
第54話「花裂に食い込むこぶ縄に耐える衣葡(3)」
「ぎゃははは、凄いイキっぷりじゃねえか」
殿井が哄笑している。
殿井たちは衣葡の絶頂を面白がりながら、スマートホンのカメラを向けている。
衣葡の淫らな絶頂シーンを面白半分に動画で撮影しているのだ。
中でも崎野は興奮のあまり、鼻の穴を広げてスマートホンを構えていた。
「い……やぁ…写さないでぇ……」
絶頂の余韻でまともに喋ることができない。
衣葡は弱々しい声で懇願するが、殿井たちの興味は収まらないようだ。
衣葡はロープに跨がった状態で、何とか次の一歩を踏み出そうとしていた。
一歩進むたびに、快感の渦が全身を包み込んでくる。
まるで、茨の道を歩かされているようだ。
衣葡が通った後のロープは、怪しく煌めいている。
雫がぽたぽたと滴っており、衣葡の身体が淫らに反応しているのを物語っていた。
やがて、二つ目のコブが見えてきた。
富成が三分経過したことを告げてくる。あと七分。
今、衣葡は丁度中間地点の辺りにいた。
ペースを上げなければ、ゴールできない。もう、躊躇している時間も惜しい。
衣葡は熱い吐息を溢しながら、さらなる刺激に向かって身を投じた。
「あひぃいいい、だ、だめぇっ……ん、はぁああ……」
肉芽が突起によって蹂躙され、理性が吹き飛びそうになる。
痙攣する両足で自分の身体を支えることが難しくなり、よろめいてしまう。
こぶに陰部を強く押し付けることになり、さらに強烈な快楽が襲いかかってきた。
「あ……ひぃいい……」
目の前が真っ白になり、意識を失いかける。
それでも、衣葡は本能的に歩みを続ける。縄から垂れ落ちる液体の量が増えていく。
俊介と悠太も猿轡の奥から声にならない声で、支援を送る。
(後半戦だよ、頑張って)
彼等の想いをかき消すように、殿井が罵声を浴びせる。
「マン汁撒き散らしてイけ、変態女」
ありさが両手を合わせて衣葡の苦痛の軽減を祈る。
衣葡は顔を赤く染めながらも、懸命に足を動かす。
「あっ……くっ……! んんっ……」
衣葡は喘ぎ声を押し殺し、必死に耐えようとする。
しかし、全身を貫く快感には抗えず、どうしても声が出てしまった。
秘部がロープに擦れる度に、ヒクつき、愛液を溢れさせる。
足がガクガクと震え、今にも崩れ落ちそうだ。
今の衣葡を支えているのは、ありさたちを救いたいという強い信念だけだった。
(あ……ああ……嘘でしょ……)
三つ目のこぶが見えてきたところで、衣葡は絶望的な気分になる。
明らかに、結び目の感覚が狭まっているのだ。
等間隔に設置されているものだとばかり思っていたこぶは、後半になるにつれてその数が多くなっている。
ただでさえ時間が足りないのに、このペースでは間に合わないかもしれない。
衣葡は焦燥感に駆られた。
しかし、足を止めるわけにはいかない。
衣葡は歯を食いしばり、最後の力を振り絞って一歩を踏み出す。
ぐにゅぅううう……
無情にも花裂に深く食い込むこぶ。
「ひゃあああああああ、ひ、ひいいい……」
陰核が強く押し潰されると同時に、膣内からも大量の潮を吹き出してしまった。
視界に火花が散る中、衣葡は絶頂を迎えた。
だが、休む間もなく次の一歩を踏み出す。
腕を拘束している拘束具が軋んでいる。
衣葡は肩で息をしながら、懸命に一歩ずつ進んでいった。
全身汗まみれになっており、顔も茹蛸のようになっている。
こぶを一つ乗り越えたのも束の間、次のこぶがすぐそこまで迫っている。
絶頂の余韻も冷めやらぬまま、衣葡は新たな快楽地獄へと突き進んでいく。
官能のうねりは収まるどころか相乗的に大きくなっている。
(頭が……おかしくなりそう……)
衣葡は焦点の定まらぬ瞳で、ぼんやりと前を見つめる。
頭の中では、ありさたち三人の笑顔を思い浮かべていた。
ありさもまた祈るような眼差しで両手を合わせ、衣葡の苦しみが少しでも軽減されるよう祈っていた。
残りのコブは三つになった。自ら淫らな罠へと飛び込んでいくのは恐ろしかったが、歩みを止めるわけにはいかない。
衣葡は懸命に足を動かしていく。
「あうううううううううう」
股間から脳天にかけて電流が流れたような衝撃が走る。
衣葡は膝から崩れ落ちそうになるが、何とか堪える。
まずは一つ。
(あと、ちょっとだから……もうちょっとだけ、我慢……)
衣葡は自らを励ますように心の中で呟いた。
ロープが陰核を責め立ててくる。
こぶを乗り越えたからといって、休めるわけではないのだ。
自分に言い聞かせないと、自制心を保ってはいられなかった。
「残り三十秒……」
富成がスマートホンのストップウォッチを覗いている。
もう時間がない。
衣葡は何とか気力を奮い立たせると、残り二つのこぶへと向かう。
「あっ……んっ……んんっ……」
敏感な部分を縄にこすりつけられ、衣葡は絶え間なく喘ぎ声を漏らし続けていた。
顔を赤らめて恥ずかしそうにしている姿は、艶っぽい。
「ふぅ……んんっ……んああああああああ……」
気合いでこぶを乗り越える。
すっかり充血した肉芽が疼き、甘美な痺れが全身に広がっていく。
衣葡はビクビクと身体を痙攣させながら、何とか耐えきった。
「んんっ……はぁっ……」
衣葡は切なげな吐息を洩らすと、ラストスパートをかける。
ゴールまで、あと少しだ。
「あと十秒……」
富成のカウントダウンが始まる。
衣葡は最後の力を振り絞り、こぶへと向かって駆け出した。
「ひぃいいいいいいい……ああああああああああああああああああああっ!」