ?私の願いが」 魚月を部屋に置き去りにした陽菜は、自室で瑠璃の体を弄んでいた。 たわわな胸を揉みながら、自分の足を舐めさせている。 「ふふふ…欲しい物はなんだって手にいれてやる…姉さんも…ナツも私の物よ…」 「……。」 その足を舐めながら、瑠璃は視線を落とす。もう戻れないのだと、今更ながら感じたのだ。 「今夜が楽しみ…海斗さんにナツをもう一晩泊めると…後で連絡しないと」 陽菜の気持ちは、すでにこれからの魚月への調教でいっぱいだった。 愛しい彼女をどういたぶるか。 彼女の悲鳴や涙を想像するだけで興奮が納まらない。 現にさっきの彼女の降伏にとてつもなく感じた自分がいた。 「可愛い私のナツ…きっと素敵な奴隷になるわ」 楽しげに言うと、陽菜は電話の子機を取り海斗にかけ始める。 彼女の望みが、あと一歩というところまできていた。 前頁/次頁 |
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