官能小説

『ありさ 義父の視線』

Shyrock 作



 
野々宮ありさ(役名 湊川ありさ)



第5話「義父の油断」

「ありさ、かわいい……」

 最初から最後まで寝バックだけで貫き通し、果てた後うなじにキスをしながらささやく諭。
 惹かれることなどあり得ない相手だが、一度結ばれてしまうと不思議なことに奇妙な親近感が生まれる。
 だけど素直になんかなれるはずがない。

「お義父さんなんか嫌い……」
「ありさ、すまない。だけど私はおまえが好きなんだ。だからどうしてもおまえが欲しかったんだ。あまり抵抗しなかったよな、ありさも」
「……」

 諭の言葉に罪悪感と脱力感が身体を巡った。
 抵抗しなかったわけではない。
 できなかったのだ。
 こけて、うつむきになって、覆いかぶされて、挿し込まれて……
 正直すごく気持ちがよかった。力が抜けてしまった。
 心の奥底ではやめて欲しくないなんて思ってたのかもしれない。
 しかし挿入されている最中、頭が錯乱していたので、その時の気持ちが思い出せないというのが本音であった。

「ありさ、時々でいいからこれからも愛し合おう?」
「そんなの無理です……」
「あんなにいい声を出していたのに、それでもダメなのか?」

 うなじに舌が這うと、つよく吸われたところに痕が残った。

「キスマークつくから、やめてください……」
「あっ、すまない……つい夢中になってしまって……」
「……」
「無理だと言っても、私じゃなければ満足できないようにするしかないな?」
「……?」
「ありさ、いいか」
「……えっ?」

 諭はうつむけになっているありさの肩をつかむと強引に身体をひっくり返した。

「そんなっ……」

 六十を過ぎたと言っても力は衰えていない。
 仰向けになったありさの向かって右側の乳首に舌先を転がせる。

「あぁん……!」

 少し甘噛みをするとありさの身体が弾けた。
 そのまま吸い上げる。

「いやっ!……お願いです!」

 もう片方の乳房を、左手で揉みしだき、人差し指で乳首を転がして、そしてはじいた。

「んあっ、お義父さんっ!」

 諭は思った。

(私を受け入れろ……)

 そんな思いを込めて両方の乳房を攻め続ける。
 たわんだり、ゆがんだり、指の隙間からこぼれたり、無秩序に形を変える様子を見つめる。
 それは諭にとって至福のひとときだった。
 しかし、諭にとってそこが最終目的地ではない。
 諭は、ある程度ふくらみを堪能した後、右手をありさの下半身へと滑らせた。
 自身の肉欲の象徴をありさの割れ目にあてがい、一気に腰に力を入れた。
 年齢に不相応な恐ろしいほどの回復力といえる。
 ほんのわずかな抵抗感が諭をときめかしたあと、肉根はニュルリと、温かくて柔らかい、うごめく花芯にすっかり呑み込まれてしまった。

「んぁっ……はぁんっ……!」

 弓なりにのけぞるありささんの肉体。
 端正な顔が苦悶でゆがむ。ありさの腰を両手でつかみ、諭はさらに奥まで突き上げる。

「ひぃっ! あぁっ! おとう……お義父さん……ダメぇ~~~っ!」

 諭の体重を押しのけることができず、ありさはシーツをぎゅっと握る。
 腋の下のくぼみが汗で濡れていた。鎖骨がくっきり浮き出ていた。白く細い首に長い髪が絡まっていた。

「はぁはぁはぁ……私の回復力は凄いだろう?」
「……は……はい……すごすぎます……!」
「この歳になってセックスなどもうしないだろうと思っていた……」
「……」
「はぁはぁはぁ……ところが、ありささん、あんたが私を復活させた」
「そんな……ああっ……」
「魅力的な女が相手だと男はすぐに回復する……はぁはぁはぁ……」
「そんなこと……あぁっ……あうっ……!」
「そんな勝手な生き物なんだよ……おおっ……いいぞ……気持ちいいぞ……!」

 諭はありさの女体に酔いしれた。
 久しく忘れていた。
 交わりが与えてくれる狂わしいほどの快感。
 たけりくるう肉根。

 諭は腰を動かし始めた。最初は注意してゆっくりと始めたが、徐々に加速させていく。

「あんっ、はぁっ、やっ、やめてぇ……お義父さん……隆志さんが帰ってきます……!」
「あいつはずっと残業続きだよ。今日も遅いはずだ」

 ありさの壺が肉根にまとわりついてくる。
 思ったとおりの名器だ。
 狭く、しかし伸縮性に優れ、緊張と弛緩の緩急で肉根をさすり、こすり、刺激する。
 ザラザラした部分が亀頭を刺激するような感触が諭を襲う。

(数の子天井とはこのことをいうのか。名器の女と巡り会えて隆志は恵まれている。しかしあいつはまだ気づいていないのかも知れない……ありさが名器であることを……)

「んっ……はぁんっ……あっ……そこ……だめぇ……お義父さん……いけないわ……!」

🌗🌗🌗

 ちょうどその頃、玄関扉のシリンダ錠に鍵を差し込む音がした。
 残業続きの隆志が今日は珍しく仕事を早めに切り上げて帰宅したのだ。
 くんずほぐれつの真っ只中の二人には開錠する音など聞こえるはずもない。

「ただいま」
「……」

 返事がない。

「風呂にでも入っているのかな?」

 土間で靴を脱いだ隆志は、玄関に上がった。

「ただいま~」

🌗🌗🌗

「ありさ、行くぞ!」
「ひぃっ! お義父さん、いやっ!」

 高ぶる感情を抑えきれない諭は、腰を激しく動かす。

「おおっ!出る~~~!」
「抜いてぇ~~~~~!」

 強い締めつけが諭を一気に頂点へといざなう。
 必死に腰を動かす諭。ありさが弓なりに身体を反りかえらせる。
 諭の肉根がぶるんっと震えた瞬間、リビングのドアが開いた。





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