<第27話:玄関ホールという密室>


「ガッ!」

けたたましい音を響かせながらパンプスのヒールが床の上を滑った。必死に脚を窄める祐佳の足元を、幸雄の靴先が内側から蹴ったのだ。
脚を開かれまいと堪える祐佳であったが、輝くほど見事に磨かれた大理石の床である。ピンヒールのパンプスで踏み堪えられる訳がなく、幸雄の靴先が当たる度にグラグラと揺れながら白く光るエナメルレザーが外へ外へと押し出されていった。

「いいザマだな。カッコよくキメたエナメルパンプスなんて、こうやって蹴飛ばされれば踏ん張ることも出来ないだろ。アンタも所詮は他の女と同じなんだ。ほらほら、美しいおみ脚がどんどん開いていくぜ。」

小馬鹿にしたような言葉を浴びせつつも、幸雄の靴先は何度も何度も祐佳の細くて黒いヒールを蹴り、その度にパンプスがズルズルと床を擦りながら外へ外へと開いていく。
あれよあれよという間に、祐佳の美脚は股間を頂点とする二等辺三角形を作らされてしまった。しかも幸雄の右手はずっと彼女のアソコをパンスト越しに撫で続けている。

「おやおや。パンストちゃんが湿っぽくなってきたぜ。もしかして、こん中はもう濡れちゃってるってか?」

強制的に股を開かされた祐佳には、股間を揉む幸雄の右手を阻む術が無かった。

「い、いやぁ~っ!も、もう、、、止めてぇ~っ!」

大きな悲鳴と共に祐佳が幸雄に体当たりした。

「おぉっ!」

捨て身になって当たったのが良かった。予想外の力に怯んだ幸雄が後ろによろめく。
その隙を見て祐佳がリビングに向かって走り出した。ガツガツという激しいヒールの音が早いリズムで玄関ホールに響き渡る。ゆったりとした優雅な音ではない。襲われた女が慌てふためいて駆け逃げる悲鳴のような音である。
リビングの入口まで走った祐佳がドアノブを捻って扉を開けようとする。が、今度はドアが開かない。何度もノブを捻るがピクリとも動かない。

「開けてください!社長!お願いです!早くここを開けて!助けてぇっ!」

左手を握り拳にしてドンドンと扉を叩き、右手でガチャガチャとノブを捻る祐佳。涙声で必死にリビングにいるであろう太郎に叫ぶも、何ら反応が無い。

「おや及川さん。社長さんに捨てられちゃったみたいだね。ってコトは正真正銘アンタはナビゲーターから俺を楽しませるための商品に堕とされちゃった訳だ。
 いいザマだ。白スーツにエナメルパンプスでキメたまま、必死にドアを叩いて助けを求める後ろ姿、最高にそそるぜ。」

幸雄の声にハっとして振り返った祐佳。恐怖に怯え、扉に背中をつけて震えながら涙目で幸雄を見つめている。

「ち、違う。。。わ、私は、、、しょ、商品じゃない。。。だ、ダメ。。。私に近寄らないで。。。」

目の中に湛えた涙がラメの効いたアイシャドウと相まって輝き、グロスを効かせて赤く彩られた唇を震わせながら必死に哀願する祐佳。
ベージュのパンスト美脚はガクガクと膝を震わせ、足元を彩るオフホワイトのエナメルパンプスもグラグラと揺れている。既に彼女は真っ直ぐ立っていることすら出来ず、背中を扉にべったりつけて震えていた。

「商品じゃない?い~や、商品だよ。俺にその身体を提供するために、そこの扉は開かなくなったんだ。ダウンライトに煌々と照らされる見事な密室が出来上がったじゃないか。
 バッチリとメイクをキメて、白スーツに身を包んで、美しいパンスト脚とエナメルパンプスをライトに反射させて、正しく俎板の上の及川祐佳ってヤツ(笑)
 さ~て、何処から食べて欲しい?顔か?ボディか?それとも脚?、、、決めた!先ずは美味しそうなパンスト脚をいただいちゃおう。」

目の前で震えて立つ祐佳を、品定めでもするかのように頭から足先まで何度もジロジロと見ながら呟いていた幸雄が、獲物に狙いをすませた獣のような動きで祐佳に急接近するなり前屈みになり、右手で彼女の左足首を掴み上げた。
突然片足を掴み上げられた祐佳は立っていることが出来ず、背中を扉に擦りながら崩れ落ち、その場に尻餅をついた。そうやって床に崩れ落ちた祐佳は、左足だけが幸雄によって持ち上げられている。

「だ、ダメ。。。や、止めて。。。やだ~っ!止めてぇーーーっ!」

大声を上げ、必死に抗う祐佳。しかし磨かれた大理石敷きの床では踏ん張りが効かず、左足首を持って歩く幸雄によって真っ白い石の上をズルズルと引きずられていった。
どうあっても幸雄の動きを阻めず、必死に足掻く祐佳は無様な姿で床の上に這いつくばりながらも結局は引きずられ続け、タイトスカートも完全に捲れ上がって、足先から付け根までパンストに包まれた両脚を曝け出していた。
叫び、足掻き、何とか逃れようとしつつも自慢のパンスト脚を引っ張られ続けた祐佳は、あれよあれよという間に姿見の前に再び引き据えられてしまった。

「ぎゃーぎゃー喚いていた割には何も出来なかったね、ナビゲーターさん。それじゃ、遠慮なく美味しそうに作り上げられたパンストとパンプスの共演を楽しませてもらうよ。いただきま~す♪」

ベージュのパンストに包まれる祐佳の左脚を両手でがっしりと握り直した幸雄が、嬉しそうな声を上げるなり、自分の口元に向けて持ち上げ始めた。
祐佳の腰が床から浮くほどに脚は持ち上がり、エナメルレザーのパンプスに覆われたままの左足は、大きく開かれている幸雄の口に向かってジリジリと引き上げられていく。

「えっ!?ちょ、ちょっとまさか。。。ほ、ホントに、、、だ、ダメ。。。い、痛いっ!」

何と幸雄は祐佳の左足の爪先をパンプスごと食いついた。祐佳の驚きは生半では無かった。まさか自分の足がリアルに靴ごと食べられようとは想像もしなかったのだ。

「痛いっ!お願いっ!止めてっ!ホントに痛いのっ!」

幸雄の歯に噛みしめられ、エナメルレザーがギシギシと音を立てている。間に靴を挟んでいるとは言え、本気で噛みつかれてしまっては痛くない訳がない。
何とか左足を引き抜きたい祐佳であったが、幸雄の両手で掴み取られ、まともに噛みつかれた状態では引き抜くことなど出来ない。しかも腰が浮くほどに脚を持ち上げられているのだから猶更である。ただ叫ぶことしか出来なかった。

「何だ、カッコよく足元光らせてた割には大したことないな。エナメルパンプスに歯形ついちゃったし。及川さんが魅せてた綺麗な足元ってこの程度だったんだ。
 やっぱナビゲーター及川祐佳も密室に閉じ込めて襲っちゃえば所詮はその辺の女と同じってことだな。自慢の美貌もスーツ姿もパンスト脚も見せかけだけか。この程度って分かったら安心して及川祐佳を徹底的に玩具に出来るぞ。」

幸雄が祐佳を見下ろしてニタっと笑った。その顔を見た祐佳は恐怖に戦慄し、震えたまま動けなくなってしまった。まるで蛇に睨まれたカエルのように。



前頁/次頁







画像は相互リンク先「PORNOGRAPH」PORTER RIMU様からお借りしています



















表紙

投稿官能小説(3)

トップページ
inserted by FC2 system