第1話 私達にしては珍しく早めに時間がとれたので、和風のカウンターバーで待ち合わせをした。 このバーは半年前始めてのデートをしたところ。 おいしいお酒と肴を出してくれる。 「今日はもうここでガンガン飲もうぜ。くだ巻いて、飲みまくろう。」 「・・・いいけど。」 2週間ぶりの逢瀬。 飲んで終わって、二人きりになれないのは少し物足りないけど、たまにはいいかしら。 私達はお互いのプライベートな話は殆どしないので、 会話は大体仕事関係の話。 お酒がかなり入ってくると私の舌鋒が鋭くなる。 彼にも意見を言う。 「myさんは本当に男だよな。参るよ。」 デートをしている恋人という雰囲気ではない。 myさん。○○さん。なんて呼び合って、 会話の内容はビジネスや経済の事。 少しお酒がまわってきた。 「別のお店に行こうか。少しにぎやかなところ。」 彼が時計を見て言う。 「イヤ。」 「イヤって言うなよ。」 「イヤだもん。」 酔いがまわって私の喋り方が変になる。 カウンターの下で彼の手に指をからめたりして、クネクネになっている。 「この辺はmyさんのエリアじゃないけど、俺のエリアだからなぁ。」 「・・・・。」 「わかった。出ようか。」 私達はお店を出て駐車場へ向かった。 第2話 車の中で彼が私を少しムッとさせるような事を言う。 彼が昔の話をする時、よくその時に付き合っていた女性も登場する。 彼の女性遍歴は彼をよく知る人からも聞いてた。 「○○さんは連れて歩く女がいつも違ってた。」 彼のリード。女性の扱い方。セックス。 他人から聞かなくても、物慣れた態度は過去の女達によって磨かれてきたことは想像できる。 それは、私の嫉妬心を時に煽り悲しませる。 普段なら笑って許せる程度の話だったが、 少し酔っている私は許せなくて黙りこくってしまった。 「スネてるの?スネてるのもカワイイよ。」 そう言われるのも腹立たしくてウルウルしてきた。 「帰る・・・。」 「オイオイ。泣くなよ。帰るの?いいよ。そこ曲がるとmyさんが帰る方向だよ。曲がるよ?どうする?」 「バカヤローぅ・・・」 彼の頬にパンチ。 「困ったお嬢さんだよ。」 私達はやはり行き着くところへ入っていった。 お部屋に入るなり彼はバスルームやお部屋のチェックをしながら服を脱いでいく。 私は酔いが少しまわってバタンとベッドにうっ伏す。 少し横になっていると彼はもうバスルームに。 「もう、入っているの?」 「早く暖まりたくってさ。」 バスルームでAVを見ながら彼がくつろいでいる。 「もう・・・。」 置いてけぼりの私は一人服を脱ぐ。 「今日の下着・・・見せたかったのに。」 ブツブツ・・・ 「早くおいでよ。ここのお風呂面白いぜ。」 彼がバスルームから呼ぶ。 まだHな気分に盛り上がる前、素のままの状態で裸でバスルームに入るのは少し恥ずかしい。 シャワーを浴びる私を彼にずっと見られて少しドキドキする。 まだスイッチが入っていない私はウブな状態。 「おいでよ。このお風呂泡が止めどもなく出てくるんだ。」 「泡だらけね。」 チャプンと私もバスタブに入る。 広めのバスタブ。私は彼と少し離れてバスタブにつかる。 車中での件で、私はまだなんとなくわだかまりを持っている。 この期に及んで何をまだスネているのかと自分でも思うが、 なかなか素直になりきれていない。 「凄いぜ、こんなことしてみたい?」 少しツンツンしている私に彼がAVの画面を見ながら言う。 「何かお芝居がかりすぎているわ。こういうの見て感じるの?」 「そりゃ見てそういう気分になることもあるさ。・・・でも。」 彼が私を引き寄せる。 「やっぱり実物がいい。」 後ろから胸をもみしだき彼が耳元でささやく。 「実物のmyが一番いい。ベッドでmyのいい顔を見たい。」 やっぱりだめ・・・どんなにムッときていても、 彼の魔法にかかってしまう。 唇を重ねると彼の舌から媚薬を注入されているかのように私は彼の虜になっていく。 「my。早くベッドに行きたい。」 「ええ・・・。」 彼の言葉が私をさらに蕩けさせる。 次頁 |
筆者myさんのHP『おとなの恋草子』 |