(第52話)


 
衣葡




第52話「花裂に食い込むこぶ縄に耐える衣葡(1)」

 ありさは全身の筋肉がぶちのめされたようにぐったりと疲れはてていた。
 衣葡は跪くと、ありさの耳元で糸のような細い声で詫びた。

「ごめんね……ありさちゃん……痛い思いをさせてしまったね。許してね」

 ありさが弱々しい音色で答えた。

「だいじょうぶ……衣葡さん、叩くのを少し加減していたでしょう……?」
「分かった?」
「うん、すぐに分かったよ、ありがとう……」

 ありさの尻を叩く時、衣葡はちょっとした芝居を打ったのだ。
 布団たたきのアクションは大きく振り上げるなどできるだけ派手に見せるが、打撃時は力を制御する。
 以前演劇部の経験がある衣葡ならでは秘めたるテクニックであった。

 富成が衣葡用にロープを調整している。
 悪い予感がよぎる。

 殿井が衣葡に告げた。

「衣葡、ありさと友情ごっこはおしまいだ。おまえの番だ」

 もしかしたら、打撃時に手加減をしていたのを殿井は見抜いていたのだろうか。
 知っていて、あえて何も言わなかったのかもしれない。

 壁の端から中央に向かって縄が張られている。
 衣葡は壁際に立たされた。
 殿井が告げる。

「喜べ、今回は錘は付けない。跨いだまま十分間耐えたら、おまえと悠太の二人は解放してやるぜ」
「お願いです。ありさちゃんとご主人も解放してあげてください」
「ダメだ、おまえたち二人だけだ。もっぱらおまえが耐え抜くとは考えにくいが、まあチャンスだけはやるぜ」
「……」

 殿井が約束を果たす人物とは考え難かったが、衣葡としては彼の言葉に賭けてみるしかなかった。
 
 ロープはちょうど衣葡の足の付け根の高さにある。
 これに跨ったらどうなってしまうか、想像するだけで気持ちが重く沈んでいく。
 なかなか跨ろうとしない衣葡に対し、殿井は不機嫌な表情を浮かべている。
 危機感を感じた衣葡は、あわててロープの上にまたがった。
 絶妙な高さに調節されたロープが衣葡の花裂に食い込んでいく。
 一応ショーツを穿いてはいるが、クロッチ部分をくり抜きかれているため、まったく防備にならない。

「あうっ……」

 自重でロープが深く沈んでいき、敏感な部分を擦られる。
 痛みと快感が入り混じった不思議な感覚に、情けなくも衣葡は甘い声をあげてしまった
 身体が揺すれてロープが軋む。
 衣葡はつま先立ちになって食い込みを防ごうとするが、崎野に頭を押さえつけられて失敗に終わる。

(こ、こんなの無理っ……。この状態で歩くなんて、できないよ……)

「滑りをよくしてやるよ」

 崎野が少しロープを下げ、花裂にローションを塗りこむ。
 冷ややかな感触が敏感な部分を刺激する。
 ついでに花裂を弄って愉しんでいる崎野。

「やめてっ……」

 衣葡の身体は熱くなっていた。
 一連の恐怖のせいで忘れていたが、自身の身体が今異常なほどに敏感になっているのが分かった。
 こんな状態でロープを擦らせたりしたら、きっとすぐにでも達してしまうだろう。
 衣葡はなんとか快感を抑え込もうとするが、そんな彼女の努力を嘲笑うかのように、崎野が背中を蹴り上げてきた。
 衝撃で身体が前のめりになるとともに、花裂の中に捩じ込まれるようにしてロープが押し込まれていく。

「ひぃい~~~~っ!」

 背骨が折れそうなほどの痛みと、秘所への刺激で悲鳴をあげる。
 ブルブルと身体を震わせながら、衣葡は顔を天井に向けて悶えた。

「すっごい反応……」
「おいおい、まだ始まったばかりなのに、もう感じてるのかよ!」

 男たちが淫靡な笑みを浮かべながら、衣葡の早過ぎる反応を愉しんでいる。
 男たちの言葉が胸に突き刺さり、衣葡は自分が淫らな反応をしてしまったことを恥じた。
 顔が火照っているのは羞恥ゆえか、それとも快楽ゆえか、自分でも分からなかった。

 ロープに跨ったまま、後手に繋がれた衣葡の姿に男たちは嗜虐心を滾らせていく。

(こんなに感じてしまって、十分間耐えられるかしら……)

 ロープによる羞恥責めに、衣葡は早くも心が砕けそうになっていた。
 だけど逃げたくても逃げることができない。
 いくら恥ずかしくても、挑むしか道はないのだと、衣葡は自分に言い聞かせた。

 それでも、一歩を踏み出すのは怖い。
 ちょっと揺らされてあんなに感じてしまったのだ。
 途中にあるコブの上をを歩けばどうなるか、想像するだけで恐ろしかった。

(怖い……、けど……)

 衣葡は深呼吸をして、震えを抑える。
 自分がやるしかないんだと言い聞かせた。

「いつまで止まっているんだ。早くスタートしろ」

 殿井が催促する。
 衣葡は意を決して、ゆっくりと足を前に出した。

「うっ……ひっ……」

 一歩を踏み出す前に、強烈な刺激が陰核を襲う。
 花芽が擦れてジンジンと疼き始める。
 衣葡は必死で歯を食いしばり、声を押し殺した。
 できることなら手で口を覆いたいが、後手縛りにされていてそれができない。
 喉の奥から溢れそうになる声を必死に押し留めた。
 声が一度漏れてしまったら、もう抑えが効かなくなってしまうだろう。

「ふっ……くぅっ……!」

 衣葡はビクビクと痙攣しながら、もう一歩前に踏み出す。

 ずりゅ……

「んっ……ん……んんぅ……」

 ロープが、淫裂に深く食い込む。
 腰をくねらせて刺激から逃れようとするが、そんな動きでは到底快感をごまかせない。
 むしろ、自ら花裂を縄に押し付けているようで、余計に快感が増してしまう。

(だ、ダメっ……、下手に動いたら……)

 ロープが敏感な部分をゴリゴリと刺激する。
 自分の指で触るのとは比べ物にならない強烈な刺激だ。

「あっ……くっっっ……!」

 衣葡は顔を真っ赤にして、刺激に耐え続けた。
 少しでも気を緩めたら、一気に快楽に飲み込まれてしまいそうだ。
 しかし、衣葡のそんな健気な抵抗を楽しむかのように、崎野は肩をドンと押してきた。
 体勢が前に崩れ、また一歩前進してしまう。
 縄に思い切り割れ目を押し込むような形になってしまった。

「あぁあああっ!! あひぃい~~~~~~~~っ!」

 秘部に激しい振動が伝わり、衣葡は思わず甲高い悲鳴をあげてしまう。
 我慢など一瞬で忘れ去ってしまう強烈な快楽が下腹部から脳天に向かって突き上げてきた。

 目の前で電気がバチっと弾けたかのような衝撃だった。
 頭が真っ白になり、何も考えられなくなる。
 衣葡は背中を大きく仰け反らせながら、絶頂を迎えた。

 ポタポタとロープから液体が滴り落ちている。
 AV女優顔負けの衣葡の淫らな絶頂シーンは、男たちの興奮を煽った。



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ありさ












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