第10話 人類滅亡?

 意識のないマヤも次第に戻ってきた。
「う、うー!」呻き声も上げている。
「マヤ、マヤ!」岸川は堪えきれず、マヤの乳房を掴み撫でだすと「か、神様。会いたかった!」マヤの意識が完全に戻り、マヤの手も岸川を抱きしめていく。

 「岸川君、楽しみは後にして。それよりも服を着せないと」
「そうでした。マヤ、ここは僕たちの世界なんだ。意味わかるよね?」
「言う通りにしろと、おっしゃるのですね?」

「そうだ。まずはこれを履くんだ。立ってからだ」白いパンティを手渡した。
「こうね?」
「違う、こっちが前だ。ここが目印だから覚えるんだ」言われた通りにパンティを履いた。

 「恥ずかしい。割れ目を隠すなんて、恥ずかしい!」
「この世界では、好きな人以外に割れ目を見せてはいけないんだ」
「だったら、神様が好きだから、いいんでしょう?」
「見せるのは2人きりの時だけだ。だから、今は隠せ。それからこれも着けろ」ブラジャーを手渡して、着けさせようとするがうまく行かない。

 「岸川君、手伝ってあげないと…」見かねた猪瀬が言う。
「そうでした、初めてですからね」岸川は乳房を掴み、カップに仕舞い込んでいく。
「わかったか。今度は自分でやってごらん」ホックを外して脱がせた。

 「やってみます」マヤは自分でホックを止め、カップの中に乳房を押し込んだ。
「今度はこれだ」シャツ、ズボンと履かせていく。
「マヤさんだね。あなたの親は誰かね?」
「アヤです。でも、嵐の日に亡くなった…」

 「アヤだね。間違いないね?」
「はい、間違いありません。所であなたも神様ですか?」
「違うよ、僕は猪瀬五郎というんだ」猪瀬は動揺し(名乗りたいけど、名乗ったら混乱させてしまう…)そう考えて黙り込んだ。

 「マヤ、どうしてここに来たんだ?」
「追放されました。産んだ子が神様と同じ物を持っていましたから…」
「割れ目が無かったのか?」
「はい。神を冒涜したと言われて、追放されました」泣きながら言うマヤだ。

 「子供はどうした?」
「火の山に、生け贄として捧げられました…」
「そうか、生け贄か。女王はどうなった?」
「マミがやっています。私には行くところが無くなりまして、神様の後を追ってきました…」

 「わかった、マヤ。これからは一緒だぞ」
「はい、神様!」2人は猪瀬がいる前で唇を重ね合い、そんな2人を猪瀬が見守っている。

 「猪瀬さん、マヤですが、戸籍は何とかならないでしょうか?」
「心配するな。俺に任せろ。それよりも戻らないと」
「そうですね、船を呼びますか」無線で連絡する岸川だ。

 岸川と猪瀬は急いでテントを片づけ、その間もマヤは岸本から離れようとはしない。
「マヤも手伝います」
「そうか、それだったら運んでくれ」「はい!」マヤも片付けをしていく。

 そこに船が現れ「あれ、女性がいますが、どうやってここに?」怪訝な顔をしている。
「天から降ってきたんだよ」
「あははは。天からですか…」笑う船主だ。

 荷物を船に積み込むと、島から沖縄本島へと向かう。
「怖い、神様!」「大丈夫だよ、マヤ」岸川は怯えるマヤを抱きしめている。
3人は沖縄から飛行機に乗って東京に戻ってきたが「空を飛んでいる!」信じられない出来事に驚くマヤだ。
「マヤ、これからは色々な事があるが、堪えられるよな?」
「はい、我慢します」言い聞かせる岸川だ。

 3人は真っ先に猪瀬の家に向かった。
「お父さん、この子が未来の子ですね?」
「そうだ。綾にそっくりだろう?」
「ホントだ、姉さんそっくりだ。姉さん、来て!」
「あら、私と生き写しだわ」綾と呼ばれた女性も言う。

 「綾には、マヤを教育して欲しい。岸川さんいいだろう?」
「マヤ。この世界で生きていく為には、やらなければいけない事があるんだ」
「覚悟は出来ています…」
「だったら、マヤさんお風呂よ。来て、体を洗わないと」
「お風呂って何ですか?」
「来て、わかるから」マヤは綾に連れられて浴室に入った。

 「服を脱ぐの。服って、わかる?」
「これですね、割れ目を出すんですね?」
「割れ目だなんて!」綾の顔が赤らむが、マヤは次々に脱いで全裸になった。

 「いつもこうですから、楽になったわ…」
「ここは、どうしたの?」綾は絨毛のない淫裂を触った。
「大人になると、こうするんです。割礼して、割れ目を剥き出しにします」

 「割れ目じゃないの。これからは性器と言って。性器よ!」
「わかりました、性器を剥き出しにしていました…」
「わかったわ。はい、体を洗うのよ」綾は丁寧にマヤに教えていく。

 それから1年が過ぎた。
順応が桁外れに早いマヤは、猪瀬の家族の協力で次第に慣れて、読み書きも出来るようになっている。
それに、五郎は勤務している市役所の戸籍を改ざんし、マヤを次女として偽造したが、前々から戸籍があったし、自分の家族だから、周りも気づかない。

 そして、岸川と結婚して専業主婦になった。
マヤは、普通の人と外観は何ら変わらないが、普通とは違った能力があった。
それは、テレパシーだ。

 (岸川さん、今夜抱いて。セックスしたいの)
(僕もしたいから、一杯出すよ。出来てもいいから避妊しないで!)
(わかってます。今夜こそ、作ります)仕事中の岸川と会話していた。

 その夜「あ、あ、あ!」仰向けに寝た岸川に馬乗りになり、マヤが腰を振っている。
「気持ちいいよ、マヤ。もっと早くしてくれ」
「ダメ、もっとしたいから、ゆっくりする」

 「わかったよ。もう1回やるから早く出させろ」
「約束よ。それならいいけど…」
「約束するよ」
「わかった、早く出して」腰の振りを早めていくマヤだった。

 それから数年がたった。
マヤは2人の子を産んでおり、放射能の影響で、恐れていた通りに女の子だ。
「お父さん、ご飯ですよ」「わかった、今行く!」普通の家族と何ら変わらない光景だ。

 だが「7時のニュースです。魚の水揚げ減少は環境ホルモンの影響との報告が出されました…。出生児の大半が女性と発表されました…」テレビでは、連日、生物の異常を報道している。
それに、女子化が止められない事も。

 それは、人類滅亡を意味している事も告げている。
「いよいよ始まったぞ。人類の滅亡が!」
「あなた、どうしたらいいの?」
「そうだ、取り合えず富士山に別荘を買おう。そして核シェルターを作ろう。別荘だと言ってカモフラージュしよう」

 「大丈夫かしら?」
「マヤ、お前は未来から来たんだ。お前の子孫は必ず残るさ。だから、この子達に言い聞かせておかないと」
「そうね、全滅じゃ無いからね」2人はそれぞれ子供を抱きしめた。

 岸川は会社を辞め、全財産を集めて、富士山の5合目近くに別荘を建てた。
「マヤ、見てご覧。こんな風景だったよな」
「ええ、そうよ。あそこが畑だったわ」
「後は食料と、水が問題だな」岸川は考えている。

 そこに「あら、猪瀬さんよ」猪瀬が訪ねてきた。
「岸川さん。私達もここに住ませてください。隣ですがね」
「喜んでお迎えしますよ。猪瀬さんが来られるなら心強いし」
「そう言われれば嬉しいです。確か、あそこが畑でしたから…」猪瀬も岸川と同じ考えだった。

 同じ考えを持っていたのは二家族だけではなく、5家族が相次いで、岸川の近くに頑丈な別荘を造っていた。
「あなた。あの人達も未来を知っているわよ」
「マヤ、心が読めるんだね?」
「そうよ。神様の子孫に間違いないのよ」

 「わかった、聞いてこよう」
岸川は「ホンジャマカの未来を知っていますか?」と1軒、1軒訪ねた。
すると「はい。でも、どうして、あなたがホンジャマカをご存じで?」強ばった顔で応える。

 「私はそこの神でした!」
「やはりそうでしたか。私も最初は信じませんでしたが、父が書き残した予言の全てが、当たっていまして…」
「生き残りましょう。食糧不足で、ゲリラ戦が始まりますから」
「はい、お互いに助け合いましょう!」岸川の働きで7家族は協力を誓い、生き残りを決意し、お互いの家が地下で繋がり、ネットが出来た。

 夕方になって「ニュースよ。集まって!」マヤが叫ぶと、その言葉に7家族がテレビの前に集まった。
「7時のニュースです。アメリカ大陸ではカナダ、メキシコが牛の供給を求めて侵攻を始めました。一方、アジアでは北朝鮮が、食料を求めて中国に侵攻しました…」7家族はテレビの前で黙り込んでいた。

 「始まった。破滅への戦いが…!」
「止められない…。私達だけでも、日本人として生き残ろう!」
「そうよ。そうしないと、お父さんが可愛そうよ」涙を流しながら皆が誓い合った。

 それから十数年が過ぎ、岸川夫婦の白髪が生えている。
それに、あのファイルの通りに、女性大半の世の中になっていた。
7家族は戦争が来ないのを祈ったが、遂に、人類は破滅へのスイッチを押し、核弾頭が主要各地に落ちて世界は核の傘で覆われてしまった。

 「臨時ニュースよ。来て!」見ていた女性達が叫び「何てこった!」「そんな!」悲鳴と泣き声が響いていく。
テレビには、核の傘に包まれる東京、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどが映し出されている。
「う、う、う!」7家族はテレビを見ながら泣き続けた。

 だが、これからが地獄だった。
核弾頭の応酬で、地軸もずれ、さらに、地殻変動が始まって「ゴー!」轟音と共に地面が波打ち、割れ目からはマグマが噴き出している。

 それは生き地獄だった。
マグマは、容赦なく行き場を失った人を飲み込み、ビル、車、作物も飲み込んで行く。
更に、日本列島は一気に沈没を始めた。
地殻変動は日本だけではすまず、アメリカ、アフリカ、アジアなど主要な大陸が沈没、隆起を繰り返している。

 それは5年も続き。地殻変動も治まると次第に、新しい世界ができあがっていく。
「マヤ、見てご覧。これが新しい世界なんだ!」
「そっくりよ、ホンジャマカとそっくりよ!」

 「そうさ、これがホンジャマカの誕生さ!」7家族は外に出て生き残りを誓ったが、体はすでに環境ホルモンに汚染されていた。
それに、放射能の影響で、男性機能が犯され、精子は全て女子の遺伝子しか残されていない。
「繰り返されるんだ。この地獄が!」白髪の岸川は眼下に広がる海岸を眺めて叫んだ。






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