官能小説『女優・樋山香奈子』

赤星 直也 作







第13話 恩返し

 香奈子達が客間に入ると同時に「申し訳ありません。この始末は私がします」αの社長は、男を自分の車に乗せて走り去った。
「石川さんありがとうございます、今夜は休んでください」

 「いいんですか。女性だけの家ですが…」
「恩人をそのまま帰すわけにはいきません。休んで下さい」
「わかりました、休ませてください」石川が承知すると同時にリビングに案内された。

 「お風呂はいかがですか?」
「助かりますよ。汗で汚れていますから」石川はリサの案内で浴室に向かう。
「香奈子、背中を流してあげないと!」康子が言うと「イヤよ、私を散々レイプした相手よ!」

 「でも、恩人でしょう。誘拐されたら、もっと酷い目に遭っていたかもよ。数人で輪姦されたかも…」
「そうね。今夜は恩人だからお礼をするわ」康子と話していると、リサが戻ってきた。

 「香奈子、勿論ヌードでやるわよね?」
「え、ヌードでですか?」
「そうよ。体を許す覚悟でやらないと…」
「許すって、セックスもですか?」
「そうよ。石川さんがその気になったらさせてあげなさい。恩人なんだから」
「わかりました…」香奈子は返事するなり服を脱ぎだした。

 「リサさん、行って来ます」全裸になった香奈子は、乳房と股間を手で押さえながら、石川のいる浴室へと向かっていく。
「痛いだろうな。またオチンチンで膣を突かれるなんて…」歩きながら考えている。

 浴室が見え「やるしかない、今日だけは!」ドアを開けて中に入った。
「石川さん、背中をお流しします…」
「か、香奈子さん!」乳房と股間を露わにしている香奈子を見た石川が声を上げた。

 「今日は特別です。もし、私をお望みならご自由にして構いません」震える声で言いながら、石川の背中に乳房を押し当てた。
「本当にいいんですね?」
「今夜だけですよ。もう二度としませんからね」乳房を押しつけた後は、石鹸を泡立て石川の背中を洗っていく。

 「気持ちいいよ。こんなのは、お袋にやって貰ったきりだからな…」
「石川さんに、好きな人はいないの?」
「いないよ。いたら世帯を持っている。もういい年だしね」
(ホントはいい人なんだわ。でも、レイプしたのは許さないからね!)香奈子は背中を洗っていく。

 「前も洗って、香奈子さん!」
「いいわ、前ね」香奈子は前に回ると「お、オチンチンが膨らんでいる!」思わず声を上げた。
ツルツルの股間には、爆発寸前の肉竿がある。

 「恥ずかしいわ。私も性器を見られるのね」
「当然さ、触ってもいいはずだよね?」石川は揺れる乳房を掴んだ。
「今夜だけよ。明日からは絶対にダメですから!」
「わかっているよ」香奈子は、乳房を撫でられながら石川の胸、腹と洗っていく。

 「これも洗うの?」恥ずかしそうに、勃起している肉竿を掴んだ。
「当然です。やさしくですよ、このようにね」淫裂を指が触っていく。
「わ、わかりました。やさしくですね」体を屈めて、石鹸の付いた手のひらで、肉竿をゆっくり撫でていく。

 (熱いわ、オチンチンがこんなに熱いなんて。それに太くて堅い!)
「気持ちいいです。香奈子さんに毎晩して貰いたいな」
「ダメ、今夜だけの約束だから!」顔を赤らめながら洗った。

 「もういいでしょう。綺麗になったし」桶にお湯を汲み石川の体に掛けていく。
「香奈子さん、一緒に入ろうよ。今夜だけでいいから」
「わかったわ」2人は一緒に浴槽に入ると「香奈子さん、綺麗だ、それに優しいんだね」抱きしめた石川の肉竿が、香奈子の淫裂に当たっている。

 「お世辞を言ってもダメ。昨日のこともあるし…」離れようとするが、狭い浴槽だから逃れない。
(入っている。オチンチンが膣の中に!)覚悟した事とはいえ、恥ずかしくて石川の顔など、まともに見られない。
「香奈子さん。もっと欲しい!」香奈子を太股に乗せた。

 「ダメ、後でしましょう、後で!」叫ぶが。一気に膣の奥まで入ってしまい(痛くないわ。昨日は痛かったのに…)膣の痛みは感じられない。
「香奈子さん、素敵だよ」石川は香奈子の唇を吸った。
(ダメ、そんなのイヤよ!)しかし、香奈子は石川のされるがままにしている。

 暫く抱き合うと「香奈子さん、もう上がろうか」石川が言い出す。
「そうね、のぼせそうだし」2人は浴室からリビングに戻って来たが、勿論2人は全裸だ。

 「石川さん。お部屋は一緒だけどいいかしら?」
「構いませんよ、どこでも」
「でしたら、こちらよ」リサに案内されて二つのベッドが置かれた部屋に入った。

 「香奈子さん、欲しいよ」
「待って、見られいるから待ってよ!」
「あら、構わないわよ。恩人にお礼をしても。私達は勝手にやるから」リサも服を脱ぎだし、香奈子はベッドに押し倒され乳房を揉まれながら乳首が吸われた。
(気持ちいい、乳首を吸われると!)「あ、あ、あー!」喘ぎ声を上げながら、石川の頭を両手で押さえていく。

 「久美、私にもして。あんなの見たら欲しくなっちゃった!」
「私も欲しいわ、康子さんもいらっしゃいよ」
「私も欲しいしわ」リサ達3人もベッドに横たえて、抱き合いだした。

 「香奈子さん、いくよ!」石川は肉竿を押し込んだ。
「あ、あ、あー!」(痛くない、返って気持ちいいくらいだ…)背中が浮いている。
石川は乳房を掴み、肉竿のピストンをしていくと「あん、あん、あん!」悶え声を上げる香奈子の淫裂からは、淫汁が流れ出ていく。

 (香奈子が悶えている!)康子も興奮して、久美の膣を指で撫で回して「いいわ、もっとして!」「気持ちいいわ!」リサや久美、康子も悶え声を上げていく。
(リサさんと久美さんも悶えている!)脇で悶え声を聞いている香奈子の淫裂からは「クシュ、クシュ!」と音が出ていく。

 香奈子は「いいわ、気持ちいい!」肉竿によって、始めての絶頂を迎えている。
「もっと、もっと欲しい!」香奈子は目を閉じて石川の腰を掴んで導いている。
「出すよ、出すからね」肉竿が根本まで入り込み動きが止まった。

 「何かしら。膣の中が変よ!」
「射精だよ、出したんだ…」
「イヤよ、赤ちゃんができちゃう!」泣き出しそうな香奈子だ。
「できたら、僕が夫だよね」

 「勝手なこと言わないで。こっちの身にもなってよ」香奈子は立ち上がり、股間を押さえたが、指と指の間からは白い液体が流れている。
「香奈子、洗ってきなさい。薬もあるから安心よ」
「わかりました」香奈子は股間を押さえながら浴室に向かう。

 「石川さん、もっと欲しいの?」リサがベッドから立ち上がり尋ねた。
「勿論です。リサさんも素敵だし…」
「お世辞が上手ね。いいわ、してあげるわ。でも今回限りだからね」リサは萎縮している肉竿を掴み、口に含んだ。
「あ、あ、あー!」石川は声を上げ、それと同時に放出を終えたばかりの肉竿が膨らんでいく。

 「今夜はありがとうね。香奈子をこれからも助けてよ」リサは肉竿を掴み石川を跨ぎ、馬乗りになった。
「勿論ですよ、凄くいい子ですから」石川はリサの乳房を掴んだ。
「いくわよ、出してもいいからね」肉竿がリサの淫裂に吸い込まれていく。

 根本まで吸い込まれると、腰を上下に動かすリサだ。
「あん、あん、あん!」リサも悶え声を出しながら、淫裂から淫汁を流している。
「気持ちいいです、リサさん!」石川は乳房を揉んでいく。
「私も気持ちいいわ。男とは何年ぶりかしら」喘ぎながら言うリサだ。

 「康子、してあげるわよ」リサの喘ぎ声で久美の指が康子の淫裂の中を掻き回していく。
「あ、あ、あー!」康子も声を出していく。
「もっと、もっと欲しい!」リサがねだると「でしたら四つん這いでしましょうよ」
「いいわ、ワンちゃんスタイルね」リサは向きを変えて四つん這いになっていく。

 「いきますよ」「あ、あ、あー!」体をよじって悶え声を上げた。
「ピシャ、ピシャ!」尻と股間がぶつかり音が出ていき、それに合わせて垂れ下がったリサの乳房が前後に揺れていく。
「いいわ、いいわよ!」リサは悶え声を上げて「出したくなりました。出しますよ」石川は淫裂の中に噴射した。
この後、石川は久美の淫裂にも噴射し、再び香奈子と同じベッドで寝た。

 香奈子達は夜遅くまで楽しんだのか、なかなか起きられず、目が覚めたのは昼近くだ。
「あら、時間だわ、起きないと」4人は起きあがりシャワーを浴びて着替えていく。
「石川さん、着替えはこんなのしか用意してないの」リサはお客用の下着を差し出した。
「構いませんよ、どんな物でも」渡された下着を着込んで、その後、昼食を摂ってから香奈子と康子は石川の運転でBBNへと向かった。

 その時、康子の携帯が鳴り「はい、わかりました…」康子は携帯を切るが何も言わない。
運転している石川は「リサさんからでしょう?」尋ねた。
「ええ、リサさんもBBNへ来るって!」
「やっぱりそうか…」
「何か知ってるの、石川さん?」
「いけばわかるよ。おもしろいのが見られるからね」それだけしか言わない石川だ。

 BBNに入ると「すないが話がある。それに、今日の収録は中止にしたからね」遠藤が声を掛けてきた。
「話って何でしょう?」
「ここでは言えないよ。重大な話だから」遠藤の後を追っていく香奈子と康子だ。

 香奈子達が会議室に入ると「暫く待ってくれ、リサさんも来るから」遠藤は一端出て、コーヒーカップを持って現れた。
「これでも飲んでくれ。ところで康子さんの生まれはどこかね?」
「東京です、多摩ですが…」
「そうか、東京か!」何を思ったのか尋ねる遠藤だ。

 置かれたコーヒーを香奈子と康子が飲むと「お待たせしました」息を切らせてリサが現れた。
「リサさん、何かあったのですか?」
「あったってもんじゃ、ないでしょう。香奈子に関係することだから!」
「もしかして…」後は声にならなかった。
「リサさんもいかがですか?」
「ありがとう、いただくわ」リサも遠藤が運んだコーヒーを飲んだ。

 やがて、会議室にBBNの幹部達が集まり、それにαの社長もいた。
「集まってもらって申し訳ない。実は昨夜、事件がありまして…」遠藤が昨夜のことを話していく。

 「それは本当かね?」幹部達は信じられないと言った顔だ。
「私が詳しく説明します」αの社長が詳しく説明していく。
「社員の酒井美和子が、樋山香奈子さんに嫉妬しまして、襲わせました…」事件の背景を詳しく話していく。
(そんな馬鹿な。美和子さんが、糸を引いていただなんて!)香奈子は信じられないと言った顔だ。

 「困ったことをしてくれたね…」
「申し訳ありません。美和子は解雇します」
「それだけじゃあすまないよ。番組の方だって大変なんだよ」
「申し訳ありません」平謝りする社長だ。

 「解雇すると言っても理由が大事だ。マスコミに流れたら内の警備が問われるからな…」
「ごもっともです。美和子にはバツを与えて、追放しますからお許し下さい」
「信じていいんだね、君の話を?」
「はい、ご希望に添うように取りはからいます」
「わかった。早速準備をしてくれ」αの社長は会議室から出ていった。

 「リサさん、なんて謝っていいやら…」遠藤は言葉にならない。
「遠藤さん、未遂に終わりましたから。それよりも石川さんにお礼を言わないと」
「そうだな、彼には僕から言っておくよ。それから、香奈子君の警備も考えないといけないな」その通りだ。

 「私もそう思うの。局が送り迎えをしてくれると助かるんですが…」リサが呟くように言う。
「わかった。香奈子君は内の顔だから、特別待遇で送り迎えをするよ。スケジュールに合わせてね」BBNの局長も言う。
「そうですね、その方が安心ですし。送り迎えくらいは安いもんですよ、香奈子君に逃げられるよりは!」

 「あら、お世辞が上手ね、遠藤さん」
「お世辞ではありませんよ。それにマネージャーだって安心でしょう?」
(もしかして、遠藤さんは康子さんが好きなのでは?)香奈子の頭には、先ほどの事が浮かんだ。
こうして、美和子が主役をしていた「人妻の柔肌」の打ち切りが決まった。



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