第6話 「いい反応だよ。可愛いね」 あぁぁっ、指のお腹でよしよしって、乳首を両方とも可愛がってる。乳房の内側にどんどん快楽が詰まってきて、もう自分でも状態がわからない。 な、何だこの『何か』は――。 何かはわからないけど、この『何か』はもう快感と呼ぶしかない。それが私の全身にしつこいほど循環して、腰がくねくねと動いてしまう。お尻が少し浮いてしまう。シーツもギュっと鷲掴みにしていると――。 「すごく幸せそうになってきたね」 友田くんは嬉しそうにそう言った。 ええっ、友田くんが喜ぶの? 今の私を見て? 今の私って、どうなってるの…………。 「そのまま、そのまま、頭を真っ白にしていって、気持ちよくなることだけを考えて?」 「えうっ、んむぁ……っん!」 「春野さんはもう凄く濡れているよ? アソコの部分にオイルとは関係のないものが出て、ヌルヌルなのが見ただけでわかるから」 「いやぁ……わたしそんなに……あぁぁ……!」 あっ、アソコの状態なんて……。 駄目駄目! もう恥ずかしくて考えられない! 「好きなだけ感じてごらん?」 「あぁぁ……ふっ! ひむぅぅっ、んぅ……!」 今まで指先オンリーだった愛撫が、手の平べったりとなって私の腹を這い回る。軽やかなフェザータッチが、オイル濡れの皮膚の表面をするする滑り、わき腹から肋骨へと、そして胸を軽く揉む。 優しく扱う指の圧力で、ふわっと軽やかに包んで離す。 指でコリコリと乳首をつまみ、刺激の強さに肩が浮いたり首がよれたり――。 「いっ、うん……!」 「可愛い声にはもっとサービス」 ――ちゅっ。 き、キス!? 私のおでこにそっと唇が触れていて、さりげない一瞬で離れていった。 「友田くんってば……!」 「びっくりした? 今の表情もキュンとしたよ」 友田くんは私の両耳を掴み、親指で撫で回す揉み方を行った。 「もおっ、変なことばっかり――」 「そういう店に来たのはどこの誰かな?」 「そ、それは……」 「アソコも変なことになってるし、いっぱい感じてくれて嬉しいな」 友田くんの動く気配がしたと思うと、おそらくベッドを降りて脇に動いた。 ……次はどうするの? 物音がなくなると、私には暗闇しかないからわからない。今一番よく聞こえている音といったら自分自身の心臓だ。もうバクバクいっている。全力疾走したみたいに荒れた呼吸が私自身よくわかる。 最後の一枚を脱がそうと――。 「んひぃ……!」 友田くんの手が紙ショーツを掴んでいた。 「NGって言わないと、ここもメチャクチャにしちゃうよ?」 私には悪魔の囁きにしか聞こえない。 だって、こんなに火照った体を放っておかれたら……。 「え、えぬ…………」 それでも、やっぱり恥ずかしい。 アソコを見られてしまうだなんて、どうしても考えられなくて、私は震えながら口にしかけていた。 「本当にいいの?」 「うぅ……」 「いっぱいサービスするんだけどな」 ど、どうしよう……。 私は……ええと、でも……。 「ほら、今のうちに決めないと間に合わないよ?」 肌の上からずれる感触で、紙ショーツに隠れていた下の毛が、ほんの少しだけ見えているであろうことが私にはわかった。 「あっ、あぁ……わっ、わたし…………」 それでも、数秒間は待ってくれていたと思う。 だけど――。 「はい。時間切れ」 意地悪な悪魔がいかにニヤっと微笑んだか。 声だけでわかるほどだった。 「あぁっ……!」 私の全てが曝け出された。 「隠しちゃ駄目だよ」 反射的に動いた私の手首が、友田くんの手に捕らわれる。乱暴ではないけれど、軽い力で掴まれるだけでも、魔法のように抵抗力が奪われて、私はだらりとしてしまった。 「見ないでぇ……」 私に出来るのは懇願だけだ。 「アロマオイルは綿密に広げたからね。ヌルっとした春野さんの全身を包んでいて、かなりエロい光沢がかかっているよ」 嫌ぁぁ……! 説明しなくていいのに! 「だけど、アソコがヌルヌルになっているのは、オイルのせいじゃないね。こんなに感じてくれて嬉しいよ」 友田くんの指先が、私の割れ目を撫で上げた。 「ひぃぃ……!」 電流でも流されたように、ブリッジに挑戦して腹を持ち上げようとしたように、私の腰と背中は高らかにビクっと弾んでいた。 「あーあ、動かれたらマッサージができないよ?」 「ひあっ、そんなぁ……っ! 意地悪なこと――いっ、言われても……んふぁっ!」 友田くんは私の横合いに立っている。 右手の指を愛撫に使い、左手では私のお腹を軽く押さえているけれど、決して強引な力は入れないから、私の腰のくねりは押さえられない。 「駄目じゃない。春野さん動きすぎだよ」 「だってぇ……! 友田くんがぁ……!」 「おっ、おぁ……! お願いィィ……! いじめ……ないでぇ…………」 「あくまでサービスだよ」 「ひぃぃぃああああ――!」 恥ずかしいほど珍妙な声で、私は達してしまっていた。 「あらら、すごい潮だね。僕の服にもかかっちゃったよ」 「うそ……私……ごめんなさい……」 「いいんだよ? まあ、お仕置きはしておこうか」 ぐっと、急に押し付けが強くなったと思うや否や、私の割れ目に友田くんの指が挿入されていた。 「そっ、そんな――」 「もう一回、イってみようか」 指の出入りに逆らえなくて、もう私は滑稽な踊りのようにお尻を浮かせ、腰をくねらせていたと思う。 噴き出す潮が、私自身のお腹にかかってきた。 ビクン、ビクンと、全身の筋肉が痙攣して、「またイったね?」と聞こえてきた。 指が二本に増えていた。 もう頭が真っ白で、嵐のような気持ちよさの中で、散々喘ぎ尽くす羽目になったとしか言いようが無い。 はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…… わたし、何回イっちゃったの? 凄かった。 もう色々と、凄かったと友達には伝えておこう。 絶頂地獄が終わったあとも、まだ少し時間は残っていた。 さすがに手加減してくれたけど、何というべきか、気がついたら背面座位のようにして、私のお尻は友田くんのあぐらの上に乗せられていた。体重を後ろに預けると、背中には良い胸板の厚みが接触してきた。 「春野さん。いっぱい感じちゃったね」 友田くんの顔が後ろから、私の耳のあたりへ降りてくる。 甘みのある声が至近距離から、耳の穴がくすぐったい。 「ねえ、なんか想像を絶するんだけど」 「それくらい幸せになってもらえれば本望だな」 胸にお腹にアソコまで、残り時間をかけての愛撫で、私は子供のようにあやされていた。どんなに濡れたか、愛液を指に絡め取られては直視できずに目を背け、そんな私の反応を可愛いなんてからかってくる。 終了後は―― 着替えのあとにドリンクを用意してくれた。 「たくさん濡らしたから、水分補給をしておかないとね」 という一言付きで。 ああもう、気持ちよかったよ。 「よければ次も来て頂戴ね。挿入サービスもあるから」 そ、挿入……。 いや、まずリピート自体をどうしよう。 なんということか、行く行かないで迷っている自分がいた。 完 back |
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