官能小説『父親の面影を追い求め』

知佳 作



桂子(image)





15 育児放棄 美里は父の愛を知らずに育った

 育児放棄と言う言葉は今回に限れば語弊がある。 美里 (16歳) は高校を中退し父親 (40歳) より年上の男 (44歳) の妾として既に1年半ほど前から囲われていたが、母である久美は夫がまともに働いてくれないため家計が成り立たず寝る暇も惜しんで働いていて、幼少の頃からろくに話し相手にもなってやれなかったのだ。 ちょっとした躓きがもとで勉強が追いつかなくなりいじめられたことで疎外感を持ち、その淋しさを紛らせるためか美里は誘われるままに同じ境遇にあったワルと呼ばれるグループに入ってしまっていたのである。 14歳2学期あたりかららしいのだが・・・

久美はこれ (男が美里に淫行を迫る、或いはワルと肉体関係を持つのを) を引き留めることができなかったのである。
なぜなら夫であり父親であるはずの〇〇家唯一の男子である夫が知恵遅れ故初潮が始まった女の子によくある男欲しさで引き留めても仕方ないと思い込んでいたからだ。
学校に送り出した筈の我が子が登校せず男の子たちとつるんで徘徊してると学校から聞かされた時の久美の心境はいかなものだったろう。

ワルが集う地区に夜っぴいて出かけ引き戻しては逃げ出しの繰り返しで疲れ切った久美は仕方なく件の補導員 (中学の美里に手を出し囲った男) の手を借りることにしたのである。

美里は何度も不登校になって保護された経歴がある。
親が子供を顧みる余裕もない家庭に育った美里は常に孤独だった。
その淋しさを埋めてくれたのがワル仲間で、ともに家庭に問題がある不登校児だった。

その美里を補導員 (不動産業者で補導はボランティア) の地位を利用し、相談と偽って当時所有していた賃貸アパートに連れ込んで淫行を働いたのが今回記事にした男だ。
棲み家を与え衣食住の面倒を見て、しかも僅かながら小遣いを与えている。
法に触れる円光と誰もが思うだろうが〇〇家としてはこのことが家系の助け (口減らし) になったのだ。

家庭に問題がある不登校児について〇〇家と (恐らくではあるが) 共通して言えるのは父親はただ単に種馬で育児のことはもちろん、社会面でも落ちこぼれで何でもないことに急に激昂したりする以外妻にも子供にも、まるで夢遊病者のように自己主張なく接し、難題と感じると常に内に閉じこもって黙ってしまっているような男だった。

美里が不登校と家出を繰り返すことを警察と児相が察知しボランティアの担当者があてがわれた。
その担当者自ら違法と知っていながら美里に手を出し囲ったのだ。 つまり児相とは名ばかりの〇ソである。

関係は延々続き、なんとその男は美里が元ヤンたちと隠れて付き合うたびにこれを見つけ出し脅しあげ別れさせ、その恩の代償と称し未発達に肉欲を知らしめようと膣に男の味を何度も何度も教え込んだのだ。

本当の愛情で結び合えるとはどういうことなのか、その感覚が男の執拗な床の要求に徐々に美里から失われていった。

だた、形だけでも同年代の若者と付き合わなければという焦りだけが、友達との会話などを通じかろうじて残った。

美里は一貫して補導員が難癖をつけながら覆いかぶさってくることを拒み続けた。

しかし最終的には本人はもとより〇〇家としても生活費が捻出できず時に工面してもらっていて、断れば警察に通報され自宅に連れ戻すと妙なことを言って脅され仕方なく受け入れ続けたのだ。
事実この頃になると〇〇家では働き手の久美ですら自身の食費も捻出できず、食うや食わずで働き続けており知恵遅れの父親は美里が男から与えられたいくばくかの小遣いを酒・たばこやパチ代欲しさに当てにするようになっていったのだ。

 貧乏人として生きていくのと妾として囲われるのではまるで違う。

身に着ける服だってあの元ヤン連中からすればとても手が届かない高級品ばかり揃えてもらえるようになったのである。
高級品を贈ってはベッドの相手をさせる日々が続いた。

そこは所詮チューボー、受け入れては見たものの大人相手の性行為などまるで経験がなく上手くいかない。 それを補導員はAVビデオを見せながらそれと同じことをすれば上手になれるからと騙し、ことさら未発達の身体を開くよう要求し続けた。

かつて女衒の孫娘好子がそうであったように、悲しいかな回数を重ねるたびに男が願った通り美里の身体は自然体のままでもこの男の要望に応じれるようになっていたのだ。

拒むことがかなわぬと知って逆上し、補導員に馬乗りになって次の行為はどうすればいいかと迫って困らせた。

こういった状態になるのなら愛情込めて相手が納得してくれるまで行為を続けるべきものを所詮自己本位で始めたこと故飽きたら続けないとか、或いは美里が治まってしまったと早合点し止めてしまうなどということを行うと、決まって身近の男と関係も持つため数日姿を消すようになっていったのである。

それなのに相手を務めた男の方が手におえないと苦情方々送り届けに来た。 妻帯者である男は仕込んだ以上役立たずの汚名を着せられたような気になり恥の上塗りとなったことに内心激高ししかし表面は穏やかに、だが凌辱という言葉にふさわしいほどの淫交を繰り返す。
穏やかな声ながら内容的にはしかりつけ、姿を消した間に何をやらかしたか官憲が調べを行うが如く調べ白状させ、またそれを理由に凌辱を交え抱くことが繰り返された。

補導員は地位を利用して何度か同じ年端の女を手にかけたが、これほどまでに妖艶に変貌する女は珍しかったのか性癖が合致したのか、逆に補導員が家族に紹介し妻を差し置いて貸し与えた部屋に泊まり込み溺れていった。
美里を抱く時だけ補導員は漲ることができ、最上級の快感を得ることができ、何時しか妻亡き折は後添えにとまで考え始めていた。

その妻は乳癌に侵されOPしたものの二度も転移していたのだ。
性欲旺盛な補導員は妻が嫌いで美里を抱いているのではない。 美里の裸身をオカズに妻を抱くなどということが既にこの頃は許されなくなっていたのだ。
そこで妻公認の 同い年になる我が娘公認の妾に美里を饐え安アパートで囲ったのだ。

男が女に溺れると隙が生まれる。
これ以上最良なるものなどありはしないという自信が墓穴を掘った。
それが先ほどのワル連中との度重なる浮気であり同い年程度の実の父親に知恵の部分にみ類似した男を見つけだしての結婚であった。

何処で、しかもどんなきっかけで知り合ったかはわからないが、多少足りないかなと思える男を見つけ父親に宣言し補導員が強引な態度に出る前に父親の許可と言い張って入籍を約束し妾宅を出て新たに部屋を借り同棲し始めた。

賃貸のアパート家賃はもちろん家財道具一式その全てのお金の出どころが補導員ということもあって、そのことを恩に着せ同棲後も美里たちが住むアパートに補導員はあしげく通い美里達カップルのベッドで何かと屁理屈をこね関係を続ける一種異様な性生活が始まった。

囲われたときもそうだったが結婚に至ってなおのこと思いつきだけは立派なのに計画性は全くなく支離滅裂。 双方とも貯蓄は全くと言っていいほどなかった。 それら全てを補導員が肉体関係を続ける代償に肩代わりした。

同棲中の男は美里以外女を知らない。

それを美里は補導員から教わった通り手取り足取り男に仕込んでようやく夫婦生活のような閨の形が整った頃最初の妊娠を知る。
それで男は婚姻届にしぶしぶサインをした。 結婚には妻となるべき女が部屋に男を連れ込んで淫交を働いていることを知っていたことから不同意ながら職域 (介護リーダー) での責任上孕ませたからには不承不承サインせざるを得なかった。
なぜなら夫である自分が仕事で留守にしている間に補導員が押しかけ付き合う前と同様、いやそれ以上熱心に自分たちが使うベッドで性行為をやらかしており胤が自分のものだと確証がこの時は持てていなかったからだ。 しかしながらこのことを理由に職を失いたくなかったのだ。

彼女もこの頃になるとオンナが芽生え始めていて補導員が上手に迫ってくれてそれが女として頃合いの日であればむしろ進んで受け入れ楽しんだのである。 複数の男から迫られたりすれば子宮はそれ相応の態勢をとる。 受胎しやすいよう肥厚する。
美里が悩んだのは孕んだ子供がどちらの男の胤だったのかわからなかったことだ。
だから妊娠を知った時、補導員に相談を持ち掛けその指示を受け補導員指導の元生まれ来る子供の認知の件もあり強引に同棲中の男にサインさせ婚姻届を補導員と美里が連れ立って市役所に出かけ提出した。

受胎し安静にしなければならない時期に補導員から認知で、いや補導員からすれば胤の主が誰なのかやいのやいの言われ美里は荒れた。
あれほど至れり尽くせりの生活を送らせてやったのに、たかだか同棲した男と子を孕むほどの行為を繰り返したのかと問い詰められたのだ。
補導員からすれば寝取られだったのだ。

腹がぷっくりと膨らんだ様子を見るにつけ補導員は居たたまれない気持ちになってしまったのか暇さえあれば懇願しラブホに連れ込んだりした。
夜の生活は慎むように言われたにもかからわず補導員を相手に暇さえあればあらんかぎりの体位を駆使させられ寝た。
孕むと女性の胎内もそれ相応に変化する。

その変化がこれまた堪らなかったのか補導員は無理な体位をさせ、美里にもその部分を見せつけつつ行為を繰り返すなどしたのである。
同棲?結婚?した男と妊娠を機に安静にという名目のご無沙汰だったこともあり美里は補導員にしがみつくようになった。 そしてある日腹痛を訴え病院に出向いたが時すでに胎児の心音が聞こえず、エコーで診ても動いていないように思えると言われ、尚のこと補導員を安全だからとだまし迎え入れた。

ここいらが育児放棄され育った恐ろしさだと思うが・・・

予定日近くなってこのままでは危険と忠告され手術で胎児は取り出された。 妊娠2ヶ月頃心停止になったと思われる黒ずんだ小さな塊をOPで摘出するも結果は・・・当然だった。

入籍した旦那もだが実の父親はもちろん補導員もこの死産に別段表情を変えることもなく気落ちする美里を前に処理だけが淡々と行われたのである。
唯一悲しんでくれたのが美里の母である久美だった。

手術の前に説明を受けた内容を結婚したばかりの旦那に告げようとしたが、旦那はゲームに夢中で話しもろくに聞いてはくれなかったという。
普通に考えれば腹立たしさで腸が煮えくり返るものをゲームをすることで堪えたとみるのが正しいような気もするが・・・
それすら理解できないふたりだったのだ。

旦那が在宅中に補導員を呼び寄せ、給料が足りなく食費にも事欠くと旦那に難癖をつけ補導員を買い物に連れ出し旦那の目の前で全額補導員に払わせ恩を売るような真似までし、補導員との関係の正当性を主張してみたりもした。

足りない旦那は益々拗ねた。 こうして不思議な生活が続いたある日、美里は再び懐妊した。
年子の懐妊だ。

今度ばかりは旦那と行為を持つ日を計算し、それ以外で補導員とする時はゴムを使わせたし、終わった時にゴムの中身が漏れていないかまで確かめたから旦那の子と確信がもてた。

ゴムを使わせ始めたのは最初の子が死産と知ってその間なにがなされていたかを悲しみのあまり問いただし知った母親が補導員にゴム装着をお願いしたからだった。
胎内が補導員無しではおれない状態になってるのを母の久美は知って、敢えてお願いしたのだ。

こうして無事に女の子を産んだ美里は一生懸命子育てをした。
補導員も子育てに一役買った。

子供は元気でとても利発に育った。 子育てを幾たびも旦那に補導員に成り代わってやってくれるよう主張したが、残念なことに理解するほどの知能はなかったのだ。

子供はゲーム以下の存在としか感じない旦那とはいつしかベッドを共にしなくなり、欲しくなると補導員を呼び寄せ行為を持つようになっていったのだ。

子供は育つに従い当然だが父と補導員の区別がつかないような発言や行動をとるようになっていき、旦那はますます家に帰りたがらなくなり生活に必要な給料も一切入れなくなっていった。

だが、子供にはますます手がかかり出費もかさむようになった。 悔しいことに補導員に頼り切り専業主婦然としていたから生活に必要なお金がまるで工面できない。 補導員がお金を出すときは決まって身体を要求してくる。

父親に言おうにも旦那以下の知能しかないしましてやまともに働こうともしないからお金がある筈もない。 当然のように補導員に頼めと言ってくる始末。 それが疎ましくてたまらなくなっていた。

自分の父親より5歳も年上の、しかも運動もろくにしないので腹の出た初老の男が欲しくもないときに勃起しないからとサービスさせられ、多少でも雄々しくなると自分勝手に中に出しサッサと萎えたモノをしまってしまう。

熟し切った女にとって煩わしいからと断りたくても実の父ですら良い男の妾になれたと頼っている補導員を自分もそうなら○○家も生活がかかっているからどうしても裏切れない。 鬱々とした日が続いたある日気晴らしにネトゲを始め若さゆえはまった。

ネットの上ながら若い男たちと知り合う機会が増えメール交換も行うようになっていった。

もともと同年代の利発な男性と関係を持ちたいと常々願っていたこともあり、ネトゲで知り合った男に誘われたのをよいことに出逢ったその日に口説き堕とされ離れられないほどの深い関係になっていった。

その男と数か月間、密やかに関係を持ち続けたが、困ったのは家に残してきた子供のこと。 欲望処理が終われば早々に帰らなければならないが補導員に散々仕込まれ女として男が必要になっていてしかもそこを延々刺激された後でありそれができない。 ひたすら若くて逞しい男が心理的にも胎内も欲しい年齢になっていたのだ。

美里は学校もろくに出ていなく一般常識としての知恵が相当足りない。 男に相談すると子連れでも大丈夫だと言ってくれたのでホテルにも子供連れで入って我が子の目の前で肉体関係を持つようになっていった。

美里の性癖で特徴的なのは自分が躊躇った時に無理やり開かれると逆上し、卑猥の度合いに見境が無くなるところだった。 それがホテルで子供を目の前にし交わったことで表面化した。 男は面白がり異様に興奮してくれたのだ。 これが美里をして男と離れられなく原因となった。

ある日男は美里を誘う際にもっと卑猥にさせ快楽を味わいたくて、それも噂に聞く補導員とやらに輪をかけモテたくて子供を自宅に置いて出てくるように要求した。

男が欲しくて仕方なく、捨てられるのが怖かった美里はこれに従い3日間自宅を開け男と快楽にふけったのである。

放置され泣いている子を見つけたのは不幸なことに補導員だった。

警察沙汰になり、美里は裁判所での調停の末親権を放棄することが条件で慰謝料や養育費を払う条件無しに離婚が成立した。

そのまま家に帰ることなくネトゲの男を頼って家を出た。

子供は旦那が引き取り、知恵が回らない旦那に代わって年老いた母親が面倒を見た。

美里は時々子供と出会うことが許されたが知恵がついてくると外に男を作って子供を放置し出て行ったことを咎められはしないかと怖くなり、徐々に疎遠になっていったのである。
もちろん一緒に暮らし始めた男と夫婦同然の性活を続ける間にお腹が大きくなり、それを見られるのがイヤだったのも出会えなくなった原因のひとつでもあるが。

ネトゲ男は亡くなった父親が持っていたアパートに家賃を払って住んでいて、美里もそこに押しかけという形で落ち着いたがアパート経営をしているにもかかわらず兄は無職の居候で母親は生活費を捻出するために縫製工場に働きに出ていた。

妹は他府県に住んでいたが、これも旦那が働かず云々という理由でほどなくして一家あげて実家に舞い戻ってきた。

一緒に住んでわかったことは旦那が働かないだけじゃなく、子供がいるにもかかわらず妹はしょっちゅう男を働きもせず変え遊び歩く典型的な不倫女房だったのだ。

ネトゲとふたりっきりの生活をエンジョイするはずだった美里は今、その実の母久美とさして年が違わない母親とふたり 必死に働いて生活費を賄い育児放棄された子を育てている。

当然、実の子と違って生まれ育ってこの方まともな教育も愛情も与えていない子供が普通に育つわけはない。
逢わすわけにはいかないその父親自体信じ切っている育ての父親と違うし住む環境までもがまるで違うふたりの女の子。
親しかった元ヤンたちは×5を、さも自慢げに話すというが・・・

時折その姿を見るにつけ、死んでしまった子ザルを手放せなく 腐敗が始まっているというのに大事に抱く母猿を見ているようで身につまされる。

※ お断り:本来ならこの文章は 「女衒の家系に生まれ 高原ホテル」 に掲載すべき内容ですが 「父親の面影を追い求め」 という点では類似してますのでこちらで紹介することにしました。



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<筆者知佳さんのブログ>

元ヤン介護士 知佳さん。 友人久美さんが語る実話「高原ホテル」や創作小説「入谷村の淫習」など

『【知佳の美貌録】高原ホテル別版 艶本「知佳」』



女衒の家系に生まれ、それは売られていった女たちの呪いなのか、輪廻の炎は運命の高原ホテルへ彼女をいざなう……

『Japanese-wifeblog』










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