1 覗き見

 
 ある日曜日の朝、玄関に若い青年が現れた。
「おはようございます。由加さんいますか?」
「あら、雅俊さんじゃないのよ。由加、雅俊さんがお見えよ!」
「はーい!」元気な声と共に笑顔の女性が現れた。

 女性の名は島田由加と言い、まだ18才の高校3年生成り立てだ。
「雅ちゃん、上がって、こっちよ」
「おばさん、おじゃまします」
「そんな遠慮は要らないわよ。由加の友達なんだから」笑顔で2人の後ろ姿を見ていた。

 2人の後ろ姿を見ているのは、由佳の母親の直美だ。
直美は、夫の昭次と共に3人で暮らしている。
2人が由加の部屋に入ったのを確かめると居間に戻ってきた。
「あなた、雅俊さんよ」
「由加の彼氏か。いい年頃になったしな」コーヒーを飲みながら言う。

 「でも、心配だわ。間違いがあったらどうしよう?」
「心配するな。由加に限ってないよ。それに、避妊だって、教えてあるだろう?」
「お父さんたら、直ぐにそこに行くんだから。もっと真剣に考えて」
「わかったよ」昭次はバツが悪そうに、コーヒーを飲んだ。
 
 昭次と直美は、由加のことを話しながらくつろいでいると、由加と雅俊が入ってきた。
「一緒で、いいでしょう?」
「2人が、そう言うならいいわよ。座って!」直美はコーヒーを準備していく。
「お父さん、雅ちゃん凄いのよ。今度の大会の選手に選ばれたんだからね」雅俊の腕を掴み、目を輝かせている。
「そんな、選手と言っても控えですから…」照れながら、頭を掻いている。

 「それは凄いや。控えになるだけだって大変なんだからね。会社だって、そうなんだよ、入るだけでも、大変なんだからね」
「お父さん、仕事はいいの。由加の話を聞いてあげないと…」

 「ごめん。所で、雅俊君も一人っ子だったよね?」
「ええ、由加さんと同じです。でも、寂しくはありませんよ、由加さんがいますから」由加の手を握り締めると、由加は顔が赤らんでいく。
それを見て「ご馳走様だわ」笑顔になる夫婦だが、昭次は由加の笑顔とは反対に、寂しさが込み上げてきた。

 4人は暫く話をした後、由加と雅俊は町へ出かけた。
「あなた、2人は似合いの夫婦になるわね」
「そうみたいだね…」
「あなた、嬉しくないの?」
「そんな事ないよ。娘が幸せになるのだから、嬉しいよ」
「そうかしら。もしかして、雅俊さんにやきもち焼いているんじゃないの?」
「バカ言うな、いい加減にしろ!」機嫌悪く、新聞を読み始めた。
「はい、はい。もう言いません」直美は、昭次の気持ちがわかったのか、掃除を始めた。
 
 その夜、昭次は直美を求めた。
「直美、いいだろう?」ネグリジェを脱がしていく。
「いいわよ。あなたが欲しいなら…」直美も昭次のパジャマを脱がしていく。
2人は、全裸になると、唇を重ね、抱き合い、昭次の手が直美の乳房を掴み、撫で始めた。
それに、乳首も吸われ「ん、ん!」呻くような声を上げ、昭次の頭を抱きかかえる。

 「あなた、して…。オチンチンでして…」それに応え、昭次は乳房を掴んで腰を上げた。
「そこよ、そこ…」大きく膨らんだ肉竿を掴み、淫裂へと導き「あ、あ、あ!」肉竿が入り込んでいく。
「直美、凄くいいよ!」ピストンが始まると、直美は背中を反らせ、声を上げ続ける。

 それは、由加の部屋まで聞こえている。
「もしかして、お父さん達が…」気になるのか、爪先で歩いて、夫婦の部屋まで来た。
(こんな事しちゃいけないけど…)悪い事とは思いながら、そっと襖を開くと「!」由加は声を上げる寸前だ。
(セックスだわ。これがセックスなんだ!)直美が昭次に馬乗りになり、腰を振っているのを、見てしまった。

 昭次も、直美の乳房を掴んで、握り「いいわ、凄くいい!」時折、直美が後ろに反り返り、その都度、淫裂と肉竿の結合部が、由加にも見えている。
(あんな太いんだ、お父さんのオチンチンが…)由加は幼い頃、一緒に風呂を入り、萎縮した肉竿しか記憶がなく、勃起したのを見るのは初めてで、ジッと見ていた。
 
 そんな事とは知らず、昭次と直美は、欲望を満たそうとしている。
「あれで、させてくれ…」直美を四つん這いにし、後ろから肉竿でのピストンを始めて「あ、ああ、あ~!」髪の毛を振り乱し、声を上げている。

 (母さんとお父さんが、犬のようなことをしている…)由加には信じられなかった。
普段から温厚な両親が、目の前では獣のように欲望を満たそうとしているのだから、当然かも知れない。
「出すよ、出すぞ!」
「飲ませて。あなたのエキスを飲みたい!」直美は急いで向きを変え、昭次の前に腰を落とした。

 そして、肉竿を掴んで口に含み「あ、あ、あ!」昭次も気持ちよさそうな声を上げていく。
(オチンチンを、なめている…)無意識のうちに震えだした。
「出すよ、出すからな」頭をしっかり押さえ動きを止め、そして、暫く動かない。
「直美、よかったよ」やっと手を退けた。

 「あなた、おいしいわ。久しぶりで…」口元からは、糸を引いている。
(精液だわ、口に射精したんだ…)由加は、汚いのを見るような目で見ていた。
「あなた、綺麗にさせて!」直美は、汚れた肉竿をなおも、なめていく。
(汚いわ。お母さんがあんな事を…)これ以上は見る気になれず、部屋に戻った。
 
 翌朝、由加は機嫌が悪かった。
「どうかしたの?」直美が尋ねても「何でもないわ…」としか、答えない。
しかし「お父さん、一緒に行こうよ」昭次の腕を掴んで家を出ていく。
「行ってらっしゃい!」見送る直美だが、由加の心は読めないでいる。

 「あら、一緒だなんて。まるで恋人みたいよ」腕を組んで歩く2人に、ゴミ出しに来た主婦が声を掛けた。
「由加、恥ずかしいからやめようよ」火の出る思いの昭次だ。
「構わないわよ。だって親子だから」由加は気にする様子が全くない。

 「島田さん、羨ましいですね。内の娘なんか、相手にしてくれませんよ」隣に住む加藤も羨ましそうに話している。
「でも、恥ずかしいな。こんな姿は…」
「親子だから、当然ですよ」
「そうですか?」2人は駅まで腕を組んで歩いて行く。

 昭次と由加が、毎朝腕を組んで駅まで歩くようになったのは、近所でも評判になっている。
「仲がいいですのね。まるで、新婚さんみたいよ」会う人が声を掛けてきた。
昭次は、初め照れくさかったが次第に慣れて、今では誇りにさえ思っている。
「由加、一緒に行こうな!」
「はい。お父さん!」甘えるようにして、昭次の腕に絡まった。



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