長編/惠 ファインダーの向う


第1章 視姦


Shyrock作






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第1話


 添田俊介(37歳)が経営するSSスタジオへ、中小路惠(なかのこうじ めぐみ 23歳)が通い始めてから3ヵ月が経っていた。
 初めの頃は緊張もあって硬さが見られたが、今では添田とすっかり打ち解け、惠の方から冗談も飛び出すほどで、ポーズひとつにも余裕が感じられるようになっていた。

「先生、おはようございます!」
「やあ、惠ちゃん、おはよう~」
「いつもすみません。日曜日ばかり来ちゃって」
「気にしなくていいんだよ」
「でもせっかくの先生のお休みなのに」
「いいんだって。月曜日から土曜日は仕事で撮ってるから」
「じゃあ、今日は?」
「趣味で撮ってる」
「趣味かぁ。あはは、趣味の端っこに加えていただけてとても光栄ですわ」
「周りから見ると、同じようにしか見えないだろうけど、僕自身は全然違うのさ。ははははは~、でも君には分からないだろうなあ」
「いいえ、何となく分かるような気がします」
「そうか。さすが、勘の鋭い惠ちゃんだ。さて、それじゃ早速撮ろうか」
「はい!お願いします!今日はどのような?」
「そうだねえ。今日はコスプレで行こうか」
「へ~、どんなコスプレかしら・・・」
「うん、ウェイトレスさんになってもらおうかと」
「まあ!一度着てみたかったんですよ~」
「ほう、それは良かった。じゃあ、向うに用意してあるので早速着替えてきて」
「はい~」

 惠は更衣室で早速着替え、添田の前に現れた。

「ほう~、実によく似合ってるじゃないか~」
「そうですか?」
「え~と、僕はコーヒーをもらおうか」
「え?はい、お客様。コーヒーのご注文ですね?かしこまりました」

 惠はウェイトレスになったかのように膝を揃えて頭を下げた。

「うまいじゃないか。モデルもいいが女優の方もいけるんじゃないか?」
「まあ、お上手を。あはははは~~~」

 和やかな雰囲気のうちに撮影は開始された。
 今日は日曜日だから、添田の周りには照明係りもいなければスタイリストもいない。  添田1人で全てこなさなければならない。
 添田は1人で動き回った。
 だけど添田は嫌な顔をひとつ見せない。
 大車輪で動き回る添田を、惠は微笑ましく思えた。
 自分のために労を惜しまない彼の姿に、できる限り期待に応えようと思った。

 最初は全身撮影から始まった。
 惠は肩をやや後に引き背筋をしっかり伸ばした。元々姿勢の良い彼女だが、背筋を伸ばすことは、モデルが自分の姿をより美しく撮るための基本動作なのである。
 添田は一眼レフデジカメを手にシャッターを切りまくった。

「は~い、今度は目線を逸らしてみようか~?」
「そうそう、は~い、OK!」

 全身の後はバストショット、アップと続いていく。
 途中で休憩は入るもののかなりハードだ。
 それでも添田もモデルの惠も疲れた表情をひとつ見せることなく、撮影をこなしていった。


 アップを撮り終えた頃、添田は惠の下着姿での撮影を希望した。
 しかしそれは今日が初めてのことではなかった。今までも何度か下着姿での撮影を望まれ、惠は躊躇うことなく彼の期待に応えてきた。
 それと言うのも、添田は海外でも活躍中の前衛的なカメラマンであり、常々「女性の肉体美は芸術そのものである」と語っており、決して不純な動機や不埒な思いからではないことを惠はよく理解していた。

   添田は以前こうも言っていた。

「惠ちゃん、なぜ僕が衣装を着けての撮影よりも、ヌードやセミヌードにこだわるか分かるかな?それはね、女性の内面に秘められた美しさを最大限に引き出すためには、ヌードの方が向いているからなんだよ」



第2話


 惠はその言葉の持つ意味が何となく分かるような気がした。
 いや、分かろうとした。
 女は脱ぐためには理由がいる。
 ふだん身持ちの堅い女性であればあるほど理由が大切なのだ。
 添田がテーマとしている『女性の肉体美は芸術であり、脱ぐことにより女性の内面に秘められた美を表に引き出すことができる』は、惠が脱ぐためには十分過ぎるほどの理由であった。
 いずれは全て脱ぐことになるかも知れないが、最初からオールヌードと言うのはきついものがあった。そこで惠は着衣よりも一歩踏み込んでセミヌードにチャレンジすることにしたのだった。わずか薄い布切れ1枚だけであっても、着けているといないとでは、撮られる側にとっては精神的に大きな開きがあるのだ。

 惠は衝立の陰でコスプレの衣装を脱ぎ始めた。
 衝立は半透明なので、脱衣する様子がかすかに覗える。
 白のブラジャーと白のTバックショーツだけになった惠が、恥じらいながら添田の前に現れた。

「じゃあ、そのステージに上がろうか」

 添田はあくまでクールである。
 惠ほどの艶やかな美女を目前にしても、表情を変えることはなかった。
 素人男性や駆け出しのカメラマンは、色香漂う美女を前にすれば、たいがいは顔が緩み、鼻の下を伸ばしてしまうのが常である。にやけた顔、しまりのない表情はモデルに不安を与えるだけの効果でしかない。宙に浮いたようなぼんやりとした視線や、しまりのない表情はプロカメラマンとしては禁物なのだ。

 ステージは床より20センチ程高く、台上には白いシートが張られている。壁際にも同様の白いカーテンが吊り下げられていて、全体が明るく清潔感溢れるコーディネートされていた。

 添田の小気味よい指示で、惠は次から次へとポーズをこなしていった。
 初めは直立姿勢の『I』ポーズからスタートし、次にアルファベットの『A』の構図を描き、最後に身体の曲線を生かした『S』ポーズへと移行していった。
 その間、連写するカメラのシャッター音が鳴り止むことがない。
 テンポのよいシャッター音は次第にモデルを陶酔の世界へといざなっていく。

 基本ポーズでの撮影が一通り終わった頃、添田はやさしい表情で語りかけた。

「いい感じだよ~、惠ちゃん。じゃあ、次は四つん這いになってくれるかな~?」
「え・・・?四つん這いに・・・?」

 このスタジオに来て以来、初めてとるポーズである。
 惠に戸惑いが走った。
 四つん這いは最も無防備な姿勢であり、女性にとってはかなり屈辱的なポーズと言える。

「惠ちゃんの持つ美しさをあらゆるアングルから撮りたいんだ。少し恥ずかしいかも知れないけどなってくれない?すぐに慣れるからさ」
「はい、分かりました・・・」
「うん、じゃあ、顔はカーテンのある方へ向けて、お尻はこっちに向けてくれないかな~?」
「はい・・・」

 惠はためらい気味に屈みこみ、手のひらと膝を床に着けた。

「う~ん、肘も床にくっつけてくれるかな?」
「はい・・・」

 惠は腕を曲げ両肘を床に着けた。
 肘を床に着けたために上半身が前のめりになり、必然的に尻が上がってしまう。
 おそらくクロッチ部分が丸見えになってしまっていて、背後からの視線に晒されているだろう。
 Tバックの場合、フルバックショーツよりもクロッチが細くなっているから肌の露出部分が多い。

(もしかしたら、添田にクロッチを見つめられているかも・・・)

 後ろ向きなので添田の視線は分からないが、想像するだけで恥ずかしくなってしまう。


 連写していたシャッターの音が途切れた。

  「惠ちゃんは本当に綺麗な肌をしているね」
「そうですか?あ、ありがとうございます・・・」
「それに・・・」
「・・・?」
「クロッチに包まれた箇所の膨らみ具合も実に素晴らしい」
「え・・・?」

 思いもよらない箇所への賞賛の言葉に、惠はどのように反応すればよいのか戸惑うばかりであった。



第3話


 クロッチとはショーツの股部で補強のために生地を二重に縫い合わせた部分を言う。
 二重とは言っても1ミリにも満たない薄い布地であることには変わりがなく、惠の羞恥心を抑える材料にはなり得なかった。
 「裸じゃない。下着を着けている」と言うことだけが惠にとって唯一の拠り所であった。ところが、四つん這いになることによって股間が突き出してしまい、陰唇の膨らみ具合など性器の構造が容易に想像できることを、惠は気づいていなかった。
 思いもよらず添田から恥部の形状を賞賛された惠は返事に窮してしまったのだった。
 いや、それよりも、惠としては添田の視線がもっとも恥ずかしい箇所に集中していることが分かり赤面させてしまった。

 惠としては笑ってごまかすしかなかった。

「あはは、いやですわ。女性は誰でも膨らんでいるんじゃないんですか・・・?」
「いや、個人差があるよ。すごく膨らんでいる人、のっぺらして膨らんでいない人。惠ちゃんは適度に膨らんでいてその曲線が実に美しい」
「そ、そうなんですか・・・」

 惠としては添田の視線がクロッチに長く止まっていることが辛かった。
 できれば視線を別の場所に移して欲しい。

「写真は光と影が織りなす2次元の芸術。惠ちゃんが持つ各部位の滑らかな曲線美を光と影で表現したいんだ。協力してくれるね?」

「は、はい・・・」

 信頼する一流の写真家添田にこうまで頼まれては、惠としてはもう「恥ずかしい」などと言ってられなくなっていた。

   添田は自ら少しずつ移動しアングルを変えながらシャッターを切っていく。もちろんその標的は常に惠のクロッチ周辺から臀部全体であった。
 いくら添田の掲げる理念が崇高であっても、恥ずかしい姿勢で、男性に股間を見つめられていることには変わりがない。
 添田はじっと凝視し惠の股間を観察している訳ではないのだろうが、常にカメラを向けられていると、写される側としてはそんな錯覚に陥っても仕方がなかった。
 股間ばかり、一体どれだけ撮るつもりだろうか。
 シャッターの音とともに惠の羞恥心は煽られるばかりであった。

 女性は羞恥心を煽られると次第に濡れてくる傾向がある。
 敏感な惠としては当然その例外にはなり得なかった。
 次第に身体が火照りはじめ、身体の中心部から熱いものが滲み出してくるような気がした。

(いやだわ・・・濡れてきたみたい・・・困ったなぁ・・・染みが浮き出したらどうしよう・・・?)

 添田は何も語らない。黙々とシャッターを押し続けている。

  (まだ大丈夫なのかなぁ・・・?)

 いや、仮にクロッチに染みが浮き出たとしても、添田は余計なことは言わないかも知れない。
 惠は染みが浮き出ないことを願うより仕方がなかった。


 依然、添田は懸命にシャッターを押し続けている。
 添田が染みについて何も語らないことで、惠はすっかり安堵の胸をなで下ろしていた。

(きっと大丈夫なんだわ・・・よかったぁ・・・)

 ところが・・・

「惠ちゃんってお尻もすごく格好いいね。大きな山が二つそびえていて、その真ん中に小高い丘陵地帯があって、そのバランスが絶妙なんだよね~」
「そ、そうなんですか・・・」
「さらに丘陵地帯の中央にくっきりと川が流れている。」
「え・・・?川・・・ですか・・・?」
「川は満々と水を湛えていて見る者に潤いとやすらぎを与えてくれる。」
「満々・・・?水・・・?」

(いやだわ!濡れて染みが浮き出て川のように見えてるってことじゃないの!きゃぁぁぁぁぁ~~~!ひぇ~~~~~!)

 婉曲な言い回しではあったが、惠は添田のクロッチに染みが浮き出ていることを示唆する会話から、思わず狼狽してしまった。

(どうしよう!・・・と言っても今更撮影を断れないし・・・困ったなぁ・・・)

「クロッチに陰と陽がはっきりと出ていてこりゃ最高の写真が撮れそうだよ~。惠ちゃん、期待していいよ~」
「は、はい・・・」
(期待と言うより、これは苦しみかも・・・)



第4話


(パチッ!パチッ!パチッ!)

「かなり撮れたよ」
「もう・・・お終いですか?」
「いや、今度はアップで撮るから」
「ア、アップですか・・・?」

(四つん這いをアップで撮るって、それも芸術なのかしら・・・?一流の先生がそう言ってるんだから、きっとそうなんだろうなあ・・・でも、さっきよりももっと恥ずかしいわ・・・)

 至近距離から臀部を撮影される。
 当然、さらに細部の肉の盛り上がり具合まで鮮明に写し出されてしまう。
 惠は羞恥に頬を染めた。

「長時間、同じ姿勢だときついだろう?少しぐらい動いたって構わないからね。記念写真撮るんじゃないんだからさ、銅像みたいにならなくていいんだよ~。ははは~」
「あ、はい・・・だいじょうぶです・・・」


「楽にして、ちょっと待っててね」

 添田は部屋の隅に行って照明を調節した。
 照明の色が少し変わった。
 惠はスポットライトがある方へ目をやった。
 先程はナチュラルな昼光色だったが、今度は白色の照明に切り替わった。

「お待たせ。じゃあ、再開するね~」

 惠は一瞬、添田の方を見た。
 添田は先程よりもかなり近い場所でカメラを構えている。
 床に這いつくばるぐらい低い姿勢からシャッターチャンスを狙ってる。
 撮影でなければ女性としてはとても耐えられないアングルだ。

(パチリ!パチリ!)

(あぁ・・・間近で恥ずかしい部分を撮られてる~・・・)

 緊張のせいか、惠は無意識で臀部をびくりと動かしてしまった。


 惠は再び添田に視線を走らせた。
 相変らずカメラを構えているが少し位置が変わっている。
 ファインダーの向うからではあるが、添田が今見つめているのは自分だけだ。
 惠はわずかだが、添田を独占した気分になった。

  (痛いくらいの視線が、ずっとあそこばかり見つめてる・・・)

 惠は触れられてもいないのに、薄い布地の上から愛撫されているように感じた。

(いやだわ・・・視線だけなのにすごく濡れちゃってるぅ・・・)

 もしかしたら強い視線は一種のスペクトルを生み出すのかも知れない、と惠は思った。
 スペクトル・・・それはどんな形にも変化できる。
 指の形・・・そしてペニスの形・・・
 惠の意識下によこしまな妄想が広がっていく。

  (私ってすごくエッチなのかしら・・・いや、違うわ。私に意識させるようなことをしているのは先生の方じゃないの・・・)

 やがてクロッチが引き裂かれ、光のペニスが侵入してくる。

(いやぁ~・・・だめぇ~・・・)

「あっ・・・あぁっ・・・・・・」

 惠が突然声を上げたため、添田は驚いてシャッターを切るのをやめ、心配そうに惠を覗き込んだ。

「惠ちゃん、だいじょうぶ?疲れてきたのでは?」
「す、すみません・・・だいじょうぶです・・・」

 添田は惠が頬を紅潮させ、息が少し弾んでいるのを見逃さなかった。

「顔が少し赤いよ。熱があるのでは?」
「いいえ、だいじょうぶです・・・」

 添田は惠の額にてのひらを当てた。

「ふうむ・・・熱はなさそうだね」
「すみません。だいじょうぶですので続きをお願いします・・・」
「そう?きっと緊張のせいだね。もうちょっとだからね」
「はい・・・」

「最後は真下から取りたいんだけどねえ・・・」
「え?真下ですか?」

 惠は目を丸くした。
 あまりにも意外なアングルの注文に惠は驚きを隠しきれなかった。

「真下と言っても、ネットなどで時々見掛けるスカートの下から、とかじゃないよ」
「じゃあ、どんな角度なんですか?」
「惠ちゃんは四つん這いの格好のままでいいんだ。僕が恵ちゃんの下に潜り込み、真下から撮る。それだけのことだよ」

 そんな撮り方ってあるのだろうか。
 いまだかつてそんな撮影方法なんて、見たことも聞いたこともない。

 だけどここまで撮影して来て、今さら断るわけにもいかず、惠はうなずくしかなかった。



第5話


 添田はカメラを持ったまま仰向けになり、四つん這いになっている惠の直下へ逆向きになって潜りこんで来た。ある意味、遠景からのヌード撮影よりも恥ずかしい状況と言える。
 このままお互いが密着でもしようものなら、一気に『シクスナイン』に早変わりしてしまう。もしも今襲われでもしたら、惠としてはとても逃げ切ることは困難だろう。

(うわぁ~・・・すごいことになってきたぁ・・・どうしよう・・・)

 信頼しているカメラマンとは言っても、一抹の不安を拭うことができなかった。

(だって、先生も歴とした1人の男なんだから・・・)

 惠の不安をよそに、添田はシャッターを切り続けていた。

 その時、惠は添田の異変に気がついた。
 ちょうど惠の顔の下に添田の腹部があり、あろうことかズボンの股間が隆々と盛り上がっていたのだ。

(きゃ~~~っ!!先生が私を見て興奮してるぅ~!!いやだぁ~~~!!)

 惠は焦った。
 カメラマンがモデルを見て興奮している。常識的に考えればとても不謹慎なことだが、添田の真剣な撮影態度からして騒ぎ立てるわけにはいかない。
 惠としては黙殺するより他になかった。

(パチ!パチ!パチ!)

 撮影が早く終わって欲しい。
 惠はただそれだけを念じた。

 しばらくすると、惠の願いが通じたのか、添田から『お疲れ様』の言葉が聞こえてきた。
 惠はほっと一息つき、膝を崩し床の上に座り込んでしまった。

「長時間ごくろうさまだったね。かなり疲れたろう?ゆっくり休憩してね」
「はい、疲れましたぁ。あはは・・・」
「惠ちゃん」
「はい?」
「撮影の最後の辺り、驚いたのでは?」
「え・・・?何がですか・・・?」
「ははは~、とぼけてからに~」
「嫌ですわ、先生。何のことかしら・・・」
「僕のズボン膨らんでいたの見たろう?」
「え・・・?ええ、そう言えば・・・」

 惠は頬を赤らめて、添田から視線を逸らしてしまった。

「いやぁ、ごめんね。惠ちゃんの美しさと妖しさにすっかりノックアウトしてしまったよ~。ははははは~」
「あは、そんなお上手を」

 添田はそういって頭を掻いた。

「でもね、弁解するわけじゃないけど、究極の女性美とは、芸術性もさることながら、官能的な魅力も存分に含まれている訳で、その両方を兼ね備えた惠ちゃんを間近で見てると、つい興奮してしまったんだよ」
「嫌ですわ、先生。それはちょっと買いかぶりですわ。でもそう言ってもらえてすごく光栄です」

 惠は先程垣間見た添田の肉体的変化については一切触れず、賞賛の言葉に対し素直に礼を述べた。

「じゃあ、先生、ぼちぼち失礼しますね」
「お茶でも飲んで行かないかい?スタジオのまずいコーヒーしかないけど」
「ありがとうございます。でも今日は失礼します」
「うん、分かった。じゃあ、また来月来てね」
「はい」
「次回こそ、ヌード・・・撮ろうか?」
「いいえ、それだけは遠慮しておきます」
「そうか。じゃあ、またね。気をつけて帰ってね」
「気をつけて、って、私、まだ着替えてないんですけど・・・」
「はははははは~!そうだったね。これは失敬」

 惠は更衣室へと消えていった。

(それにしても今日はスリリングな撮影だったなぁ・・・アセアセ・・・次回はどんなことになるんだろうなぁ・・・)



(第1章完)

第2章へ




めぐみ









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