第4話

「それにしても、ありさちゃんってお酒が強いね」
「うん、実はね、私銀座のナイトクラブでバイトしてるの。飲んでいるうちにいつの間にか強くなっちゃったの~」
「一度聞こうと思ってたんだけどね、どうしてモデルの仕事だけにしておかないの?夜働くなくても食べていけるだろう?」
「う~ん……トップモデルでもないしモデルの仕事だけじゃちょっと厳しいの。仕事が入るのも不定期だから不安定なの。それに欲しいものがいっぱいあるしね。あはは」

 ありさはぺろりと舌を出し、悪戯っぽい表情をした。

「服とか、バッグとか?」
「そうね、それに海外旅行も好きだし。私、贅沢過ぎるなのかな~?」
「そんなことないよ。欲しいものがあってがんばるのは悪いことじゃないと思うよ」
「でも一番欲しいものはねぇ……」
「何だろう?」
「それはね、S・h・y・さ・ん……」
「ぷははははは~、ありさちゃん、悪酔いしてるんじゃない?ちょっと冗談きついよ~」
「冗談じゃないって~!マジで言ってるのに~!もうShyさんなんて大嫌い!」
「そんなに怒らないでよ。ウィッ……おっと……もう空けちゃったあ。バーテンさん、ジャックダニエルお代わりくれますか?いや、IWハーパーにしようかな?ウィッ!」
「Shyさん、だいじょうぶ?もうかなり飲んでるよ?ぼちぼち出ようよ~」
「何を言ってるんだ~、今日はありさちゃんが大阪に来てくれて僕は嬉しいんだ~」
「またそんなにありさを喜ばせてぇ~。バーテンさん、私もカクテルお代わりしようかな?カルアミルクお願いね」
「ありさちゃんって本当に強いね~、こりゃ参った参った!この際、朝まで飲もうか!?」
「うん、それもいいかも」

 その時僕たちの会話を聞いていたバーテンが申し訳なさそうにぽつりと告げた。

「あのう、すみません。当店は午前4時で閉店なんです」

「4時?う~ん、まだまだ時間があるね~。ウィッ!ありさちゃん、4時まで飲むぞ~~~♪」
「じゃあ徹底的に語り明かしましょう~~~」

◇◇◇

 その辺りまではちゃんと記憶しているのだが、その後どのようにしてホテルへ辿り着いたのか全く憶えていない。
 のちにありさに聞いたところ、大きな通りまでふらふらと歩き、タクシーを止め乗り込んだという。
 その後、ありさが予約していたホテルモン〇レに到着し、そのまま二人して雪崩れ込んでしまったらしい。
 あまりにも近距離だったため、タクシーの運転手は少し機嫌が悪かったという。
 まあ泥酔状態の僕にとっては『知らぬが仏』だったわけだが、その後決して『知らぬが仏』では済まないことが起こってしまった。

 僕はとにもかくにも酔いつぶれて爆睡してしまった。
 ネットフレンドのありさがはるばる東京から遊びに来たと言うのに、何という失態だろうか。
 ふつう女性をホテルまで送り届け、自分はそっと帰宅すると言うのが紳士というものではないのか。
 泥酔していたとはいえ、女性の宿泊部屋に入り込み、おまけにツインベッドの一方を占領し眠り込んでしまうとは何と図々しいやつだろうか。

◇◇◇

 ベッドに入ってからどのくらい時間が経過したのだろうか。
 薄暗い部屋の中で、僕は下腹に異変を感じ突然眼を覚ました。
 だが一体何が起こっているのか、朦朧とした意識の中状況が全く把握できない。
 何かくすぐったいような、それでいてすごく気持ちがいいような……

 うわっ!ま、まさか!もしかしてこの感触は!?
 目が覚めた瞬間は性夢でも見たのかな、と思い、真っ暗な天井をぼんやりと見上げていたが、肉体的な異変は夢ではなく現実であるとすぐに気づいて驚いた。

「うわ~~~っ!ありさちゃん、何してるんだよ~~~!」

(チュパチュパチュパ……チュパチュパチュパ……)

 寝ぼけまなこの僕が目に飛び込んできたのは、ありさが僕のイチブツを咥え込みしゃぶっている光景であった。
 僕のイチブツはすでにビンビンに怒張し、まるで異物が身体に付着しているような感覚だった。

「おおおおお~~~っ!ありさちゃん、何をしてるんだよ~!やめるんだ~~~!」
「だって美味しいんだも~ん~♪」

(チュパチュパチュパ……チュパチュパチュパ……)

「美味しいたって、おいおい、ちょっと~!」
「Shyさんはねぇ、今夢を見ているの~。な~にも考えないで、ありさに任せておけばいいのよ~」
「ちょっとちょっと、ありさちゃん!よせって!」
「いいの~」

(チュパチュパチュパ……チュパチュパチュパ……)

「ダメだってば~、うううっ……うううっ……」

 起き上がろうと試みたが、寝起きのうえに飲み過ぎが祟ってまるで力が入らない。
 いや、それよりも男の先端を咥えられると、へなへなと力が抜けてしまう。


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