5.縄味

「お早うございます」
「オハヨッ! 千寿せんせえ。エヘヘ、お先にもらってるんだあ」

 次の日の朝、言われていた通り7時に町田先生の教官室へ入った私は、明るい少女の声に驚きました。その声の持ち主はもちろん、ツインテールで小柄な幼い外見なのに、私より先に町田先生の言いなりに堕とされていた菜穂さん。彼女は椅子に座った先生の前にひざまづき、制服の下に手を入れて自分の体を慰めながらペニスを頬張っていたのです。

「菜穂、早くしろ」
「うん」

 菜穂さんは私に挨拶するため一旦吐き出していた町田先生のモノを口に戻すと、嬉しそうに恍惚の表情を浮かべ、オナニーの指使いを早めながら物凄い勢いでジュバジュバと口を動かしました。

ーー菜穂さん、幸せそう。私もああなっちゃうのかしら……アン、駄目っ!

 文字通り「チンポの虜」になってしまった痴態を晒している菜穂さんは、ドキッとする程大人びてセクシーに見え、思わず腰をよじってしまった私は昨夜から悩まされていた甘い感触にズンと突き上げられてしまいました。とても気持ち良くて、ジュンと股間が潤いを増すのがわかります。

「飲んだら離れろ、千寿先生と交替だ」

 オナニーで気をやると同時に口中に射精されたらしい菜穂さんが名残惜しそうに離れて行くと、私はフラフラと引き寄せられるように彼女がいた場所へ向かいます。好きでもない男性にあんな行為を働くなんて嫌に決まってますが、やはり先生の言葉には逆らえず、足が勝手に動いてしまいます。

 こんな朝早くに登校したのも町田先生の指示によるものでした。昨夜何度も中出し射精されてから帰宅する時、私は教育実習中の決まり事として三つの約束を誓わされていました。朝は7時に教官室に来る事。放課後は夜まで町田先生の指導を受ける事。そして、町田先生との事は誰にも口外しない事。忘れてしまったら意味がないので、一度に沢山の命令はしないのだと言われましたが、それで十分だったと思います。正ちゃんからメールが届いており、土曜日に海へ行くための待ち合わせ場所や時間を伝えてくれたのですが、簡単に承諾の返信を打っただけ。相談も出来ないのだから、彼と話しても辛いだけだと思ってしまいました。

 疲れ切ってから帰宅して、母が用意してくれていた食事を取るのもそこそこに、朝まで熟睡してしまった私は、目覚めてすぐに時計を確かめてなぜかホッとしてしまいました。早朝から学校に行かねばならないのですから。先生の命令に縛られている事に気付いた私は慄然とし、それでも勇気を奮い起こして乱暴された事を警察に通報しようとしたのですが、どうしても電話を掛ける事が出来ない事がわかって、ハッキリ悟ってしまったのです。あの絶対に破れない三つの約束だけで、私がどうあがいても町田先生からは逃れられず、言いなりになるしかないと言う事を。そうして気が付けば、そそくさと身支度して朝早くから学校に向かっている私がいたのです。

ーーあ、あ、嫌だ! 凄く気持ちいい、ああ……

 そして町田先生の呪縛は言葉の暗示だけではありませんでした。昨夜帰される前全身に施された嫌らしい仕掛けも、文字通り私を縛っているのです。とりわけ歩くだけでも股間のあらぬ箇所が刺激されてしまうのが大きな悩みの種で、今朝歩いて登校する時からすれ違う人の視線がやたらと気になって、もう気もそぞろ。時折おぞましい興奮が募って、立ち止まっては嫌らしい吐息を洩らし、何とか刺激を軽減する歩き方は出来ないかと試みてみましたが、股間に痛いくらい喰い込んで固定された仕掛けから逃れるのは不可能でした。そして今ヨロヨロと町田先生に近付くに連れて、股間をズンズン突き上げて来る快感がどんどん増幅して来るようで、口惜しいけど気を緩めたら恥を晒してしまいそうでした。

 町田先生は菜穂さんの口から解放され唾液でテカテカに光るおぞましい肉棒を勢い良くそそり勃て、片手で誇示しています。さっきまで絶対に嫌だと思ってたはずなのに、股間を蕩かせる仕掛けの甘美な感触とその肉塊が発散している濃厚な匂いが私を狂わせ、菜穂さんのように咽奥まで口に含んでしまった途端に、全身を抗し難い興奮と歓喜で包まれていました。

ーーああ、素敵だわ! コレよ! 私が欲しかったのは……

 それは中毒患者が禁断の薬物にありついたようなもので、理性など何の役にも立たず、何もかも忘れた私は夢中で口を動かし、貪るように味わってしまうのでした。

「おい菜穂、千寿先生の体を調べてみろ。俺はまだ当分出そうにないし、面白いものが見つかるぞ」
「やっぱり千寿せんせえ、まだヘタクソなんだね。菜穂ならすぐに出してくれるもん」
「バカ言え、二発目だからだ」

 菜穂さんが誇らしげにそんな事を言うと、私のスーツを脱がせ始めました。町田先生の手で体に施された仕掛けを見られてしまうのはとても恥ずかしい事でしたが、魅惑のペニスに夢中で口を使う歓びで頭を惚けさせている私にとっては、それも興奮を増すスパイスに過ぎません。

「何コレ? すっごーい。お乳がバーン!」
「菜穂、お前が着てるボンデージスーツでも、乳さえありゃそうなってるぜ」
「ひっどー。エヘヘ、千寿せんせえ、感じちゃう?」
「んん~っっ!!」
「乳首がもうコリコリだよお」

 菜穂さんが驚いたのは、私の体中を網の目のように緊縛している縄でした。縄と言っても太い紐みたいにソフトな素材で肌に痛くはないのですが、ギチギチに引き絞られて体に喰い込み圧迫感が凄いんです。根元を括り出されている乳房は必然的に大きく張り出し、自分で見ても恥ずかしいくらいの巨乳になって先端の乳首は勃起したまま戻ってくれません。感度も増してしまって、菜穂さんに軽く乳首を摘まれたり膨らみを揉まれたりすると、薬で狂わされていた昨夜と遜色のない強い快感が迸って、私は呻きました。

「スカートの中を見てみな。もっと凄いぜ」

ーーああ、嫌だ。恥ずかし過ぎる……

 股間の惨状がわかってるだけに恥辱感が胸を締め付けますが、先生のペニスを一心不乱にしゃぶってしまう私は、菜穂さんのされるがままになるしかありません。タイトスカートをたくし上げて、ノーパンの股間に喰い込みきつく締め上げている縄を見た菜穂さんは、目を丸くしてさらに驚いていました。

「千寿せんせえ、おもらししちゃったみたい。こんな事されて気持ちいいんだね。ヤだ、すっごいヘンタイ……」
「そりゃそうさ。良く見てみろ、結び目が作ってあるだろ?」
「ホントだ」
「デカイのがマンコ、小っちゃいのが剥けグリ、中くらいのがケツの穴に埋まってる。おまけに嵌める時タップリ薬を塗ってやったからな。おしとやかな千寿先生も、男が欲しくて欲しくてたまんねえ気持ちになってるわけだ。見ろよ、嬉しそうに俺のチンポをしゃぶってやがる」

ーーああっ! 菜穂さん、そんなに見ないで……だ、駄目っ! おかしくなるう……

 菜穂さんに至近距離から覗き込まれて、先生の説明を受ける箇所がますますカーッと熱くなり快感が込み上げて来る気がしました。股間を痛いくらいきつく締められて、3つの結び玉があらぬ箇所を圧迫してしまう淫らな感触が、昨夜からずっと私を悩ませているんです。大きな結び目はまるで小型のペニスみたいに私のアソコに喰い込んでるのですが、処女を失ったばかりの私にとっては丁度気持ち良い刺激で、つい無意識にギュッと粘膜で締めて楽しんでしまいます。そして一番小さくても凄まじい刺激なのが、クリちゃんに当たって離れてくれない結び目でした。剥ける事を教えられた時カルチャーシックを覚えてしまったくらい鋭敏なその部分を、包皮を剥かれた状態でピンポイントに刺激されるのですからたまりません。股縄を締められてしまった途端に目も眩むほど強烈な感触で、これだけは勘弁して欲しいと泣きたくなった小玉のクリ刺激は今もなお続いて、私を大いに悩ませています。

 そして股縄を締められた当初はほとんど気にならなかったのに、実は最も曲者だったのが尻穴に埋まる結び目でした。この縄は腰の後ろでまとめて複雑に縛られているので、自力ではとても外せないのですが、寝ても覚めても結び目が当たって外れてくれない淫らな感触を味わわされているうち、恥ずかしい事にアナルの結び目が徐々に心地良い感触を伝え始めて来たんです。ハッと気付いた時にはもう手遅れで、おまんこの結び目を喰い締めてしまう時同時に尻穴で締めてしまう結び玉の方がむしろ気持ち良くなってしまいました。こんな排泄する汚い箇所で感じてしまうのは物凄く抵抗があるんですけど、それが却ってアブない歓びを増してしまうようで、一晩明けた時にはもう一刻もお尻の快感を無視出来ませんでした。こんな所で感じてしまうなんてヘンタイだからイケないと思えば思う程、逆に尻穴からヒタヒタと心地良い戦慄が背筋を這い上がって来るのではどうしようもありません。

「おい千寿。中腰でいいからケツを揺さぶるんだ。縄が擦れて自家発電オナニー出来る筈だぜ」
「んふうんっっ!!」

 興味深そうに股間を覗き込んでいる菜穂さんの目が気になりましたが、町田先生の言葉は絶対です。私のお尻が勝手にガクガクと大きく揺さぶられると、先生の言った通りオナニーしてるのと変わらない快感が込み上げて、私はどんどん頂上に押し上げられていきました。町田先生のペニスをしゃぶる口にもより一層熱がこもり、尻振りオナニーで私が極めてしまうのを恐らく察知した先生が、タイミングを合わせるようにドッと冷たい精液を口中に放出します。それを出来るだけこぼさぬよう飲み下した私は、絶頂の余韻に浸りながら、肉体の歓びとは別の素晴らしい満足感を覚えていました。それは忌まわしい筈の町田先生の精液を飲んでしまったと言う歓びに他なりません。

「千寿せんせえ、とっても気持ち良さそう。菜穂も縄で縛って欲しいな」
「これは結構面倒なんだ。アナルバイブの付いたボンデージスーツで我慢しろ、菜穂」
「もう! 町田せんせえったら、千寿せんせえばっかりイジめるんだから」
「オイオイ、参ったな。菜穂、お前には解毒の方法を教えてやっただろ? さっさと匂い中毒を解毒して、嫁さんのいる俺みてえな中年のデブオヤジとはオサラバすりゃいいんだぜ」
「いいんだもん。菜穂はね、そんな町田せんせえが大好きなの」
「まさか、こんなに好かれちまうとはな。だけどお前、将来どうするつもりなんだ?」
「将来? まだわかんないよ。保育士になるかナースになるか……」
「そうじゃなくって、俺の女でいるつもりなのか、って聞いてるんだ」
「うん! 菜穂はね、ずっとせんせえにご奉仕して暮らすんだ」
「バカ言え、親が泣くぞ。言われた通りに解毒してまともに戻れ。これは命令だぞ」
「そんな!……ひどい……」

 菜穂さんがしゃがみ込んでシクシク泣き始めたので、私はビックリしました。

ーー菜穂さん、こんな酷い事されたのに、本当に町田先生が好きになっちゃったの? だけどまともに戻った方がいいわ。あなたは悪魔にたぶらかされてるのよ

 そして私は、どうしてもかわいそうな菜穂さんの姿を自分とダブらせずにはいられません。今は嫌で嫌でたまらず、処女を強引に奪われた町田先生を出来れば殺してしまいたいくらい憎んでいるのに、彼の言葉の呪縛から逃れられず、言いなりになっている私です。でもそのうちに心まで支配されて、この最低の鬼畜男を愛してしまうんでしょうか? それはあまりに残酷で想像もしたくない恐怖の未来でした。

「おい菜穂。今週中猶予をやるから、金曜までに解毒しろ」
「……はい……それまで、放課後ここへ来てもいいですか?」
「ヒマがあるなら好きにしろ。千寿先生の調教を手伝わせてやるよ。ヒイヒイ泣かせたら、ご褒美にお前も抱いてやる」
「ありがとうございます」

ーー菜穂さんの目が怖い!

 泣き崩れていた菜穂さんが顔を上げて私の方を睨み付けている目を見てしまい、ゾッとしました。それは嫉妬に狂い、私に対する敵意を剥き出しにした、暗い怨念のこもった恐ろしい目だったんです。

ーー又、この子にイジめられるのね……ウウッ! 縄が……

 ところが菜穂さんの暗い目を見ていると、彼女にいたぶられて乱れ狂ってしまった昨夜の恥ずかしい記憶が蘇り、私は思わず腰を振ってしまいました。すると股縄の三つの結び目が私の急所とズルンと擦れ合い甘美な感触が突き上げて来るんですけど、これまでにない鮮烈な刺激に感じられて、私は慄然としました。馴染んでしまったせいか、昨夜は苦痛を伝えて来た縄が専ら心地良いばかりで、おまけにその快感はどんどん募る一方なのです。

「解毒のアテはあるのか、菜穂」
「はい、なんとか」
「今のお前に迫られて拒否出来る男はいねえよ。スゲエ匂いをぷんぷんさせてるんだからな」
「頑張ります。それでは、失礼します」

 菜穂さんが部屋を出て行くと、教えてくれるわけはないと思いながらも、町田先生に聞かずにはいられませんでした。

「町田先生、匂い中毒を解毒する方法があるのですか?」
「そらそうよ。菜穂みてえなガキンチョに一生つきまとわれちゃ敵わん」
「その方法を教えてくれませんか」

 ところが予想に反して、町田先生はアッサリ教えてくれたんです。

「他の男とヤって、そいつの精液を膣内に浴びる。その時女も一緒にアクメに到達すれば解毒される筈だ。女子高生にはちとハードルが高いが、菜穂なら何とかなるだろう」
「どうしてですか」
「俺のザーメンを浴びる程飲んで、アイツ自身が媚毒の匂いを発するフェロモン体質になってるからだ。あんなカワイコちゃんに寄られて匂いをかいじまえば、どんな男もイチコロよ。お前が俺の匂いにやられた時を思い出してみろ」

ーーあっ! 町田先生と同じ香水だと思った菜穂さんの匂い……そういう事だったんだ

「そうやって菜穂が解毒されると、今度は相手の男が中毒になる」
「どういう意味ですか」
「その男が菜穂の言いなりになっちまうって事よ」
「本当にそんな事が?」
「実は俺にもよくわかんねえんだよ。何しろ菜穂はこの薬を使ってやった第一号、つまり実験台だからな。あんなに好かれちまうとは思いもしなかったし、早くオサラバしたいんだけどな」
「そんなの、かわいそうです」

 薬物でたぶらかされたとは言え、あんなに熱烈な好意を寄せている菜穂さんをアッサリ捨ててしまう町田先生は冷た過ぎると思い、私はついそう口にしていました。

ーー愛人にしてあげれば良いのに。私と替わってあげたい

 そうです。菜穂さんは男子に人気がありそうな、明るくカワイイ女の子。奥さんがいる町田先生の不倫相手としては、もったいないような年下の彼女ではありませんか。熱烈なラブコールを送って来ている彼女をソデにするなんて、先生は一体何を考えてるんでしょう。わざわざ私に乗り換えるなんて面倒な事をしなくても良いのでは、と思った私でしたが、先生の次の言葉で暗澹たる気持ちに陥ってしまいます。

「かわいそうだと! あんなツルペタのコドモに俺が本気になるわけねえだろ。俺の本命は、千寿、お前だ。早くアイツのように堕ちて、身も心も俺の女になってくれ。実習が終わるまでには完璧に仕上がるよう、腕によりをかけて指導してやるからな!」
「ど、どうして、本命だなんて……会ったばかりなのに」

 尻振りオナニーで極めてしまった心地良い余韻で股縄が喰い込む股間から下半身全体をビッシリと甘美に痺れ切らせている私は、慄える声でそう聞かずにはいられません。一目惚れされたにしては、先生の手際が良過ぎるように思ったんです。

「前からいる教員からお前の噂を聞いてたのさ。高校時代から美人で有名だったそうじゃねえか。大学でミスキャンパスに選ばれたって事も知ってる。だから俺は、誰もやりたがらない面倒な実習担当を進んで引き受けてやったんだ、ありがたく思え。おっともうあまり時間がねえな。千寿、キスしようぜ」

 少し離れた所で立って話していた先生に言われると、私の足は自動的にそちらへ向かい、どんどん強烈になって来る股縄の結び玉が擦れる淫らな快感が私を堕落に誘います。そして殺したいくらい憎い筈の町田先生に顔を近付け唇を合わせた瞬間、私の頭は千々に乱れました。

ーーこんな男なのに……どうして?……

 忌まわしい男と唇を合わせてしまった強烈な興奮と共に、正ちゃんとのキスですら覚えた事のない安らかな幸福感が込み上げて来たんです。悪魔にたぶらかされてるんだと理性で抵抗しても無駄で、舌を差し入れながら口を吸う先生の手がタイトスカートの中に侵入して来ると、あろう事か自然と脚を開いて股間を触らせてしまう私がいました。そして股縄の結び目を確かめるようにまさぐられながら、ウソの吐けない町田先生の尋問が始まります。

「正直に答えろ、千寿。俺のチンポをココにぶち込まれたいんだろ?」
「はい、入れて欲しいです」
「だろうな、もう大洪水だ。放課後抱いてやるから、それまで縄でも喰い締めて我慢してろ」
「ああっ! ううんっっ!!」

 大きな結び目を弄っていた手が、小玉や中玉に触れる度、私はたまらず声を出してしまいます。

「クリやアナルも忘れずに、コッテリ調教してやるからな。嬉しいだろう?」
「はい、お願いします」

 一体何てバカな事を言ってるんだろうと思っても、勝手にしゃべってしまう口は止まりません。そうです、これはウソの吐けない私が隠してた本心。私が本当はとてもエッチで嫌らしい女の子である事を、悪魔に暴かれてしまったのです。

 その日は放課後までそれ以上何もされず、町田先生と教官室で二人切りになると、いろんな事を聞かされました。幼い頃から小柄で肥満体だった先生は女の子に忌み嫌われ、SMクラブに出入りしそこで童貞を捨てた事。40過ぎてからそういう店の女性と打算的な結婚をした事。前任の公立高校では女生徒の下着や体操着を盗んだり盗撮行為を繰り返し、バレそうになって逃げるように私立のこの高校に転勤したけれど、待遇が大幅に下がって自暴自棄になっていた事。

 そしてこの高校で私の噂を知り、若い女性と行為を持ちたいと言う長年の夢を実現しようと、町田先生は長年研究して来たいかがわしい媚薬を用いる事を決意したんだそうです。そのため、たまたま個人面談をする事になった生徒を実験材料として薬を試してみたと言うのですが、そのかわいそうな女子が菜穂さん。だから先生は彼女にあんな連れない態度を取っていたんです。

 その菜穂さんは朝別れてから私との接触を避けているようで、一度も姿を見掛けませんでした。そしてもちろん恋人同士である事を隠そうと約束した正ちゃんとも。だけど私は、密かにある望みを抱いていました。

 町田先生はとても狡猾に抜かりなく私を呪縛しているようですが、相変わらず生徒に舐められ切った駄目教師ぶりを見ていると、きっとどこか抜けているに違いないと思うんです。例えばわざわざ私に向かって得意げに解毒方法をバラしてしまった事。黙ってれば良いのに、私に聞かれてウッカリしゃべってしまったんじゃないでしょうか。恐らく全身に縄を掛けていれば、私が他の男とセックスなど出来ないとタカを括ってるんだと思います。

 それと誓わされてしまった三つの約束も、良く考えると抜け道があるんです。例えば彼氏である正ちゃんと接触する事を禁止なんかされてはいません。土曜日に彼と海へデートしに行くのだって自由です。もともとここでバージンをあげちゃうつもりだったんですから、彼に解毒して貰えば良いではありませんか。

ーーああ、たまらない……結び目を締めてしまう。それにお尻もクリも凄いの、ううんっ!……だけど気を確かに持たなくちゃ。正ちゃんに外してもらってエッチしちゃうんだから

 体中、特に股間をギチギチに縛り上げる縄の悩ましい感触をじっと堪え、体中に汗をかいてしまう程おぞましい興奮と戦いながら、私はそう思いました。町田先生は絶対抜けているんです。確かに腰の後ろで複雑に括られているこの縄を自力で解くのは不可能ですが、正ちゃんに頼めば出来る筈です。最悪切ってしまえば良いのですから。そもそもこの縄を外すなとは一言も聞かされてないんですけど、町田先生がウッカリしてるんだと思います。昨夜私はどうしても外れてくれない股縄が辛くて、切断してしまおうとハサミを近付けてみたんですから。バレたらきっと報復されると思ってやめたんですけど、やろうと思えば手が動きそうでした。先生が抜けてる証拠ではないですか。

 愚かにも私に解毒の方法をバラしてしまった町田先生は、私を言いなりに操っている事でいい気になり、そんな反抗をされる可能性に気付いていないんでしょう。もしかすると、もう私は菜穂さんみたいに心まで堕ちてしまったと思ってるのかも知れません。実際先生に面と向かって命令されれば勝手に体が動くし、ペニスに陵辱されてしまうと恥ずかしいくらいメロメロになってしまうんですけど。

 でも私の心はまだ全然町田先生に堕ちてなどいません。それどころか殺してやりたい程憎んでいるんです。正ちゃんに事情を話す事は出来ませんが、彼に抱いてもらい解毒されて呪縛が解ければこちらのものです。町田先生の影響力が消えた瞬間に全てを打ち明けて正ちゃんと相談し、この男を警察に突き出してやるつもりでした。

 心配なのは町田先生に私の計画を察知されてしまう事でした。絶対に解毒を許さないような命令を下されたら一巻のおしまいですから、油断させておく必要がありました。それに解毒の話が本当なのかわからないので、菜穂さんがどうなるのか見定めなければなりません。そのためには計画を実行するまで大人しくじっと耐え、心まで堕ちてしまったフリをしようと決意しました。余計な事は口にせず、町田先生に唯々諾々と体を任せるんです。

 それにしても悩みの種なのは、徐々に威力を増して来る股縄緊縛のおぞましい快感でした。歩くと擦れてヤバかったのが、次第にちょっと体を動かすだけでズキンと甘い感触に責められるようになり、妙に素っ気なくしている町田先生に断って何度もトイレに通いました。そして括り出されて異様に敏感になっている乳房を揉みしだき、股縄部に触れながら激しく腰を揺さぶって極めてしまうオナニーがやめられないんです。町田先生にはバレてるし、盗撮カメラが設置されてるかもと思っても、そんな意識がより一層興奮を煽ってしまう始末でした。でもいいんです。町田先生には私が完全に中毒になって、抱かれる事を心待ちにしてるエッチな女の子に堕ちてしまったように見せれば良いのですから。

 午後になると、もうじっとしてるだけでも股縄の三つの結び目から発生する甘美な毒が、私を嫌らしい気分から解放してくれなくなりました。前後ホールの粘膜が内部に喰い込む結び目に絡み付いて、一時も休まずギュウギュウ締め上げて快楽を貪ってしまうのが止まりません。とりわけいつの間にか最大の脅威となってしまったお尻の穴の気持ち良さが我慢出来ず、何度も教室でしゃがみ込んで大きくお尻を振りパーッと気をやってしまいたいと言う、あり得ない誘惑に駆られてしまいました。

「どうしたんですか、先生」
「な、何でもないの。ちょっとつまずいちゃって」

 6時間目、町田先生の授業を見学してる時でした。私は一番後ろに椅子を出して座り、まるでトイレを我慢してるかのようにモジモジと腰を揉んで股縄の感触を味わってしまうのが止められず、こんなオナニーまがいの行動が生徒達にバレやしないかとヒヤヒヤしていました。もちろん授業なんか上の空。生真面目な生徒だった私は自分の高校時代に授業を真面目に受けなかった記憶はないので、こんなイケない行為に溺れている事に酷い罪悪感を覚えていましたが、それが背徳の興奮を煽りますますおぞましい快感を増してしまう悪循環。大量に噴出する愛液が縄を濡らして溢れ出し、とうとう内股を伝って滴り落ちるのをハンカチで拭わねばならない惨めさでした。

 そいてボンヤリしていた私は町田先生に呼ばれて前に出て来るよう言われ、慌てて椅子を立ったんです。構えていなかっただけに、その動作によって生じる快感の鮮烈さは凄まじく、オロオロしながら生徒達の中を前へ向かう途中で、私はウッと口を塞んでしゃがみ込むと目も眩む程強烈な絶頂を迎えてしまうと言う痴態を晒してしまったのでした。何事かと心配して声を掛けて来る生徒達に苦しい言い訳を口にしながら、私は極限の羞恥と猛烈な興奮を覚えていました。股縄の快感で意図せず極めてしまったのは初めてで、こんな物をずっと嵌められていたら正気を保てなくなるのでは、と言う恐怖さえ込み上げて来ます。

 こうして迎えた放課後の、町田先生による「指導」と言う名の下の性調教には、6時間目の授業で私の恥ずかしい姿を見ていた菜穂さんもちゃっかり加わっていました。教官室に内側から鍵が掛けられると、私は縄だけの全裸になって両手を頭の後ろに組み、椅子にふんぞり返った町田先生の前に立たされました。

「ずいぶんその縄がお気に入りみてえだな。えっち汁がだだ洩れじゃねえか」
「ああ……」

 火が噴いたように真っ赤になった顔をうな垂れるばかりの私に、菜穂さんまで追い打ちを掛けました。

「千寿せんせえ、さっき授業中にイッテたでしょ?」
「正直に答えろ」
「……はい」
「実習生なのにひどーい。町田せんせえ、お仕置きしちゃいましょう」
「よし。千寿、立ったまま手を使わずに気分を出して、イッテみせろ」
「そんなの無理です」
「ケツを大きく揺さぶりゃ楽勝だろ。やってみな」

 先生の言葉は絶対の私は立ったままお尻を突き出して、ガクガクと激しく揺さぶってしまいます。途端に股縄が擦れる快感がグッと込み上げて、観念するよりありませんでした。世にも恥ずかしいこんなやり方で、私は恥を晒してしまうのです。

「菜穂、千寿先生のケツを手で叩いてやれ」
「面白そう」
「遠慮なくぶっ叩けよ」
「千寿せんせえ、お尻ペンペンのお仕置きだよ」

 私に敵意を持ってしまった菜穂さんが、腰振りオナニーに励んでいるお尻をパーン、パーンと思い切り叩いて来ました。とても痛いんですけど、信じられない事にその痛みがスパイスとなって私の絶頂を加速させてしまうようなんです。5回くらい叩かれた時、私は重々しく呻いていました。

「イクウ……」
「あはは、イッチャッタ」
「生徒にケツを叩かれて気をやるとは、とんでもねえマゾ女だな」

ーー私ってマゾなの? 嫌だ、そんなわけない。だけど、お尻を叩かれて、痛いのにとても気持ち良かった

 マゾなどと言う自分とは無縁だと思ってた言葉を掛けられた私は抵抗を覚えましたが、菜穂さんに思い切りお尻を叩かれる苦痛と快感がないまぜになって、物凄い勢いで弾けてしまった絶頂の味は口惜しいけどあまりに素晴らしく、私に先生の言葉を納得させるのに十分でした。

「後2回気をやるまで尻叩きを続けろ」

 こうしてさらに真っ赤に腫れ上がるまで菜穂さんに尻を叩かれながら、繰り返し強烈な絶頂を味わわされると、自分はイジめられて喜んでしまう「マゾ」なんだと、体に刻み込まれる気がしました。だけどまだ尻叩きの絶頂など、この日の「指導」の序の口に過ぎなかったのです。




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