<第1話:手紙>

2015年7月8日、熱帯のマレーシアはクアラルンプール国際空港。
夜も更けた22時過ぎ、JIA(日本国際空輸)成田行に乗ろうと、搭乗口に乗客がボチボチ集い始めた通路を、制服を着た一団、そうJIAの乗員が通り過ぎて行く。
その一団に、笑顔で会話を交わしながら通り過ぎる二人の若い女性がいた。
二人ともスラっとした体形で、首にブルーのスカーフを巻き、半袖で濃紺のワンピースに包まれ、膝頭まで伸びたスカートの裾から黒くて透明感のあるストッキングに包まれた綺麗な脚を見せている。
足許には5cm程のヒールがついたパンプスが光っている。身長は165cm程であろうか。お互い若いが先輩後輩という感じである。
年上の女性は、後ろ髪を巻き上げ、大きめの瞳はブラックのアイラインとマスカラがしっかりと施されており、キリっとしたクールな雰囲気を持った女性である。
年下の女性は、後ろ髪を団子風に纏め、目元が目が大きくパッチリとしており、上品で可愛らしい女性という印象を与える。
異なる雰囲気を持つ二人だが、スタイルが良く、凛とした美しさを持った立ち居振る舞いは、若いながらも流石才色兼備のCAという雰囲気を醸し出している。

二人が搭乗口に入ろうとする直前、時を同じくして二人が自分の足許を気にする仕草をとった。
年上の女性は、後ろを振り返って自分の右ふくらはぎに視線を送り、年下の女性は、靴のハマりが悪かったのか、一瞬立ち止まって靴を履き直すような素振りを見せた。
周囲が気付かないような一瞬の出来事である。そのまま流れるように他のクルーと共に機内へ入っていった。

時計も23時を回った頃、乗客を乗せた飛行機のエンジンが唸り始めた。いよいよ成田に向かって出発の時刻である。
搭乗口で並んで歩いていた二人は、夫々機内最後尾のギャレーを挟むように、黒い美脚を斜めに綺麗に下して扉脇の席に座って離陸に備えている。

進行方向左が先輩。彼女の名前は高橋恵27歳。新卒で入社して5年目のCAである。
反対側が後輩。吉永香織23歳。入社2年目で、今回がクアラルンプール線初乗務である。とは言え、この時期で既に国際線乗務というのは相当早い。

恵は昨年一新された制服が気に入っている。
半袖で濃紺のワンピースは襟から胸にかけて白で縁取りされており、ブラジャーで山を形作った胸の下は赤いベルトがウェストを引き締める。
スカートは前から見るとタイトスカート風だが、後ろ側に襞があり、作業がし易くなっている。
デザインする時に現場の意見を取り入れたと聞いているが、まさしくその通りなのであろう。

今回のフライトは国際線仕様の中型機で、エコノミークラス最後尾ギャレーがポジション。主に香織と二人で後方左側の乗客の世話をする。
フライト時間は約7時間。香織とは往路に続いて2度目のペアである。
2年目とは言え、この時期で既に国際線乗務をしているだけあって、香織はかなり優秀だ。安心してペアを組める。

恵は、離陸に向けて着席している間、この後の業務に備える為、ブリーフィング時にとったメモの束を胸ポケットから取り出して読み始めた。
その途中、視線を向けたままの手元、一番上のメモが見慣れない4つ折りの紙に差し替わった。目の前で突然現れたのだ。
あれ、こんな紙あったっけ?恵は戸惑いながら紙を開いた。A4サイズの便箋に文字が並んでいる。
便箋?誰の字だろう?

(前略)親愛なるCA様
巻き上げた後ろ髪素敵ですね。夜会巻って言うんでしたよね。うなじ襟足までしっかりスプレーやヘアピンで整えられ、見事な髪型に魅せられてしまいます。
毛穴が見えない程に化粧がしっかり塗られ、アイメイクもバッチリ決まり、口元も鮮やな赤色が光り、キリっとした素敵な雰囲気が出てますよ。
ウェストも足許もしっかり引き締まっていて、スタイルの良さが窺えます。凛として気品ある美人CA様の代表みたいな素敵な方ですね。
特にスカートの裾、膝から下に伸びる黒くて美しいパンスト脚と、それにポイントを添える5cmヒールの黒光りするほど磨かれたパンプスは魅せますね。
こんな脚が目の前にあったら、捕まえて食べたくなってしまうくらい、最高に惹かれる美脚をお持ちですね。
さて、そんなお姉さんに5つの質問があります。夫々答えを書いて、胸ポケットに戻しておいてください。
(Q1)素敵なパンスト脚、乗務中に触らせてもらうには、いくら払えば良いですか?
(Q2)触るだけじゃなくて、機内でゆっくりとしゃぶらせてもらうには、いくら払えば良いですか?
(Q3)脚を包んでいる黒くて薄い布、フライト中に破らせてもらうには、いくら払えば良いですか?
(Q4)乗務に必須の黒パンストに隠されたお姉さんの生脚、ゆっくりとしゃぶらせてもらうには、いくら払えば良いですか?
(Q5)今日のお姉さん、そもそも機内に何着の予備ストッキングを持ってきていますか?
以上5点、素敵な答えを待ってます。(草々)

何だこの手紙は!?誰が何時どうやって私の目の前に現れたのか?私が視線を向けてるその場で現れるなんて。
そう言えば、フライト前で忙しかったため、知らぬふりで放っておいたので忘れていたが、機内に入る直前に右ふくらはぎが妙に湿っぽくなって気になった事を思い出した。
恵は困惑しつつ、周囲を見回したが、ギャレーを挟んで反対扉に後輩の吉永香織がシートベルトを締めて座っており、乗客はシートベルトを締めて座っているだけで、他に人気は無い。
どういうトリックを使えば、こういう芸当が出来るのか。何もかも「?」だらけであり、恵は薄ら寒くなってきた。
しかし今の私が何かできる訳では無い。フライト中は普段以上に回りの動きに注意をしなければ。この手紙の主が、また何か悪戯をしてくるに違いない。
大体こんな質問されて答えられる訳がない。恵は手紙を元通り4つ折りにし、他のメモと一緒に胸ポケットに戻した。
恵にとって、悪夢以外の何物でもないフライトが開始された。しかし、この時点で何が起こるか、それを本人が知る由もなかったのだが。


進む



画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」CAアンリ様からお借りしています
(原寸より縮小しています)






























表紙

投稿官能小説(3)

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